「愛がきこえる」元妻の来訪捉えた新映像公開 滝田洋二郎、呉美保、南果歩のコメント到着

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EXOのメンバー、レイことチャン・イーシン(張芸興)が主演した中国映画「愛がきこえる」の本編映像が新たに公開に。加えて映画監督の滝田洋二郎呉美保、俳優の南果歩らのコメントが到着した。

中国映画「愛がきこえる」ポスタービジュアル

中国映画「愛がきこえる」ポスタービジュアル [高画質で見る]

耳の聞こえない父シャオマー(小馬)と、ろう者のコミュニティで暮らす7歳の娘ムームー(木木)の絆が描かれる同作。支え合って生きる父娘の日々が、5年前に出ていったムームーの母シャオジン(暁静)の来訪によって軋み始めることから物語は展開していく。チャン・イーシンがシャオマー、これが映画デビュー作のリー・ルオアン(李珞桉)がムームー、ホアン・ヤオ(黄尭)がシャオジンを演じた。

今回解禁されたのはシャオマーのもとを元妻シャオジンが訪れ、2人が話し合うシーン。自分がムームーを引き取り“普通の生活”を送らせたいと伝えるシャオジンに対して、シャオマーが反論するさまが映し出される。シャオジンが「ムームーを私たちのようにしたくなかったの」と言い、「お金もない」「尊厳もない」「未来がない」とノートに書きなぐる場面も収められた。

「愛がきこえる」場面写真。ホアン・ヤオ(黄尭)がムームー(木木)の母シャオジン(暁静)を演じた

「愛がきこえる」場面写真。ホアン・ヤオ(黄尭)がムームー(木木)の母シャオジン(暁静)を演じた [高画質で見る]

本作にはろう者の人々が俳優として多数参加している。呉は「この映画は、ろう者コミュニティの生活描写を豊かに描きつつ多様性に向きあい、あるいは単なる悲劇として消費することなく、作り手の真摯な眼差しが貫かれている」と、南は「『ろう者の静かな愛情表現は簡単に世界にかき消される』でも静かな愛は何より強く、確かなものだと言うことをこの映画は教えてくれる」とつづった。映画評論家の森直人、ライターのISO、映画・音楽パーソナリティーの奥浜レイラ、手話通訳士の保科隼希らのコメントは下部に記した。

このたび劇場入場者プレゼントがポストカードに決定。日本版ビジュアルをベースに、撮影地である中国・重慶の消印や、本作の重要なモチーフでもある鯨のイラストを組み込んだデザインに仕上げられた。封切り日の1月9日より先着で配られる。

中国映画「愛がきこえる」入場者プレゼントのポストカード

中国映画「愛がきこえる」入場者プレゼントのポストカード [高画質で見る]

シャー・モー(沙漠)が監督を務めた「愛がきこえる」は全国で公開。

中国映画「愛がきこえる」本編映像第3弾

滝田洋二郎(映画監督)コメント

音を生業とするミュージシャン(主演のチャン・イーシン)が、耳の聞こえないろう者の父親を静かに深く繊細に演じ、7才の娘役をキラキラと輝かせ透明感のある父娘の物語に導いた。「2025・中国映画週間」観客賞・主演男優賞を受賞したチャン・イーシンの豊な感性を纏う音楽を聴きながら、もう一度「愛がきこえる」を観てみたい。

呉美保(映画監督)コメント

この映画は、ろう者コミュニティの生活描写を豊かに描きつつ多様性に向きあい、あるいは単なる悲劇として消費することなく、作り手の真摯な眼差しが貫かれている。父を想う少女ムームーの表情は愛くるしくも儚げで、親子の絆と葛藤に揺れ動く幼き心の機微は、すべての観客の心を強く揺さぶるに違いない。

南果歩(俳優)コメント

父シャオマーとコーダの幼い娘ムームーの手話の会話は、愛とユーモアに満ちている。しかしろう者への偏見と差別は、社会の中で当たり前のように生まれていく。そんな不平等な社会で、怯えるような瞳の奥底に悲しみと愛を湛え、街の片隅で娘のために身を粉にして働いている父を、チャン・イーシンは体現している。その静かな演技はシャオマーの人生そのものだ。
(第10回ゴールドクレイン賞授賞式で最優秀主演男優賞を受賞した時のトップアイドル然とした華やかな姿からは、想像もできない演技でシャオマーになっていたことに驚きを覚えました)
「ろう者の静かな愛情表現は簡単に世界にかき消される」でも静かな愛は何より強く、確かなものだと言うことをこの映画は教えてくれる。

森直人(映画評論家)コメント

「善良さ」が搾取されることなく、祝福される社会を願いたい──。
「愛がきこえる」はコーダとして育った娘ムームーが、社会の現実を伝える語り部=メッセンジャーになっていく成長物語でもある。またシングルファーザーの悪戦苦闘を通して社会を見るという点で、「クレイマー、クレイマー」から「I am Sam アイ・アム・サム」へという系譜の延長に置ける1本とも言える。

ISO(ライター)コメント

聞こえる娘と聞こえない父。その親子のあいだに隔たりはなくとも、不均衡な社会が「ただ一緒に生きる」ことを望む彼らの前に大きな隔たりと困難を生み出してしまう。それでも愛を諦めない2人の直向きさにただ胸を打たれた。今の社会構造へ厳しい眼差しを向けると共に、現実の世界にある希望を提示する本作の意義は大きい。

奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティー)コメント

耳が聴こえないだけ、使っている言語が違うだけで、誤解され利用される。
どんな場所でも、障壁を作ってしまうのは健常主義を疑わない社会の方だ。そんな厳しい現実を背景にしたフィクションながら、結びつきの強いろう者のコミュニティの朗らかさには頬が緩んだ。純度100%の愛情が、利己的に生きる人間を大きく変える可能性があることを、この物語を通して見つめ直してほしい。

保科隼希(手話通訳士)コメント

単なる父と娘の愛の物語ではなくろう者の苦悩や力強く生きる様も描かれ、ろう者への注目が高まるきっかけにもなる作品。また、ろう文化も見え隠れしていたり、当事者の演者だからこそ出し得る雰囲気があったり、親子をつなぐ手話という言語の尊さも改めて実感できた。大切な人と観てほしい。

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