音楽ナタリー - 最新音楽ニュース

女王蜂、アヴちゃん赤裸々に語ったキネマ倶楽部の夜

628

女王蜂「失神ナイト~蜂月蜂日~」東京キネマ倶楽部公演の様子。(撮影:タンベミサキ[Ohagi])

女王蜂「失神ナイト~蜂月蜂日~」東京キネマ倶楽部公演の様子。(撮影:タンベミサキ[Ohagi])

女王蜂が昨日8月8日に東京・東京キネマ倶楽部にて単独公演「失神ナイト~蜂月蜂日~」を開催した。

この日の公演は7月の兵庫・神戸VARIT.での「失神ナイト~神戸編~」に続いて行われたワンマンライブ。女王蜂が東京キネマ倶楽部でライブを実施するのは、昨年の単独公演「夏の自由研究~蜂月蜂日~」ぶりのことで、アヴちゃん(Vo)が場内のムードがお気に入りだという会場を舞台に妖艶かつ濃密なライブが繰り広げられた。

「火の鳥」からスタートしたライブで彼女たちは、3月発表の最新アルバム「奇麗」に収録されている「一騎討ち」「泡姫様」などアッパーチューンを次々と披露。フロアではカラフルな羽根付き扇子の“ジュリ扇”を持った観客が踊り、会場には熱気が充満した。アヴちゃんの衣装チェンジ中に演奏された「夜曲」で一旦クールダウンしたのち、女王蜂は「折り鶴」「告げ口」とシアトリカルなナンバーを届け、観客の視線を釘付けにした。

ライブの後半に彼女たちは「80年代」「デスコ」と続け、再び場内をヒートアップさせる。アヴちゃんはこれからバラードを2曲演奏すると話すも、興奮が高まりすぎたのか「スリラ」を飛ばして進行してしまったことに気が付き赤面。「セットリストを間違えたのはここ6年で初めてですね」と話してからハイテンションに仕切り直し、「スリラ」を歌い上げた。同曲のアウトロでフロアにうつ伏せになったアヴちゃんは演奏後、足をばたつかせながら「まーちーがーえーたー!」と悔しがりつつも、「最後にバラードを、一生懸命やります」と宣言。「始発」と、彼女が17歳のときに作ったナンバー「燃える海」を情熱的にパフォーマンスしてライブ本編を終えた。

アンコールで女王蜂はアニメ「美少女戦士セーラームーンCrystal」のキャラクター・火野レイのキャラクターソングとして制作した「火の海」や、「イミテヰション」などを披露。その後、MCでアヴちゃんが最近もらった手紙にまつわるエピソードを語り出す。ここでは7月初頭に45歳の女性から「娘の勧めで女王蜂を好きになった。その娘が死にたいと漏らしてしまうことがあって母親としてつらい気持ちになることもある。アヴちゃん、できれば8月8日は娘をよろしくお願いします」という手紙を、また7月末には18歳の女子から「学校に行くことがつらいけど、8月8日のライブを楽しみにしている」と書かれた手紙を受け取ったことを明かしたアヴちゃん。彼女は手紙をくれた2人の苗字と住所が同じだったことから親子だと察したそうで、「あたしたち、もっともっとがんばりたいし、手紙をくれてうれしかった。この中におるんかな、本当にありがとう」と感謝を伝えた。

またアヴちゃんは「あたしは作品を通して孫悟空、キョンシー、女神、孔雀、蛇にもなれる。でもお母さんになるっていうのはどうがんばっても……。だから悲しくなるときもあったけど」と話してから「虻って虫わかる? 虻は蜂の擬態をして、どこまでもそっくりになって生きてます。あるとき、『アヴちゃんも蜂の擬態をして、女王になろうとしるんじゃないの?』って言われて、そうやなって思いました。どんなにがんばっても擬態だけど、そのおままごとにしか作れないもの、戦えない場所があるんじゃないかなって思うから……(女王蜂は)辞められないです、ほんまに」と自らの思いをファンに伝えた。そしてMCの最後には先ほどの手紙の内容に再び触れて、「お母さんから『娘をよろしくお願いします』なんて言われるアーティストはあたしくらいでしょ? ……引き受けます!」と力強く宣言してからラストナンバー「緊急事態」でライブのフィナーレを飾った。

音楽ナタリーをフォロー