ヴェネツィア金獅子賞は「哀れなるものたち」、濱口竜介の新作が審査員大賞を受賞

第80回ヴェネツィア国際映画祭の授賞式がイタリア現地時間9月9日に行われ、ヨルゴス・ランティモスの監督作「哀れなるものたち」がコンペティション部門の最高賞にあたる金獅子賞を受賞した。

「哀れなるものたち」は、天才外科医によってよみがえった若き女性ベラが時代の偏見から解き放たれて平等と解放を知り、驚くべき成長を遂げる物語。ベラをエマ・ストーンが演じた。日本では2024年1月26日に公開される。

濱口竜介の「悪は存在しない」は銀獅子賞（審査員大賞）を受賞。同作は濱口とミュージシャン・石橋英子による共同企画で、自然の秩序に従ってつつましく暮らす父娘を軸にした物語だ。大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁らが出演しており、2024年に劇場公開される予定となっている。

そのほかコンペティション部門では、「Io capitano（原題）」のマッテオ・ガローネが監督賞を受賞。ソフィア・コッポラの「Priscilla（原題）」でプリシラ・プレスリーを演じたケイリー・スピーニーが最優秀女優賞、ミシェル・フランコの「Memory（原題）」に出演したピーター・サースガードが最優秀男優賞を獲得した。

なお過去1年間に復元されたクラシック作品から特に優れた作品が選出されるヴェニスクラシックスで、相米慎二の「お引越し」が最優秀復元映画賞に選ばれている。

第80回ヴェネツィア国際映画祭 主要部門受賞結果

コンペティション部門

金獅子賞

「哀れなるものたち」（監督：ヨルゴス・ランティモス）

銀獅子賞（審査員大賞）

「悪は存在しない」（監督：濱口竜介）

銀獅子賞（最優秀監督賞）

マッテオ・ガローネ「Io capitano（原題）」

最優秀女優賞

ケイリー・スピーニー「Priscilla（原題）」

最優秀男優賞

ピーター・サースガード「Memory（原題）」

最優秀脚本賞

ギジェルモ・カルデロン、パブロ・ラライン「El conde（原題）」

審査員特別賞

「The Green Border（英題）」（監督：アグニェシュカ・ホランド）

マルチェロ・ マストロヤンニ賞（新人俳優賞）

セイドゥ・サール「Io capitano（原題）」

オリゾンティ部門

最優秀作品賞

「Explanation for Everything（英題）」（監督：ガーボル・ライス）

最優秀監督賞

ミカ・グスタフソン「Paradise is Burning（英題）」

審査員特別賞

「An Endless Sunday（英題）」（監督：アラン・パローニ）

最優秀女優賞

マルガリッタ・ロサ・デ・フランシスコ「El Paraiso（原題）」

最優秀男優賞

Tergel Bold-Erdene「City of Wind（英題）」

最優秀脚本賞

エンリコ・マリア・アルテール「El Paraiso（原題）」

ルイジ・デ・ラウレンティス賞（新人監督賞）

「Love Is a Gun（英題）」（監督：イ・ホンチ）