役所広司、田中麗奈、大林宣彦、湯浅政明らが毎日映画コンクール表彰式でスピーチ

本日2月15日、第72回毎日映画コンクールの表彰式が、神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホールにて開催された。

「三度目の殺人」の演技で男優助演賞を獲得した役所広司は「20数年前に『KAMIKAZE TAXI』という1館だけで1週間ほど上映された映画によって毎日映画コンクールで賞をいただきました。それ以来この賞に恥じないようにがんばってきました」と述懐。オートクチュールのドレスで登壇した田中麗奈は、自身に女優助演賞をもたらした「幼な子われらに生まれ」について「妻であり、母であり、女であるという役で女優助演賞をいただけたことは1人の女性として幸せなことだと思っています。夫を演じた浅野忠信さんに感謝と愛を送らせていただきます」とスピーチした。

日本映画大賞を受賞した「花筐／HANAGATAMI」の監督・大林宣彦は出演者の窪塚俊介、矢作穂香、常盤貴子らとともに登壇。大林は「役者は役になる以上に作者自身の精神になる。私のフィロソフィーを具体的なものとして伝えてくれるから観客の胸を打つんです」と述べ、「ハッピーエンドは映画が発明した見事なフィロソフィー。世界戦争が行われていた時代、現実はアンハッピーでした。そんなときに心の中でいつか本当に幸せな世界が来るかもしれない、いやきっと来ると信じて、エンドの向こうにハッピーがあるということを描いたんです」と熱弁する。

日本映画優秀賞に輝いた「あゝ、荒野」の監督・岸善幸は「寺山修司さんの原作を映画化することは、相当なプレッシャーでした。そんな中、菅田将暉くんやヤン・イクチュンさん、そしていつものスタッフが集まり、途中から開き直って挑戦させていただきました。結果、上映時間5時間という無謀なことをしてしまいましたが、このような賞をいただき報われたと思っています」と胸の内を明かした。

大藤信郎賞を獲得した「夜明け告げるルーのうた」の監督・湯浅政明は「アニメーションはたくさんのスタッフで作っています。人を立たせて歩かせるだけでも高い技術が必要。声の演技も大変に重要です。スタッフを代表してトロフィーを受け取らせていただきます。スタッフの皆さんおめでとうございます」とコメント。田中絹代賞を贈られた水野久美は「感謝で胸がいっぱいです。夢のようです！ 女優生活60年、どんなときでも女優として誇りをもって一生懸命仕事をしてきました。そんな私に神様がご褒美をくださったんじゃないでしょうか？ 最高に幸せです」と述べ、感無量な様子を見せた。

毎日映画コンクールは、毎日新聞が“東京日日新聞”と称していた1935年から始まった「全日本映画コンクール」を前身とする映画賞。受賞作品および受賞者の詳細は下記の通り。

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