鬼束ちひろ、MCなしでストイックに歌いきったツアー千秋楽

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鬼束ちひろの全国ツアー「鬼束ちひろ コンサートツアー『シンドローム』」が、昨日7月12日に行われた東京・中野サンプラザホール公演をもって終幕した。

鬼束ちひろ(撮影:橋本塁[SOUND SHOOTER])

鬼束ちひろ(撮影:橋本塁[SOUND SHOOTER])

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鬼束ちひろ「鬼束ちひろ コンサートツアー『シンドローム』」東京・中野サンプラザホールの様子。(撮影:橋本塁[SOUND SHOOTER])

鬼束ちひろ「鬼束ちひろ コンサートツアー『シンドローム』」東京・中野サンプラザホールの様子。(撮影:橋本塁[SOUND SHOOTER])[拡大]

今年2月にリリースしたアルバム「シンドローム」を携えて、各地をバンド編成で回った彼女。ツアー中最大規模の会場となった東京公演では、MCなし、アンコールなしというストイックなステージで観客を圧倒した。

張り詰めた空気の中、バンドメンバーが現れ、最後に鬼束がステージへ。スポットライトの下で彼女が歌い出したのは、「シンドローム」の1曲目を飾る「good bye my love」。チェロとバイオリンの繊細な音色に乗せて、たおやかな歌声が会場中に響きわたる。その後、鬼束は「碧の方舟」「Sweet Hi-Five」など、最新作からの楽曲を熱唱。ときに抑制を効かせながら、ときに感情を爆発させるように歌い上げていく。曲が終わるごとに拍手は起きるものの、場内には緊迫した空気が漂い、観客は息を詰めて鬼束の歌に耳を傾けた。

鬼束ちひろ(撮影:橋本塁[SOUND SHOOTER])

鬼束ちひろ(撮影:橋本塁[SOUND SHOOTER])[拡大]

2時間のライブ中には、「蛍」や「流星群」など過去の代表曲も歌唱されファンを喜ばせる。中盤には花岡なつみに提供した「夏の罪」のセルフカバーも届け、儚い空気を醸し出した。一方で「X」が始まると歪んだエレキギターの音に対抗するように、鬼束は声を張り上げる。曲のクライマックスでは髪を振り乱し、歌い終えるとステージに跪いた。

ライブの後半に入ってからも鬼束は休憩を挟まず、粛々と歌い続ける。チェロとバイオリンのアンサンブルが印象的な「弦葬曲」に続いて彼女は、代表曲「月光」をゆっくりと歌い出す。バンドのアンサンブルに身を委ねるように体を揺らし、狂おしい声で目の前の観客を惹き付ける。そして、曲のラストでは鬼束のうしろに満月を思わせる黄色い円が浮かび上がった。

それまでの緊迫した空気を和らげたのは、ラストナンバーの「火の鳥」。鬼束はオーディエンス1人ひとりに語りかけるようにしながら歌い、会場を優しく包み込んでいく。開放的な空気でホールがいっぱいになる中、鬼束は「どうもありがとうございました」と大きな声で感謝の思いを口にする。その顔は充実感にあふれ、うれしそうに笑う彼女に向かって観客はいつまでも拍手を送り続けた。

なお、この中野サンプラザホール公演の模様は、WOWOWライブにて8月20日(日)に放送される。

鬼束ちひろ「鬼束ちひろ コンサートツアー『シンドローム』」2017年7月12日 中野サンプラザホール セットリスト

01. good bye my love
02. 碧の方舟
03. Sweet Hi-Five
04. BORDERLINE
05. 蛍
06. 陽炎
07. 流星群
08. 眩暈
09. 夏の罪
10. 帰り路をなくして
11. ラストメロディー
12. X
13. 悲しみの気球
14. シャンデリア
15. ULTIMATE FICTION
16. 弦葬曲
17. 月光
18. 火の鳥

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