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文化庁メディア芸術祭で「花とアリス殺人事件」「台風のノルダ」が受賞

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「花とアリス殺人事件」 (c)花とアリス殺人事件製作委員会

「花とアリス殺人事件」 (c)花とアリス殺人事件製作委員会

第19回文化庁メディア芸術祭の受賞発表が、本日11月27日に東京・国立新美術館にて実施された。

アニメーション部門の大賞に輝いたのはフランスのボリス・ラベによる短編「Rhizome」。これは哲学書「千のプラトー」で展開される“リゾーム”の原則を網羅しながら、生物学的な意義と哲学観の考察を試みる作品だ。審査員の山村浩二は、その贈賞理由を「仮想のスケール空間のなかで、生物とも無機物ともつかない抽象的な形態がつねに変化し、個々の動きが全体の動きへと連なっていく」「マクロからミクロへの逆転の感覚を覚える点もユニークだ」と公表した。

また岩井俊二が手がけた初の長編アニメーション「花とアリス殺人事件」が同部門の優秀賞を受賞した。審査員の森本晃司から「実写映画の方法論を直に絵の画面へ置き換えてアニメーション化することで、『作品のカテゴリーとは何か?』を深く考えさせられる作品である」と評された岩井は、この受賞発表にビデオメッセージで出演。「10年前に作った実写『花とアリス』の前日譚をアニメにしました。今回の『花とアリス殺人事件』のあとに続けて前作を観ると、わりときれいにつながっています。アニメだった子たちが突如実写になって現れるという不思議な作品になったわけです。これからも年齢を忘れていろんな新しいことにチャレンジしていけたらなと思います」と抱負を語った。

さらにアニメーション部門新人賞には、「ぜひこの絵、このアニメーションで観客を新鮮な物語の感動に誘って欲しい」という期待を込めて、新井陽次郎の「台風のノルダ」が選出された。そのほか、エンターテインメント部門新人賞は、ダンサーの吉開菜央がシンガーソングライターの柴田聡子とコラボしたMOOSIC LAB 2014出品作「ほったまるびより」が受賞。「おどりとはなにか」をテーマとした本作は、「『メディアとしての身体』という現代的なテーマを扱いながらも、超言語コードでつづられる映像からは、時間や空間を超越してさまざまな物語や思考が喚起させられる」と評価された。

文化庁メディア芸術祭は、メディア芸術の振興を目的とした祭典。アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門で優れた芸術作品を表彰するとともに、国内外の作品を広く紹介している。昨年行われた第18回のアニメーション部門ではロシアの短編アニメ「The Wound」が大賞に輝き、優秀賞に「映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」などが選ばれた。なお今年度の受賞作品は、2016年2月3日より国立新美術館ほかで開催される受賞作品展にて展示・上映される。

第19回文化庁メディア芸術祭受賞作品展

2016年2月3日(水)~14日(日)東京都 国立新美術館、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、スーパー・デラックスほか
料金:無料

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