ホラー映画「
本作は、過去の未解決事件や怪現象を追っていたオカルト雑誌の編集者が行方不明になることから展開していく物語。同僚の編集者・小沢悠生は、オカルトライターの瀬野千紘とともに失踪事件を調査していくうち、行方不明者が集めていた情報の出来事すべてが“近畿地方のある場所”で起きていたことを知る。
原作小説を白石の監督作「ノロイ」へのラブレターのつもりで書いたと公言している背筋。一方の白石も連載時から原作を読んでいたそうで「古今東西の都市伝説をまとめつつ、1つの御報告に収束させるアプローチがあざやかで、『ノロイ』との共通項も感じました」と語っている。そんな“相思相愛の2人”がタッグを組んだ本作では、背筋が“白石監督らしい映像演出”を本人に直接リクエスト。背筋は「白石監督好きが作った原作を白石監督ご自身が映像化したときに面白くないわけがない!」と力説している。
幼女失踪、中学生の集団ヒステリー事件、都市伝説、心霊スポットでの動画配信騒動など、さまざまな過去の未解決事件や怪現象が入り組む本作。物語に整合性を持たせながら映画化するにあたり、背筋は脚本協力としても参加している。原作に関する資料を提供しつつも「映画が変に原作に引っ張られるともったいない」とアイデアを多数持ち寄った。白石は「背筋さんの協力なしには到達できなかったと思います」と振り返っている。
数々の怪現象を収めたフェイクドキュメンタリーと劇映画が融合している「近畿地方のある場所について」。フェイクドキュメンタリーパートのロケーションにもこだわっているほか、映像資料の質感、時折入るノイズや時報のフォント、背景処理に至るまで各パートの時代感を細かく映像に反映している。白石は「作品全体としても劇映画パートはもちろん、POV(主観映像)部分でもエンタメ性を重視し、クオリティにこだわって追加撮影を行うなど飽きさせない工夫を施しました。近畿地方のある場所に何があるか、ぜひ劇場でゾクゾクしながらお楽しみください」とアピール。背筋は「最初にプロットをいただいた時点で『全部お任せしたい』と思えるほど信頼していました。原作が叙述トリックを使って何を伝えたかったのかの芯の部分を汲み取って下さり、映画版ならではの思い切った選択と集中を施して新たなギミックを作って下さった心意気と手腕に感銘を受けたからです。劇中のキーアイテムにも新たな解釈を加えて下さり、自分ではたどり着けなかった再発見があってとても楽しかったです」と伝えた。
「近畿地方のある場所について」は、8月8日より全国でロードショー。ワーナー・ブラザース映画が配給を担当する。
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背筋×白石晃士、相思相愛な2人が語るホラー映画「近畿地方のある場所について」
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「白石監督好きが作った原作を白石監督ご自身が映像化したときに面白くないわけがない!」
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