Yeti、ワンマンツアー最終公演で「みんながうらやむバンドになる」

Yetiが2月28日に東京・SHIBUYA DESEOでワンマンツアー「City Lights」のファイナル公演を開催した。

このツアーはYetiが2月11日の福岡・Queblick公演を皮切りに全国で行ったもの。東京公演は2月27、28日と2日間実施された。

1曲目「tear drop」で涼木聡（Vo, G）の歌声が高らかに響くと、ファンは手を挙げて音に体を任せていく。彼は「ツアー中、いろんな場所で歌を歌うたびにみんなから力を分けてもらいました。それも全部、今日を最高の1日にするためだと思う。昨日の10倍。いや、100倍いいライブを届けるのでよろしくね！」と思いを伝えた。その後披露された「ie」では4人が繰り出すヘビーなサウンドに観客がヘッドバンキングし、「doc」では涼木と沢村英樹（G）がアコースティックギターを鳴らしアンサンブルを紡ぐ。オーディエンスは多様なテイストの楽曲群で届けられるYetiのパフォーマンスにぐんぐんと引き込まれていった。

ライブ中盤で涼木は「人生って時間が限られてるよね。ここにいる人だって、100年経ったらきっとほとんどいない。僕らはそんな限りある人生を音楽に注ぎ込んでいるけど、その中で出会えたみんながいたよ。たくさん楽しいことをしたいし、悲しみを共有したい。一緒に歳を重ねていきたい。みんなのその貴重な時間の一部を、これからも分けてください。その代わり、10年、20年経っても『聴きたいなあ』『観たいなあ』って思ってもらえるようなバンドになるから」とファンに向けて真摯に語る。「cheese」「if」「every」と温かな雰囲気のナンバーが続いたのち、「high light」で彼は身ぶり手ぶりしながら言葉を届け、オーディエンスのジャンプや手拍子を煽った。コール＆レスポンスからなだれ込んだラストナンバー「green」では、メンバーそれぞれがアグレッシブなプレイを繰り出し、ファンはタオルを回して盛り上がる様子を見せた。

アンコールでは涼木を除くメンバー3人が姿を現す。それぞれがツアーの思い出やファンへの感謝を語り、感極まった沢村とBikkey（B）が抱擁し合う和やかなシーンも見られた。そして沢村が「たぶん俺らよりツアーを楽しみにしていた少年がいるんですよね。その少年がそろそろ出てくる時間だと思うんですけど……」と話すと、ステージ袖から涼木が顔を出した。彼はステージに登場すると「俺さ、本当にメンバーのことが大好きなの。食べちゃいたいぐらい。みんなのこともだよ！ これからも音っていう愛を皆さんに届けていきます」と穏やかな表情で語る。アンコール1曲目「monochro」で彼は力強い歌声を披露。沢村が持つギターに手を伸ばして弾くなど、自由にパフォーマンスする。バンドはその後いっそう激しい演奏で「beautiful」「arrows」「loop」を連投。メンバーそれぞれがステージ上でハイタッチしたのち、涼木は「どこのライブハウスに行ってもぎゅうぎゅうで、パンパンで、みんながうらやむようなバンドになるから！」と力強く声を上げた。

なお終演後にはスクリーンにて4月23日に東京・下北沢GARAGEでYetiがこれまで発表した楽曲を全曲披露するライブ「ALL SONGS～5×6=30～」（仮）が行われ、9月から2017年1月にかけて全国ワンマンライブツアーが開催されることがアナウンスされた。さらに彼らは今秋に作品のリリースを予定しているとのこと。それぞれの詳細は追って発表される。