TOTALFAT×BIGMAMA×UVERworld、2000人が目撃した伝説の夜

1月17日に愛知・Zepp NagoyaにてTOTALFAT主催のライブイベント「PUNISHER'S NIGHT 2015」の初日公演が行われた。

「PUNISHER'S NIGHT」はTOTALFATが2009年より開催している自主企画。6回目となる今回は本公演を皮切りに、大阪・なんばHatch、東京・Zepp Tokyoと3会場を巡る。「PUNISHER'S NIGHT 2015」の初日公演にTOTALFATはBIGMAMAとUVERworldを招聘し、彼らは約3時間にわたる熱演を繰り広げた。

ステージ後方にデジタル時計が投影され、その時計が開演時刻の18:00を指すと、トップバッターのUVERworldが登場。TAKUYA∞（Vo）の「PUNISHER'S NIGHT 2015！ 3DAYS初日、ファーストバッターはUVERworld！ よろしくどうぞ！」という挨拶から、バンドは誠果（Sax）のサックスが印象的なデジロックナンバー「ナノ・セカンド」で勢いよくライブの口火を切った。

TAKUYA∞は13年前に地元・滋賀にある収容人数200人弱のライブハウス・ハックルベリーでTOTALFATと競演していたという過去を明かしたあと、「あいつら覚えてなかったけどね。でも俺はずっと覚えてた。その頃からカッコよかった」と改めて競演の喜びを語る。続けて「俺たちは最高にヤバくて、ハンパじゃないもの見せるからな。UVERworldを観に来た人は、TOTALFATとBIGMAMAを観たことない人もいると思うんだ。でも今日このライブが終わったあと、会場にUVERworldもBIGMAMAもTOTALFATも大好きだって奴が2000人集まってることを願うよ」と呼びかけてから、真太郎（Dr）に加えて、克哉（G, Cho）、信人（B, Cho）、誠果、彰（G）もスティックを手にしてパーカッションを叩くダイナミックな「Wizard CLUB」で後半戦をスタートさせた。その後バンドはアッパーチューンを連投し、ラストにスケール感のあるミドルナンバー「7日目の決意」をオーディエンスに贈ってフィニッシュ。余韻が残るステージを6人は颯爽と去っていった。

2番手はTOTALFATのメンバーとは高校の先輩後輩という間柄のBIGMAMA。彼らはUVERworldが作り上げたフロアの熱を引き継ぐように、ライブアンセム「荒狂曲“シンセカイ”」でアグレッシブにパフォーマンスを開始した。金井政人（Vo, G）の「TOTALFATのかわいい後輩、BIGMAMAです。よろしくお願いします」というお茶目な挨拶を挟みつつ、バンドは東出真緒（Violin）の優雅なバイオリンの旋律が複雑なビートに絡み合う「ワンダーラスト」や、安井英人（B）のスラッププレイとリアド偉武（Dr）の躍動感のあるドラミングがフロアを大きく上下させた「Swan Song」などキラーチューンを畳み掛けていく。終盤では2月25日リリースのニューアルバム「The Vanishing Bride」より「A KITE」が届けられ、柿沼広也（G, Vo）の紡ぐエモーショナルなメロディに乗せた金井の甘い歌声が場内に多大な幸福感をもたらした。

最後にBIGMAMAは「until the blouse is buttoned up」で観客にタオルを掲げるように促し、フロアにカラフルで美しい光景を生み出す。盛大なシンガロングを巻き起こして会場の一体感をより一層高めると、「TOTALFATがビシッと締めてくれると思います。心の底から楽しんで帰ってください」とメッセージを残して、続くTOTALFATにバトンを渡した。

UVERworldとBIGMAMAによる愛情たっぷりのパフォーマンスが終わり、この日一番の歓声に迎え入れられたTOTALFATはエネルギッシュな演奏で序盤からオーディエンスのハートをガッシリつかむ。Shun（Vo, B）とJose（Vo, G）のツインボーカルで野太いハーモニーを響かせた「X-stream」が終わると、フロアにはステージが白く曇って見えるほどの熱気が立ち込めた。

異常なまでに盛り上がる2000人を前にShunは「UVERworld、BIGMAMA、俺たち……6年やってきた中で、過去最高にハードルが高い夜になりそうです。それはみんなも感じてるはず。今日は伝説的な夜にしましょう！」と語り、観客もそれに応えるように声を上げる。中盤ではパンキッシュなアレンジを施したTOTALFAT流のL'Arc-en-Ciel「Driver's High」も披露され、怒濤のお祭り騒ぎに拍車をかけた。その後も彼らはそれぞれの持ち味を生かした強靭なバンドアンサンブルと気迫のこもった歌声で観客を圧倒していく。Bunta（Dr, Cho）のパワフルなドラミングに合わせて常に会場は大きく揺れ、クラウドサーフやモッシュが至るところで発生。随所でKuboty（G, Cho）が繰り出すトリッキーなギターソロも観客を高揚させていた。

11曲を歌い終えたShunは「俺はお前らの名前を知らねえ。でも俺たちには何よりも大事な音楽という共通項がある。それはUVERworldもBIGMAMAも一緒。俺たちは音楽でつながってさえいれば、いつだって会えるし、いつだって肩を貸せる。だから音楽を捨てないでください。俺たちが生きていく上で音楽は、大切なことを思い出させてくれる。誰かが書いた歌詞が必ず耳元でヒントをくれる。俺たちはそうやってこのステージに辿りつきました」と熱弁する。加えて現在新作の制作にとりかかっているということを明かし、その作品ができた際にはまたこの地を訪れることをオーディエンスと固く約束して「Good Fight & Promise You」で本編を締めくくった。

アンコールを受け再登場したTOTALFATは「DA NA NA」と「Place to Try」をプレイ。「Place to Try」の「君はひとりじゃない」という大合唱で会場が満たされる中、Joseは「お前らは俺たちの宝物です！ ありがとうございました！」とオーディエンスへ感謝の思いを伝えた。最後にTOTALFATはUVERworldとBIGMAMAをステージに招き入れ、客席をバックに記念撮影を実施。UVERworld、BIGMAMA、TOTALFATの3組が白熱のプレイで駆け抜けた「PUNISHER'S NIGHT 2015」初日公演は大盛況のうちに幕を下ろした。

TOTALFATは昨日1月18日に大阪・なんばHatchを舞台にBIGMAMA、Fear, and Loathing in Las Vegasと大阪公演を終了させた。2月1日に東京・Zepp Tokyoにて行われるファイナル公演にはTOTALFATのほか、04 Limited Sazabys、ROTTENGRAFFTYの2組が出演する。

PUNISHER'S NIGHT 2015（※終了分は割愛）

2015年2月1日（日）東京都 Zepp Tokyo
＜出演者＞
TOTALFAT / 04 Limited Sazabys / ROTTENGRAFFTY

※記事初出時、本文中に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。