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柴崎友香の同名小説をもとにした本作は、瓜二つの顔を持つ2人の男性、亮平と麦(ばく)の間で揺れ動く朝子の姿を描いた物語。東出が亮平と麦、唐田が朝子を演じた。
「本作に出演したことでお芝居への苦手意識がなくなったとおっしゃっていますが、オーディションを受けていた頃の自分にどんな言葉を贈ってあげたいですか?」という質問に対して、「あの頃は本当に自信ゼロで、自分には何もなかったです……」と涙を浮かべる唐田。「20歳になったら辞めると思っていたけれど、そんなとき『寝ても覚めても』と出会えました。だからオーディションを受けていた頃の自分には“『寝ても覚めても』と出会えるから踏ん張って!”と言ってあげたいです」と続け、涙を拭ってほほえむ。
「麦のある行動に驚いたのですが、お二人はなぜ彼がああいう行動を取ったのだと思いますか?」という質問に、濱口は「麦はね、本当にわからないんですよ。本作ではそれぞれの役にバックストーリーがあり、それを役者さんへお伝えしました。でも、なぜか麦というキャラクターだけはバックストーリーを書けなかったんです。それぐらい不思議な存在なんです」と回答。唐田も麦を「何を考えているか本当にわからない人」と述懐し、「東出さん自身も、ぼーっとしているとき何を考えているかわからないんですよね。もしかしたら宇宙レベルのことを考えているのかもしれないという顔をしてるんですよ」と語る。そして「けれど撮影が進むにつれて『あれ、もしかしたらこの人、本当に何も考えていないのかも』って思い始めたんです」と話したあと「あ、東出さんではなくて、麦がです!」と慌てて訂正。劇場はこの日一番の盛り上がりを見せた。
「唐田さんにどのような指導をしたのですか?」と聞かれた濱口は「正直、演技力というものがよくわからないんです。だから演技をよくしようとは思わず、前作の『ハッピーアワー』でもそうですが、魅力的な人を選び、その魅力が出るように心がけています」と説明。「本作では、唐田さんが唐田さんであることを妨げず、助けるようにセリフを書きました。そして何度も読んでもらい、自然にセリフが口から出るようにしました。ほかの役者さんについても、彼ら自身を表現するうえで邪魔にならないような演出をいつも考えていました」と振り返った。
また「この映画を通して自分自身の中で変化したと思うところは?」という質問に、唐田は「全部です。お芝居することに前向きではないところからのスタートでしたが、撮影が始まる頃には不安が一切なかったんです。全然できないけどもっと知りたい、と思えるようになったことが自分の大きな進歩だなと思います」と答え、濱口は「運がよかった、と今聞いていて思いました。僕自身はよくわからないですが、人が変化していくさまを目の当たりにできるのは幸せなことだと感じましたね」と感慨深そうに語った。
最後には、9月19日に21歳の誕生日を迎える唐田へのサプライズも。濱口から、21本のバラの花束とともに写真家・牛腸茂雄の写真集が唐田へ手渡された。なお本作の冒頭には、牛腸の写真展を朝子が訪れるシーンがある。唐田は「こんな素晴らしい場所でぜいたくなお祝いをしていただいて本当にうれしいです! ありがとうございます!」と感謝。ティーチイン終了後は、濱口とともにサイン会を行った。
「寝ても覚めても」は全国で公開中。
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