「再結成は真実でした」黒夢ラストロングツアー終幕

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黒夢が全国ツアー「TOUR 2014-2015 BEFORE THE NEXT SLEEP VOL.2『毒と華』」の最終公演を、デビュー22周年記念日にあたる2月9日に愛知・Zepp Nagoyaで実施した。

黒夢「黒夢 TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP Vol.2『毒と華』」愛知・Zepp Nagoyaの様子。(撮影:今井俊彦、森好弘)

黒夢「黒夢 TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP Vol.2『毒と華』」愛知・Zepp Nagoyaの様子。(撮影:今井俊彦、森好弘)

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清春(Vo)(撮影:今井俊彦、森好弘)

清春(Vo)(撮影:今井俊彦、森好弘)[拡大]

今回のツアーが最後のロングツアーとなることを明言していた黒夢。3月に行われる広島での振り替え公演を残しながらも、ツアーの最終公演と位置付けられていたこの日のライブには多くの観客が駆けつけた。開演予定時刻を30分過ぎ、ステージの準備が整ったところで場内が暗転。清春(Vo)はセンターにスタンバイすると「名古屋!」と咆哮し、パンキッシュな「I HATE YOUR POPSTAR LIFE」からライブの口火を切った。清春と同様に、人時(B)も激しく頭を振り乱しながら、冒頭からフルスロットル状態でフロアを煽っていく。この日、ライブの本編を占めたのは再結成後に発表された楽曲の数々。清春の情熱的な歌声が響いた「A LULL IN THE RAIN」、グルーヴィかつ軽妙なベースが艶やかな曲の雰囲気を彩った「Love Me Do」と続いていく。

岐阜での2DAYSライブを経てZepp Nagoya公演に挑んだこともあり、清春が「3日連続ライブの3日目ということでいっぱいいっぱいで……15曲目で声が出ると思うので」とエクスキューズする一幕もあったが、サポートメンバーのK-A-Z(G)とYOUTH-K!!!(Dr / BAT CAVE)も渾身のプレイを繰り広げ、フロアに熱狂の渦を作り出していく。ミラーボールが回る中で披露された「LET'S DANCE」を皮切りに、ミディアムチューンが続くブロックへと突入し「SOLITUDE」「ゲルニカ」などによってドラマチックなムードが紡ぎ出されていった。

人時(B)(撮影:今井俊彦、森好弘)

人時(B)(撮影:今井俊彦、森好弘)[拡大]

この日は何度も「ありがとう」「サンキュー」を繰り返していた清春と人時。人時は本編終盤のMCで、「来てくれてありがとう。とてもとても待ち望んでいたような、来てほしくなかったような。でも、今すげえ楽しいですよ」「ちゃんと(黒夢を)目に焼き付けてほしいなと思います。最後の最後まで楽しんでいって」と観客に伝え、柔らかな笑顔を浮かべた。そんな言葉から口火が切られた後半戦では怒気をはらんだ清春の歌声と、肉体に訴えかけるような重いベースが絡む「MIND BREAKER」、人時が観客を煽るようにプレイした「C.Y.HEAD」「SICK」がライブをクライマックスへとつなげた。

約1時間半にわたった本編が終わると、黒夢の本領が発揮される長いアンコールへ。1回目のアンコールでは「解凍実験」「カマキリ」「後遺症-aftereffect-」という攻撃性全開のナンバーが連投され、場内を狂騒状態へと導いていく。清春のシャウトの余韻が冷めやらぬ中、ダブルアンコールを求める声が上がりメンバーがステージに再登場。「俺もやっと元気になってきた。前半はいらなかったんじゃないかと(笑)」と口にした清春は、半年におよんだロングツアーや再結成後の日々を振り返った。そして「解散するわけじゃない。でも5年間たっぷりやりましたから」と清々しい表情で語り「すごく僕ららしい再結成の5年でした。マトモにやろうという気もしませんし」「どこかひねくれてて、一生懸命なんですけどどこかで適当に見えて、時間にルーズで、ファンの子を待たせたりライブを途中でぶっ壊そうとしたり。礼儀正しいバンドばかりでクソ面白くもない音楽シーンの中で珍しいバンドだったと思います(笑)」「たぶんこれは黒夢なんだと思います」と奔放なMCを展開。その後も彼は観客との別れを惜しむように言葉を重ね、「ありがとう」と何度もファンに感謝の思いを口にした。

黒夢「黒夢 TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP Vol.2『毒と華』」愛知・Zepp Nagoyaの様子。(撮影:今井俊彦、森好弘)

黒夢「黒夢 TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP Vol.2『毒と華』」愛知・Zepp Nagoyaの様子。(撮影:今井俊彦、森好弘)[拡大]

20分におよぶMCを経てのダブルアンコールを飾ったのは、陽気なスカのリズムに乗せて展開する「HELLO,CP ISOLATION」をはじめ「SUCK ME!」「CANDY」の計3曲。しかし観客はまだ物足りないと拍手や歓声をあげ、みたび4人をステージに連れ戻す。定位置にスタンバイしたメンバーが奏でたのは初期の代表曲「優しい悲劇」と、再結成後に発表した「アロン」の2曲。どちらの曲でも大きな合唱が起き、「アロン」では清春が人差し指を立てながら「1人のときは思い出してください!」と叫んだ。4度目のアンコールが始まると清春は「黒夢の再結成は天国にいる友人を弔うために始めたんですが、生きてたら僕らの活動を全肯定してこのツアーの全公演に来てくれたと思います」と亡き友人への思いを明かし、「再結成するなら新しい音楽を作りたいという思いから作りました」と今やライブアンセムと化した「ミザリー」を絶唱。さらに2曲を続けたのち、4回目のアンコールのラストナンバーとして「Miss MOONLIGHT」を届けた。人時は観客の姿を目に焼き付けるようにまっすぐにフロアを見つめ、清春は「愛してます!」と何度も叫び、ファンにその思いを伝えていた。

普段はアンコールは4回までしかやらない黒夢だが、ツアー最終日ということもあってこの日は5回のアンコールを敢行した。清春は1999年に解散した際はファンにちゃんと別れを告げなかったことを反省し、自分たちの活動がファンの支えになってくれたらと語る。「新しく僕らが作った2枚のアルバムの曲が、何年か後にみんなのスタンダードになっていてくれたらうれしいです」と述べ、「黒夢史上最高のツアーだったと思います。ありがとう! 人時と清春でした。そして今日まで黒夢でした」と口にした。そんな別れの言葉から続いたのは、ラストにふさわしい「SEE YOU」と「BEAMS」。感極まる清春を支えるようにオーディエンスの合唱が響きわたり、曲が終わるとその余韻の中で清春と人時は抱き合っていた。しかし、まだ終われないとばかりにメンバーはステージに残り、清春は「僕らの再結成は真実でした。もっとも美しくカッコいい再結成だったと思います」と語り、人時は「過去最高のツアーができたと思います」とツアーで得た確かな手応えを語る。

強く抱きしめ合う清春と人時。(撮影:今井俊彦、森好弘)

強く抱きしめ合う清春と人時。(撮影:今井俊彦、森好弘)[拡大]

5回目のアンコールの最後を飾ったのは黒夢の代表曲とも言える「Like@Angel」。清春はマイクを床に置き観客の合唱に耳を澄ませ、人時もフロアから沸く美しい声に身を委ねた。最後の1曲が終わったあと、メンバー4人は手をつなぎ、観客を巻き込んで何度も万歳を繰り返す。さらに黒夢のデビュー22周年を祝うケーキがK-A-ZとYOUTH-K!!!によって運び込まれ祝福ムードが会場を満たした。清春は「ホントにありがとうね。一緒に過ごせて本当にうれしかったです。黒夢でした」と挨拶をすると、人時と熱い抱擁を交わし、温かな拍手を浴びながらステージの袖へと姿を消した。2人が去ったあと、「アロン」をバックに清春と人時の定位置に白い羽が舞い落ちる演出が始まる。そして最後のひと羽が床に着いた瞬間にステージに風が吹き、羽が高く舞い上がる中で「毒と華」はクライマックスを迎えた。

黒夢「黒夢 TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP Vol.2『毒と華』Final」
2015年2月9日 Zepp Nagoya セットリスト

01. I HATE YOUR POPSTAR LIFE
02. CLARITY
03. A LULL IN THE RAIN
04. heavenly
05. Love Me Do
06. LET'S DANCE
07. SOLITUDE
08. 黒と影
09. ゲルニカ
~BASS Solo~
10. Reverb
11. STARLET
12. MAD FLAVOR
13. MIND BREAKER
14. C.Y.HEAD
15. SICK
<アンコール1>
16. 解凍実験
17. カマキリ
18. 後遺症
<アンコール2>
19. HELLO,CP ISOLATION
20. SUCK ME!
21. CANDY
<アンコール3>
22. 優しい悲劇
23. アロン
<アンコール4>
24. ミザリー
25. 棘
26. for dear
27. Miss Moonlight
<アンコール5>
28. SEE YOU
29. BEAMS

30. Like@Angel

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読者の反応

メン獄さん @uudaiy

今年1番の胸の暖まる話だ>
普段はアンコールは4回までしかやらない黒夢だが、ツアー最終日ということもあってこの日は5回のアンコールを敢行した

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