4人体制ストレイテナーが迫力ステージでCOAST圧倒

2008年12月21日 16:55 1 音楽ナタリー編集部

昨日12月20日、ストレイテナーの全国ツアー「Hello Miss Weekend Tour」のファイナル公演が、新木場STUDIO COASTで開催された。

ストレイテナーとは？

1998年にホリエアツシ（Vo, G, Piano）とナカヤマシンペイ（Dr）の2人で結成。2003年のメジャーデビューのタイミングで日向秀和（B）が加入。さらに2008年には大山純（G）が加わり、4人編成に。2009年2月にメジャー5thアルバム「Nexus」を発表し、同年5月にアルバムを携えてのツアーファイナルとして初の東京・日本武道館公演を開催した。その後、コンスタントに作品をリリースしながらライブ活動を展開。バンド結成25周年のアニバーサリーイヤーとなった2023年10月にはファン投票で選ばれた楽曲を収録したベストアルバム「フォーピース」をリリースし、10年ぶり3回目の日本武道館公演を実施した。2024年1月に新曲「インビジブル」を発表。8月に大阪と東京でマニアックセットリストライブ「"STRAIGHTENER MANIA" vol.2」を行う。

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「Hello Miss Weekend Tour」は新メンバー・大山純（G）を迎えて行われた初の全国ツアーで、最終日のCOASTのチケットはもちろん完売。フロアには開演前から超満員のファンが集まった。

ステージ上に4人が登場し、ナカヤマシンペイ（Dr）が立ち上がって腕を挙げると、オーディエンスも一斉にそれに応える。1曲目「Black Hole」からフロアは早くも熱狂状態になり、4人が打ち鳴らす音を全身で受け止めてゆく。

序盤はツアー初日とほぼ同じ曲順ながら、ステージ上の4人のたたずまいは大きく異なっていた。初日は慎重な姿勢を見せつつライブを進めていた4人だったが、この日は序盤からアグレッシブなプレイを炸裂させる。まるで職人のように寡黙に、冷静にギターを弾いていた大山も、この日はところどころで観客を煽り、余裕すら見せるステージを繰り広げていく。

「The Novemberist」ではステージ中央に置かれたキーボードを大山が弾き、ホリエアツシ（Vo,G,Key）が優しいギターの音を重ねながら歌う。後半部分ではナカヤマと日向秀和（B）が畳み掛けるようにヘヴィなリズムを刻み、前半の山場とも言える圧巻のパフォーマンスを披露した。

ホリエはMCで「4人になったストレイテナーを初めて見る人がほとんどだと思います。まだまだ序の口なので、これからガツンと見せていくんでよろしくお願いします」と挨拶し、2月11日リリースのニューアルバムから「クラッシュ」を披露する。ホリエと大山、2人のギターが複雑なフレーズを絡み合わせるこの曲は、まさに「4人になったストレイテナー」を象徴するナンバーとして、オーディエンスに強い印象を与えた。

「THE REMAINS」「POSTMODERN」など3人時代のナンバーも、単にギターが1本増えただけではない深みのあるアレンジで聴かせていく。「SIX DAY WONDER」ではホリエがピアノを弾き、大山のギターとのハーモニーで楽曲の世界観をより強く打ち出したパフォーマンスを披露。「REST」では4人それぞれがシリアスで重厚な音を響かせ、ストレイテナーの持ち味のひとつであるスリリングなサウンドを十二分に味わわせた。

中盤では「SPEEDGUN」「KILLER TUNE」「Little Miss Weekend」と、アッパーなチューンを立て続けに披露し、COASTのフロアは激しいモッシュとダイブの嵐で大きく揺れる。「Little Miss Weekend」は音源よりもはるかに攻撃的なパワーを放ち、彼らの繰り出すビートにオーディエンスが全員汗びっしょりになって酔いしれた。

「ひなっち、遅くなったけど誕生日おめでとう！」とフロアから声がかかると、ホリエが横から「メリークリスマス」ととぼけて答える。それにかぶせて日向はベースで「赤鼻のトナカイ」のフレーズを弾くなど、MCでもかなりの余裕を見せた彼ら。「TENDER」「MARCH」といったスローナンバーでは、そんな余裕が反映された優しくも力強い音色で観客を魅了する。

4人体制のストレイテナーの魅力を存分に見せつけるステージとなったこのライブも、いよいよ終盤へ。ラストは「MAGIC WORDS」「TRAIN」「BIRTHDAY」と強力なナンバーを連続で演奏し、オーディエンスをさらに盛り上げる。ステージ上の4人も互いに笑顔をかわし、このステージを楽しんでいることが十分に伝わってくる。幸福感に満ちた雰囲気の中、ライブ本編は終了した。

鳴り止まないアンコールの声と拍手に応え、4人は再びステージへ登場。ホリエがキーボードの前に立ち、ナカヤマの激しいドラムからスタートしたのはシングル「Little Miss Weekend」のカップリング曲でSPIRITUALIZEDのカバー曲「Electricity」。カバー曲ながら、今までのストレイテナーにはあり得なかった斬新なアレンジが光るこの曲で、バンドの新たな方向性を提示する形となった。

フロアの熱気に応えるかのごとく、さらにもう1曲披露されたのは「DISCOGRAPHY」。ざらついたギターのイントロが鳴るとオーディエンスは早くもヒートアップし、残っていたエネルギーをすべて叩きつけるかのように踊り狂う。今までは打ち込みで鳴らされていた音が大山のギターで奏でられ、よりライブ感を増したナンバーに変貌したこの曲で、ツアーファイナルの幕が閉じられた。

ツアー初日を見た人々の誰もが抱いたであろう今後のストレイテナーへの期待に、早くも十二分に応える素晴らしいライブを展開した彼ら。来年予定されているアルバムやライブで、さらなる進化を遂げた「4人のストレイテナー」を見せてくれるのは間違いなさそうだ。

ストレイテナー「Hello Miss Weekend Tour」
2008年12月20日新木場STUDIO COAST セットリスト

01.Black Hole
02.SAD AND BEAUTIFUL WORLD
03.ALIBI
04.COLD SLEEP
05.The Novemberist
06.Melodic Storm
07.クラッシュ
08.THE REMAINS
09.POSTMODERN
10.SIX DAY WONDER
11.TRIBUTE
12.REST
13.SPEEDGUN
14.KILLER TUNE[Natural Born Killer Tune Mix]
15.Little Miss Weekend
16.奇跡の街
17.TENDER
18.MARCH
19.ETERNAL
20.MAGIC WORDS
21.TRAIN
22.BIRTHDAY

EN-01.Electricity
EN-02.DISCOGRAPHY