新鋭、新井陽次郎「台風のノルダ」制作秘話を語る、元ネタは空飛ぶクジラ

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26歳の新鋭、新井陽次郎が監督を務めたアニメ「台風のノルダ」。映画ナタリーでは、同作で劇場監督デビューを果たした新井に思いの丈を語ってもらった。

新井陽次郎

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「台風のノルダ」は、「陽なたのアオシグレ」やマルコメのCMなどを手がけてきたスタジオコロリドの劇場最新作。とある離島の中学校を舞台に、台風の日に現れた不思議な少女と、2人の男子生徒の友情模様をつづる。

「台風のノルダ」 (c)2015 映画「台風のノルダ」製作委員会

「台風のノルダ」 (c)2015 映画「台風のノルダ」製作委員会[拡大]

アニメーターとして「借りぐらしのアリエッティ」「風立ちぬ」などに参加してきた新井は、尊敬する監督に、宮崎駿や米林宏昌の名と共に、「台風のノルダ」でキャラクターデザインと作画監督を務めた石田祐康を挙げる。「石田くんからはアニメを作っていく工程を1から10まで学びました」と現在所属するコロリドでの制作を振り返った。

タイトルの通り、台風が重要なモチーフとして扱われている「台風のノルダ」。新井は雨や風などを描く上でジブリ作品をはじめ国内のセルアニメを参考にしたことを明かす。「例えば『となりのトトロ』はセル画に直接傷をつけて雨を表現しているんです。そうすることで鋭い雨が生まれるんですが、僕もこの作品で雨の存在感を出したくて、スタッフと試行錯誤しました」と告白。続けて「繊細な動きとダイナミックな動きを両方とも生み出せるよう気をつけました」とこだわりをのぞかせた。

「台風のノルダ」の原案イメージボード

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物語の原点を尋ねると「6年ぐらい前に描いた1枚の絵があって、このイメージをアニメ化できたら面白いだろうなぁと思っていました」と1枚の絵を見せてくれた。学生たちが本や机が散らかる屋上から、光り輝く大きなクジラのもとへ舞い上がっていく姿が表現されており「若者たちの解放をテーマにした絵です。島に来た台風によって学生たちが校舎に閉じ込められてしまう物語をこのときから考えていて、幼少の頃、台風が来たときに感じた不思議な気持ちを表現できないかと考えていました」と同作のもとになった物語を嬉々として解説する。

初監督作品の制作を終えた新井に次作への思いを聞くと「作品を制作していく過程で、まだまだ納得できない部分がありました。だからリベンジしたいという気持ちが強くあります」とコメント。続けて「とにかくエンタテインメントとして楽しめる作品を生み出していきたいです」と胸の内を明かした。

「台風のノルダ」は、6月5日より東京・TOHOシネマズ 新宿ほかにて3週間限定で全国ロードショー。

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ナガサワケンタ @ken76a3

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監督って26歳だったんだ…!

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