WHITE ASH、新木場を“ダークでブラック”にした夜

WHITE ASHが4月17日に東京・新木場STUDIO COASTにてワンマンツアー「DARK EXHIBITION」の最終公演を行った。

このツアーは彼らが3月にリリースしたアルバム「THE DARK BLACK GROOVE」を携えて実施していたもの。ライブではタイトル通り「ダーク・ブラック・グルーヴ」をコンセプトに制作されたアルバム収録曲を中心に、約2時間の熱演が繰り広げられた。

場内に最新アルバム1曲目「Orpheus」のイントロが響き渡り、紗幕越しにWHITE ASHメンバーが演奏をスタート。パワフルな演奏にあわせて照明が点滅し、クールにパフォーマンスを彩る。そして紗幕が下がると一層演奏は激しくなり、一気に場内の温度も上昇した。その後バンドは「Just Give Me The Rock ‘N’ Roll Music」「King With The Bass」といったアルバム収録曲を立て続けにドロップ。“ダークでブラック”なナンバーでオーディエンスのダンスを誘発していく。彩（B）と剛（Dr）がしなやかなプレイで複雑なリズムを生み出せば、山さん（G）は技巧的なギターフレーズを繰り出す。のび太（Vo, G）はギターを置き、ステップを踏んだり色気たっぷりに体を揺らしたりしながらハンドマイクで歌唱していた。

MCでは4人はクールな演奏とは異なる、柔和な表情を見せる。のび太はあいにくの雨模様となったこの日の天候について「天気までダークでブラックな感じになって……」と苦々しい表情を見せ、山さんは初めてライブを観に来た会場が新木場STUDIO COASTであると明かし、当時のエピソードを懐かしそうに語った。

のび太による「春の散歩にぴったりな曲」という説明から演奏された「Hello, Afternoon」では、淡い照明がステージを包む中、ゆったりしたテンポでのび太が伸びやかなボーカルを聴かせる。続く「Night Song」では山さんによるキーボードの音色が感傷的なバラードを盛り上げた。そして本編ラストを飾ったのは「Gifted」。彼らはバイオリニストを迎え、打ち込みとバンドサウンド、そして繊細なバイオリンの音色で壮大にラストナンバーを届けた。

アンコールで彼らは「Jails」を選曲して再び会場を盛り上げると、勢いそのままに、打ち込みをふんだんに取り入れたキャッチーな新曲（タイトル未定）もドロップ。最後にのび太が「すごい濃いツアーだった」とツアーの感想を述べ、4人は名残惜しそうにフロアを見渡しながらステージをあとにした。

なおWHITE ASHは同ツアーの追加公演「DARK EXHIBITION -back to basics」を5月に実施。宮城・enn 2nd、福岡・graf、愛知・APOLLO BASEの3カ所を回る。