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ユニゾン初武道館ワンマン「大事な皆さんの大事なバンドでありたい」

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「UNISONSQUARE GARDEN LIVE SPECIAL “fun time 724”」の様子。(Photo by Hisashi Mori)

「UNISONSQUARE GARDEN LIVE SPECIAL “fun time 724”」の様子。(Photo by Hisashi Mori)

UNISON SQUARE GARDENが7月24日に、初の東京・日本武道館ワンマンライブ「UNISON SQUARE GARDEN LIVE SPECIAL "fun time 724"」を開催した。

バンド結成11周年の記念日当日に行われたこのライブには、約1万2500人のファンが集結。約3時間、全26曲にわたるステージを存分に楽しんだ。

ライブのオープニングで青いライトに照らされたステージに、斎藤宏介(Vo, G)、田淵智也(B)、鈴木貴雄(Dr)の3人が現れると場内からはすさまじい歓声と拍手が沸き起こる。1曲目は「誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと」。早くもオーディエンスが両手を上げて盛り上がる中、斎藤の「ようこそ!」という言葉とともに「リニアブルーを聴きながら」へと突入する。斎藤の涼やかなボーカルと、田淵と鈴木が刻むリズムが武道館中を満たしていく。「ため息shooting the MOON」ではスイッチが入ったかのように田淵が激しいパフォーマンスを披露し、会場をさらに沸かせた。

「今日は長いよ?(笑) 自由に楽しんでいってください、よろしく!」という斎藤の挨拶から「サンポサキマイライフ」、さらに「ワールドワイド・スーパーガール」と、華やかなナンバーが次々と繰り出される。軽やかで優しいサウンドに前向きな歌詞が乗る「スカースデイル」に観客全員が聴き入ったあとは、最新シングル「シュガーソングとビターステップ」へ。そして「23:25」が始まり、ドラマチックなメロディに合わせてオーディエンスはジャンプしたり腕を上げたりと、思い思いのスタイルで彼らの音楽を楽しんでいる様子を見せた。その直後の「天国と地獄」では、ステージ上に炎が上がり会場の空気が一変。斎藤が鬼気迫る表情で熱唱し、観客を引き込んだ。

MCで斎藤は初めての武道館ワンマンライブのステージに立った心境を「人間ってこんなにたくさんいたんだね!(笑) すごい、なんか……圧が半端ないです」と語る。そして結成10周年の最後の日だった、初の武道館ライブ前日に自宅の引っ越しをしたという話を始めてファンを驚かせた。契約満了日の関係で引っ越しがこの時期になったという斎藤は「手帳を見たら昨日が休みだったから『23日に引っ越せば、新居に引っ越して初めて出かける先が武道館になる!』って思って」とあえて武道館前日に引っ越しをした理由を明かし、「11年もバンドやっててこれですよ。しょうもないねえ(笑)」と笑ってみせていた。

「では、10周年の歌を作ったので聴いてください」という斎藤の曲紹介で始まったのは、ライブ直前にリリースされたアルバム「DUGOUT ACCIDENT」に収録された新曲「プログラムcontinued」。これまでのバンドの軌跡を振り返るような歌詞を、観客が身体を揺らしながら聴き入る。そのあとは3人の奏でる穏やかで丁寧な音が重なり合った「光のどけき春の日に」、斎藤と田淵の歌声が美しいハーモニーを生んだ「クローバー」と、柔らかなナンバーが続く。ピアノのイントロで大歓声が起こったのは「harmonized finale」。歌詞に乗せたメッセージを武道館の隅々まで届けるかのように、3人は渾身の演奏を披露した。

この日はアニバーサリーライブということもあり、鈴木と田淵もファンに向けてそれぞれの言葉を語った。鈴木は「家から会場までドアトゥドアでタクシーで移動するのを一度やってみたかった」と、自宅からタクシーで会場入りしたことを明かす。「ハイヤーで行ってもそんなに料金が変わらないからハイヤーにしようかと思ったんだけど、会場の物販の列がすごいしみんなこっち見てくるし……(笑)。タクシーにしといてよかったです」と笑わせたあと、「こうやって自由に楽しくやらせてもらってる中で、僕自身もユニゾンに救われてここまでやってこれました。いつもありがとうね」とファンに感謝を述べた。

一方、田淵は今年初めにおみくじを引いたところ、12カ月それぞれの運勢が書いてある中で7月だけ「言葉に注意」と書いてあったというエピソードを披露。「全体的にいいこと書いてあるのに、よりによって7月だけ『言葉に注意』ってやかましいわ! 神様に言われなくても知っております!(笑)」とオーディエンスを笑わせた。そんな2人の言葉を受けて、斎藤は「これだけバラバラな3人がバンドを続けられてるのは本当に奇跡ですよ(笑)。でもバラバラだからそれぞれのアイデアを持ち寄れるし。3人でしかできないカッコいい音楽をやりたい、それだけでやってきたので。この3人でやっている限りは最高の音楽を鳴らし続ける自信があります」と、改めてバンドに対する思いを語った。

そんなMCのあとに披露された「シュプレヒコール~世界が終わる前に~」、そして「桜のあと (all quartets lead to the?)」に続いては「DUGOUT ACCIDENT」で初音源化を果たした「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」。熱く激しいサウンドとダンサブルなリズムに武道館がひときわ大きく揺れた。「シャンデリア・ワルツ」が終わったあとは鈴木のドラムソロが始まる。この途中、鈴木のドラムセットがステージ上方へ高々とせり上がり、武道館ならではの演出にファンは大喜び。続いて田淵と斎藤もステージ左右からセリで登場し、会場を沸かせた。

ライブはいよいよ終盤戦へ。「場違いハミングバード」では田淵がステージ上を所狭しと駆け回り、「ガリレオのショーケース」では斎藤と田淵がステージ左右の花道へ進み出て、力いっぱいそれぞれの音を鳴らした。本編ラストのナンバーは「センチメンタルピリオド」。客席の照明が点灯すると、メンバー3人は視界に入る景色をその目に焼き付けるかのようにスタンド席の隅々まで目を凝らしていた。

アンコールの声に応えて3人は再びステージへ。ここで田淵はバンドとファンに対する思いを、1万2500人を前にして語る。「君の好きなロックバンドはたくさんの人に愛される曲や、世の中に受け入れられそうな曲を書いてこなかったし、これからも書くつもりもない。友達や親に勧めるとか、うれしいのだけれどだいたいの確率でロクなことにならないと思うので期待しないでほしい。僕が保証します(笑)。でも、君の好きなロックバンドは誰がなんと言おうと絶対にカッコいいから。自信持っていいよ。これも僕が保証します。これからも付いてきてほしいとは言わないけど、気が向いたときにぜひまた遊びに来てほしいです。今日は楽しかった!」という彼の熱い言葉に、オーディエンスは割れんばかりの拍手と歓声を送っていた。

「3 minutes replay」「kid, I like quartet」に続き、ラストナンバーとして披露されたのは「フルカラープログラム」。落ちサビでは斎藤がアカペラで、会場全体にマイクを通さない生声を届けた。すべての演奏が終わると3人は客席に向けて深々と頭を下げた。最後に斎藤は「11年やってきましたけど、売れることとか大きい会場でやることは結果でしかなくて。僕たちが目指してるのは、僕らにとって大事な皆さんの大事なバンドでありたいということだと改めて思いました」と語り、「またツアーで会いましょう!」と笑顔でステージを去っていった。

※記事初出時、本文に事実と異なる記述がありました。訂正してお詫びいたします。

UNISON SQUARE GARDEN LIVE SPECIAL "fun time 724"
2015年7月24日 日本武道館 セットリスト

01. 誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと
02. リニアブルーを聴きながら
03. MR. アンディ
04. ため息shooting the MOON
05. マスターボリューム
06. サンポサキマイライフ
07. ワールドワイド・スーパーガール
08. like coffeeのおまじない
09. スカースデイル
10. シュガーソングとビターステップ
11. 23:25
12. 天国と地獄
13. プログラムcontinued
14. 光のどけき春の日に
15. クローバー
16. harmonized finale
17. シュプレヒコール ~世界が終わる前に~
18. 桜のあと(all quartests lead to the?)
20. シャンデリア・ワルツ
21. 場違いハミングバード
22. ガリレオのショーケース
23. センチメンタルピリオド
<アンコール>
24. 3 minutes replay
25. kid, I like quartet
26. フルカラープログラム

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