クラムボン、憧れのNHKホールで圧巻のパフォーマンス

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クラムボンが6月8日、NHKホールで全国ツアー「Re-clammbon tour」の東京公演を行った。

「Re-clammbon 2」に続きライブにも参加したtoeの美濃隆章。ミトは「toeのライブで美濃くんの前にマイクがあることないですからね!(笑)」と、コーラスに参加する美濃を茶化した。ちなみにツアーファイナルとなった福岡公演には、美濃に代わり高野寛が特別参加。

「Re-clammbon 2」に続きライブにも参加したtoeの美濃隆章。ミトは「toeのライブで美濃くんの前にマイクがあることないですからね!(笑)」と、コーラスに参加する美濃を茶化した。ちなみにツアーファイナルとなった福岡公演には、美濃に代わり高野寛が特別参加。

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原田郁子は「今日は周りの人よりも一発でも多く、拍手を鳴らして帰ろうよ」と言って、会場を盛り上げた。

原田郁子は「今日は周りの人よりも一発でも多く、拍手を鳴らして帰ろうよ」と言って、会場を盛り上げた。

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このツアーは6月3日にリリースされたアルバム「Re-clammbon 2」を引っさげて実施されたもの。アルバム発売前の4月16日からスタートし、今回のNHKホール公演はツアーのセミファイナルとして行われた。

開演時間を少し過ぎた頃に、会場は暗転。ステージ上に設置されたスクリーンには、スクリーン裏を通り過ぎる人影が映し出され、クラムボンのメンバーらしき人影が映るたびに客席からは大きな歓声が沸いた。そしてメンバーがひとりひとりとステージに登場すると、ライブは「Re-Re-シカゴ」からゆったりとスタート。今回のライブではクラムボンの3人に加え、サポートメンバーとして皆川真人(Key)と美濃隆章(G/toe)が参加。アルバム「Re-clammbon 2」の世界観を、スクリーン上の映像とともに見事に再現していった。

「Re-Re-シカゴ」の演奏を終えると、ミトは「この場所で本当にやりたかったです!」とNHKホールでライブができる喜びを力強く語った。ミトがベースからアコースティックギターに楽器を持ち替えると、バンドはそのまま「Re-THE NEW SONG」に突入。ダイナミックな演奏で観客を盛り上げると、原田郁子は「よーこそ!」と嬉しそうに挨拶した。続く「Re-Bass,Bass,Bass」では、ミトや伊藤大助がアグレッシヴなプレイで会場の温度を一気にヒートアップさせた。

最初のMCでは、郁子が「信じられねーっ、NHKホールです! テレビで観てたNHKホール。私と大ちゃんの間にサブちゃんやアッコさんなど数々の大御所が立ってきたわけです。数々の歌魂がここにあるわけですよ。今日はいいライブにならないはずがない!」と興奮気味にコメント。サポートメンバーの2人が袖にはけると、そのテンションのままクラムボンの3人で「GOOD TIME MUSIC」「はなればなれ」「波よせて」といったナンバーを次々に披露していった。「便箋歌」では文字どおり手紙を読むかのように、エモーショナルな歌と演奏で観客のハートをわしづかみにした。

再びサポートの2人がステージに登場すると、ミトは「次の曲が今日のクライマックスです」とひと言。客席からの「えーっ!?」という声が上がると、すかさず「癒し系にならない。この2人(皆川、美濃)がいれば大丈夫」と答え、ファンの不安をよそに大作「Re-意味はない」を演奏し始めた。ダンサブルな要素が強かった原曲から一転し、「Re-意味はない」はプログレにも通ずる劇的なアレンジと爆音を導入した新たな形で表現。ライブ中盤にもかかわらず、ミトが「次の曲が今日のクライマックス」と自信満々に語った理由がこれでもかと伝わってくる圧巻のパフォーマンスとなった。

その後もクラムボンは、5人編成で「Re-カルアミルク」「Re-雨」を披露。強弱を多用したダイナミックなアレンジの「ララバイ サラバイ」や、セッション風の演奏で聴き手を惹きつける「id」など、「Re-意味はない」から引き続き濃厚な空気で会場を包んでいった。

「今年でデビュー10周年です。板前でいうと、今日から自分だけの包丁を持たせてもらえた感じ(笑)。やれるだけ続けていきたいと思います」という郁子の前向きなMCに続いて、再びトリオ編成で「バイタルサイン」をプレイ。アッパーなこの曲では3人のテンションもさらに高まり、エンディングではミトがベースをアンプに突き刺すパフォーマンスで大歓声を浴びた。ミトが照れながら「大阪でアンプを突き破っちゃって修理に出したんだけど、今日は気持ちが盛り上がっちゃってまた穴開けちゃった(笑)。記念にこのままにしておきます!」と語ると、今度は新曲「NOW!!!」を5人編成で演奏。クラムボンらしさに満ちあふれたポップでキャッチーなこの曲で、会場はさらに大きな盛り上がりをみせた。

客席に向かって、何度も「ホント楽しいです!」と叫ぶミト。ライブはついに本編最後の曲「Re-Folklore」に突入した。フォーキーな序盤パートから徐々に盛り上がっていき、さらにスクリーンに映し出された映像が加わることで唯一無二の世界観を構築。曲の終盤ではメンバーの「ラーララー」というコーラスに、観客が加わっていく。メンバーは演奏を止め、観客の合唱を聴き入りつつステージ前方に出て、感謝の気持ちを込めて挨拶。観客とともに一緒に手拍子をすると再び演奏を始め、感動的なエンディングを迎えた。

メンバーがステージを去ると、アンコールを求める手拍子が会場に鳴り響く。しばらくしてステージに戻ってきたミトは、「10数年前にみんなで矢野顕子さんの『さとがえる』ライブだったかな、をNHKホールに観に来て。終わった後にミスドで『どうやったら、自分たちもこんなところでライブができるのかな』と話し合ったのを覚えています」とNHKホールにまつわる思い出話を語った。そして「これからTENORI-ONを使って、NHKホールをダンスホールに変えたいと思います」と言うと、ダンスミュージック調にリアレンジされた「Re-Re-サラウンド」がスタート。曲が始まると同時に観客は一斉に立ち上がり、エレクトロ調に生まれ変わった「Re-Re-サラウンド」を思う存分楽しんだ。

「Re-Re-サラウンド」が終わると、会場にパイプオルガンの音色が響き渡る。NHKホールの壁に設置されたパイプオルガンにスポットライトが当たると、そこには笑顔でパイプオルガンを弾く郁子の姿が。この日最後のナンバーに選ばれた「Re-アホイ!」を、NHKホールならではのアレンジで演奏し始めた。観客がステージに向かって右側の壁に設置されたパイプオルガンを見つめる中、残りのバンドメンバーはステージ上から演奏に参加。さらに神秘的な照明が加わることで、滅多に体験することができない特別な空間ができあがっていった。最後に郁子が演奏を終えると、会場はシーンと静まりかえったまま。数秒後にミトが先頭を切って拍手をすると、ハッと我に返った観客たちは続けて大きな拍手で郁子やバンドに賛辞を送った。

約2時間半におよんだこの日のライブは、10周年を迎えたクラムボンにとって特別なものになったはずだ。それはライブに参加した観客にとっても一緒で、メンバーがステージを去った後も席を離れずに、アンコールを求め10分近くも拍手を続けるファンの姿を多数目にすることができたからだ。デビュー10周年という節目を迎えた彼らは、今後も新たな挑戦を続け、音楽ファンを楽しませ続けてくれることだろう。

セットリスト

01.Re-Re-シカゴ
02.Re-THE NEW SONG
03.Re-Bass,Bass,Bass
04.GOOD TIME MUSIC
05.はなればなれ
06.波よせて
07.便箋歌
08.Re-意味はない
09.Re-カルアミルク
10.雨
11.ララバイ サラバイ
12.id
13.バイタルサイン
14.NOW!!!(新曲)
15.Re-Folklore
--ENCORE--
E1.Re-Re-サラウンド
E2.Re-アホイ!

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音楽ナタリー @natalie_mu

クラムボン、憧れのNHKホールで圧巻のパフォーマンス http://natalie.mu/news/show/id/17681

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