快進撃中KANA-BOON、超満員クアトロで熱烈ワンマン

10月にメジャー1stアルバム「DOPPEL」をリリースしたKANA-BOONが、11月4日に東京・渋谷CLUB QUATTROにてワンマンライブ「僕がステージに立ったら」を開催した。

「DOPPEL」がオリコンのCDアルバム週間ランキングで初登場3位を記録するなど快進撃中のKANA-BOON。彼らの破竹の勢いを証明するように、超満員の会場は開演前から興奮した空気に満ち、早くもすし詰め状態に。メンバーがスタンバイするなり場内の温度は急上昇した。4人はオーディエンスを煽るかのように、「DOPPEL」から「ワールド」「1.2. step to you」といったハイボルテージなロックチューンでフロア後方の観客まで踊らせていく。また「後悔しないように楽しんで帰ってください」と谷口鮪（Vo, G）が口にすると大きな歓声が起き、ステージ上のメンバーと観客との一体感が早くも作り上げられていた。

またひさしぶりの単独公演ということで、これまでのKANA-BOONの集大成と言えるようなセットリストが用意されたこの日。谷口が「上京してから初めて歌います」とアナウンスしたのち感情を込めて歌い上げた「東京」や、「夜をこえて」といったミディアムテンポの楽曲など、ワンマンライブだからこそ聴ける楽曲も惜しみなく届けられた。

さらにMCではメンバー4人の奔放さが炸裂する。飯田祐馬（B）が「『ポケモン』が欲しすぎて。でもお金がなくて買えないんで、作るしかないなって」と粘土で手作りしたピカチュウとサトシを模した貯金箱を披露し、小泉貴裕（Dr）は「DrumMania」経験者というだけでドラマーを志望したエピソードを激白。古賀隼斗（G）も結成時のエピソードをマイペースに語り出す始末で、谷口に「高校の頃からこんな感じなんですよ」「心配しなくても僕ら変われないんで（笑）」とまとめられていた。

トークでは自然体の4人だが、曲が始まるとスイッチが入ったかのようにキレのあるプレイとアンサンブルでオーディエンスを踊らせ、熱狂的な空間を作り出す。「お腹空きましたか？ 何が食べたい？」という谷口の問いかけに、観客が「チャーハン！」と叫ぶやり取りを経て突入した「ないものねだり」はひと際大きな盛り上がりを見せた。谷口が音頭をとるコール＆レスポンスは恒例だが、この公演では飯田、古賀、小泉の3人も挑戦した。中でも小泉は1回だけでは飽き足らず、観客とのコール＆レスポンスを2回にわたって敢行。彼のテンションの高さに谷口が「もう二度とないですよ……」と驚くほどだった。

ライブのハイライトとなったのは、谷口が自分の夢を詰め込んだという楽曲「眠れぬ森の君のため」。オーディエンスは歌詞を噛み締めるように歌う彼の姿と、力強いバンドのアンサンブルに魅入っていた。また谷口はメジャーデビューできた喜びを語る一方で、いろんなことを言われ傷付いたことなど自身が味わった苦い経験を吐露。「目の前にいる皆さんを信じてやっていこうと思いました」「これから必ずみんなが何を言われても誇れるようなバンドになるんで。忘れないでください」とフロアを見渡しながら力強く述べていた。

そして約2時間のライブを終えた4人は、谷口の呼びかけでステージに一列に整列。深々とオーディエンスにお辞儀をすると、「ありがとう。また会いましょう。さようなら」と告げ、手をつないだままステージ袖へと消えていった。

なお、KANA-BOONは今度は11月15日に大阪・BIG CATでワンマンライブ「僕がステージに立ったら」を開催。その後は「COUNTDOWN JAPAN 13/14」「FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY」「Livemasters Inc. COUNTDOWN "GT2014"」などに出演し、年末までライブ三昧の日々を送る。