Base Ball Bear、初武道館公演で再会を約束
2010年1月11日 16:33 4
1月3日に東京・日本武道館にて
この日のライブは最新アルバム「(WHAT IS THE) LOVE & POP?」リリースに伴う全国ツアーの最終公演というだけでなく、Base Ball Bearにとって2010年の幕開けを飾る初の武道館公演。会場にはお正月のおめでたい空気とともに、大舞台に挑戦するBase Ball Bearに対する観客の期待感が渦巻いていた。
定刻を5分過ぎた頃客電が落ち、日の丸をほうふつとさせる朱色の円と「LIVE; (THIS IS THE) BASE BALL BEAR」をプリントしたタペストリーをバックにメンバーが颯爽と登場。4人は楽器のセッティングを終えると、堀之内大介(Dr)を中心に向かい合い「ドラマチック」のイントロを鳴らす。小出祐介(Vo, G)と湯浅将平(G)の奏でる軽やかなギターのカッティングに合わせて観客のハンドクラップが武道館に響くと、瞬時にステージとオーディエンスとの一体感が生み出された。
「ドラマチック」でがっちり観客の心をつかんだ後に鳴らされた「SOSOS」では赤いレーザーが会場を飛び交い楽曲のスリリングな側面を増幅させ、「YUME is VISION」ではカラフルなライティングが彩りを添えるなど、アリーナ会場ならではの演出の数々がオーディエンスを引き込む。
そしてoiコールが盛大にこだました「changes」に続いて、1回目のMCがスタート。小出は新年の挨拶とともに「全力で持てる力を出し切って、最後には伝説になりたいなと思ってます」と宣言。さらに親が来ているのでカッコイイことを言うのが照れくさいとごにょごにょ言いつつ「みんな忘れられない一夜にしようぜ」とオーディエンスを控えめに挑発した。小出の高めのボーカルに関根史織(B, Cho)の涼しげなコーラスが寄り添う「LOVE LETTER FROM HEART BEAT」でライブモードに戻ると、堀之内の表情豊かなドラミングが映える「ヘヴンズドアー・ガールズ」、湯浅のスピーディなギターが高揚感を煽った「つよがり少女」と緩急をつけた選曲で観客をぐいぐいと引き込んでいった。
そして「4D界隈」を演奏し終えたところで、「ね? そういう感じなんです」という小出の楽曲とは脈絡のない言葉をきっかけに2回目のMCに。当初は初めて体育館でライブをした日から足かけ8年で武道館に到達したことを感慨深そうに語っていた小出だが、いきなり堀之内のTシャツの柄にツッコミを入れた上、過去のビジュアルや行動を事細かに暴露。さらに関根が浮かべたキュートな笑顔に対して「その笑顔嫌い! 猫キャラ出た!」と逆ギレしたりと容赦なくメンバーをいじりを始める。
その暴走ぶりを取りなすように堀之内は「(小出は)高校で出会ったときは壁を作ってたけど、今は外に出ようとしてる。内面から変わってる気がする」とフォローを入れる。その言葉で落ち着きを取り戻した小出は、「僕のカッコよさは内面から出てると……。でもバンドをやってきて基本的には変わってないんです。そんな僕が17歳のときに書いた曲を聴いてください」と語り「ホワイトワイライト」へとつなげた。4人はまばゆいライトを浴びながらスケール感あるノスタルジックな音像で武道館を満たし、続いてトーンを抑えた「GIRL OF ARMS」で“青春ポップス”だけではないバンドの一面を顕わにした。
ちょうど中盤に差し掛かったとき「今日は僕らにとって初めての武道館ですし、おめでたい日なので特別ゲストとしてWINK SNIPERさんをお呼びしてます!」という小出のアナウンスで、WINK SNIPERこと関根がピースサインを掲げながら会場に挨拶。ワンマンではしばしば関根に対してムチャ振りをする小出は、この日は彼女に萌え声で観客いじりを強要。関根は「武道館が激アツだわ」から始まり、「あけましたのおめでただわ」「あいつ、お偉いさんのオッサンだわ」などエスカレートする小出のリクエストに次々と応え、最後に「マネージャーがカンカンだわ」と言い放つと自身がメインボーカルをとる「WINK SNIPER」を熱唱した。
さらに「SIMAITAI」を挟み、今度は湯浅のダンスコーナーに突入。しかしギターを置きステージ上手に消えた湯浅はいつまで経っても戻って来ず、堀之内のドラムソロが延々と続く。小出の「将平まだかよ!?」の声が会場に響くと、楽屋で優雅に升酒を楽しむ湯浅の姿がスクリーンに映し出され、場内に爆笑が沸き起こる。その後、小出に煽られ急ぎ足でステージに戻ってきた湯浅は、ほかの3人の鳴らす音にあわせてオリジナリティあふれる踊りでオーディエンスを魅了。普段のクールな佇まいからは想像できないコミカルな動きで、会場をおおいに盛り上げていた。
ライブの後半戦を彩ったのは、夏を感じさせる「BREEEEZE GIRL」。爽やかな風を吹き込みその勢いでラストまで持っていくのかと思いきや、続いてはトリッキーなアレンジを聴かせる「Stairway Generation」でシリアスな空気を紡ぎ出す。さらに「海になりたい part.2」「CRAZY FOR YOUの季節」の2曲で、ライブのペースを加速させていく。ライブの進行とともにエネルギッシュさを増す4人の演奏に呼応するように会場の熱気が高まったところで、「LOVE MATHEMATICS」が投下されると観客の動きは一層激しくなった。
「今日は初めての武道館公演にお越しいただき真にありがとうございました。緊張してたけど、それを通り越して楽しかった。また会おう!」という小出の言葉に続き、本編のラストナンバーとして「ELECTRIC SUMMER」がスタート。堀之内と関根の刻む軽やかビートに乗せて、華やかなギターを響かせる湯浅と息を切らしながらも絶唱する小出、そして4人の熱演に拳を上げ応える大勢の観客の姿。これ以上ないほどの熱気が会場を包む中、本編は終わりを告げた。
アンコールでは小出が「武道館やって1回きりっていうのはカッコ悪い。今日ステージに立ってみて、次のバンドとしての目標ができた。いつだって武道館を満杯にできるバンドになろうと。(武道館の収容)最大人数を入れられるバンドになる!」「みなさんとまたここで再会できる日を楽しみにしています」と宣言。そして「夕方ジェネレーション」「BOY MEETS GIRL」の2曲を高らかに、そして堂々と奏で1回目のアンコールを終えた。
しかし4人がステージを降り、客出しSEが流れ始めても拍手は止らずダブルアンコールに。小出は小走りでステージに戻ってくると「盛り上がりすぎても知らないからね。いいのか武道館? まだまだ俺らについてきてくれんのか?」と絶叫。4人は、ときおりテンポを乱しながらも全身全霊でラストナンバー「祭りのあと」を奏で、約2時間半におよんだ初の日本武道館ライブを終えた。
なおこのライブの模様は、3月17日にBase Ball Bear初のライブDVD(タイトル未定)としてリリースされることが決定している。足を運んだ人はもちろん、足を運べなかった人も“伝説”を記録したDVDの内容を楽しみにしておこう。
Base Ball Bear「LIVE;(THIS IS THE)BASE BALL BEAR」セットリスト
01. ドラマチック
02. SOSOS
03. YUME is VISION
04. changes
05. LOVE LETTER FROM HEART BEAT
06. ヘヴンズドアー・ガールズ
07. つよがり少女
08. 4D界隈
09. ホワイトワイライト
10. GIRL OF ARMS
11. WINK SNIPER
12. SIMAITAI
13. SAYONARA-NOSTALGIA
14. BREEEEZE GIRL
15. Stairway Generation
16. 海になりたい part.2
17. CRAZY FOR YOUの季節
18. LOVE MATHEMATICS
19. ELECTRIC SUMMER
<アンコール>
20. 夕方ジェネレーション
21. BOY MEETS GIRL
<ダブルアンコール>
22. 祭りのあと
リンク
- Base Ball Bear - EMI Music Japan -
- Base Ball Bear
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まっちゃん @MacchanIeda
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