イベントが始まるとオープニングアクトとして女子大生ヒューマンビートボクサー・サイボーグかおりが登場し、ダブステップや祭り囃子などを声だけで表現するインパクトのあるパフォーマンスで観客を圧倒。彼女が10分ほどのライブを終えると、ピンク色のうさぎの着ぐるみとともにいよいよメンバーがステージに姿を現す。この日は海外留学中のブラジルを除く5人のメンバーに加え、Nabowaの川上優(Dr)と堀川達(B)がサポートとして参加。メンバーは全員ゾンビのメイクを施してゆっくりと定位置についた。ステージ上はたくさんの不思議なオブジェで飾り付けられ、天井から吊られた薄い膜にVJがさまざまな映像を投影することで、会場はファンタジックかつサイケデリックな雰囲気に満たされていく。
シノザキサトシが鳴らすアブストラクトなシンセのループに、サンプリングされた歌声が徐々に混じり合い、その流れから1曲目の「透明感」がスタート。その後も曲間を電子音のループでつなぎながら、ライブは最新アルバム「アラビアの禁断の多数決」の楽曲を中心に展開されていく。尾苗愛はギターを弾きながら、ローラーガールはキーボードを弾きながら2人でボーカルを担当。「勝手にマハラジャ」では振り付けに合わせてダンスをしたり、「バンクーバー」ではゆるいラップの掛け合いを繰り広げたりと息の合ったパフォーマンスを見せた。リーダーであるほうのきかずなりは、ステージ後方でフロアタムを叩いたりサンプラーを操作したりしつつ、「今夜はブギウギナイト」「踊れや踊れ」「渚をスローモーションで走るも夢の中」ではセンターに立ってメインボーカルを務めた。
メンバー全員で世界観を作りこんだステージを展開していく一方で、MCでは初ライブならではのほのぼのした一面も。ほうのきは転換時のつなぎとしてMCを任されるも「しゃべることを何も考えてこなかった……」と言ったきり無言になってしまい、客席からは彼を応援する声が飛んだ。また尾苗愛とローラーガールが物販の紹介をした際も、そのトークのたどたどしさにほうのきが「初めてなんで慣れてないんです」と何度も話し、そのたびに会場からは笑いが起こった。
「アラビアの禁断の多数決」のリード曲「トゥナイト、トゥナイト」でライブ本編が終了した後、アンコールではさらにトランペットのMC.sirafu(片想い、ザ・なつやすみバンド、うつくしきひかり)、フィドルの大久保真奈がゲスト参加。アルバムのラストを飾る「アイヌランド」を盛大に演奏し、ハッピーな雰囲気の中で初ライブは幕を下ろした。
禁断の多数決「宇田川の禁断の多数決」2013年12月12日セットリスト
オープニングアクト:サイボーグかおり
01. ゾンビ・パレード / ホラーSE
02. 透明感
03. 真夏のボーイフレンド
04. アナザーワールド
05. 今夜はブギウギナイト
06. サン・カムズ・アップ
07. リング・ア・ベル
08. くるくるスピン大会
09. 勝手にマハラジャ
10. 踊れや踊れ
11. 渚をスローモーションで走るも夢の中
12. Merry Christmas Mr.Walken(尾苗愛による弾き語り)
13. バンクーバー
14. トゥナイト、トゥナイト
<アンコール>
15. アイヌランド(ゲスト:MC.Sirafu、大久保真奈)
リンク
- 禁断の多数決 : kindan_no_tasūketsu
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ゆうゆう @KawakamiYuYu
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