大林宣彦の臨終や遺言を妻・大林恭子が明かす「監督は次回作のロケハンに」

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4月10日に肺がんのため82歳でこの世を去った大林宣彦。この訃報に際し、映画プロデューサーであり妻の大林恭子がコメントを発表した。

左から大林恭子、大林宣彦。

左から大林恭子、大林宣彦。

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大林恭子は「この度、監督は、次回作のロケハンに出かけました」と始まるコメントの中で、夫の臨終の様子や連れ添った63年間の日々を述懐。監督の「皆さん、ありがとう」という言葉を遺言として発表している。さらに「死んでから充分眠れるのだから眠るなんて勿体ない」という監督の口癖を引用しつつ、「まだまだあふれる才能の持ち主、彼にあと三倍の映画の時間をあげたかった。大林作品を愛して下さったすべての人に監督の『ありがとう』をお伝えしたく存じます」と感謝の言葉をつむいだ。

なお、遺作となった「海辺の映画館―キネマの玉手箱」は近日公開を予定。

大林恭子 コメント

この度、監督は、次回作のロケハンに出かけました。連日連夜、映画の夢の中、撮影現場にいるらしい監督は元気な声で「ヨーイ、スタート。カット。オーケー。皆、お疲れさん、ありがとう」。毎晩その楽しそうな声に私は目を覚まし、「お疲れさま、ありがとう」と答えていました。数日前、真夜中に講演らしきお話をしていました。そんな中「岩井君、手塚君、犬童君、塚本君たちが映画をつないで平和な世の中に……」と、とぎれとぎれ聞こえてくる言葉、いつもと変わらない最後の言葉「ありがとう」。そして、監督が繰り返した「皆さん、ありがとう」を監督の遺言としてお伝え致します。

私との63年間の日々は、文学と音楽と映画の日々。いつも監督の口癖は「眠るのは死んでから充分眠れるのだから眠るなんて勿体ない」と本当に眠りませんでした。今頃、ロケハンの途中の天国村で、黒澤明監督や本多猪四郎監督、立川談志さん、高畑勲監督、和田誠さんにお会いして、映画談義が尽きることなく、やっぱり眠っていないのではと思います。
まだまだあふれる才能の持ち主、彼にあと三倍の映画の時間をあげたかった。大林作品を愛して下さったすべての人に監督の「ありがとう」をお伝えしたく存じます。
「ありがとう」の言葉に、毎晩、私からも監督に「ありがとう、愛してる」と真夜中の涙。
すると「お休み……」と返事が…。今頃ロケハンで未知なる道を見つけてくれていることと思います。

2020年4月14日 大林恭子

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