終戦80年企画として上映される「
カーチスは「野火」の撮影が「独立愚連隊」と並行していたことに触れ、「役作りしている暇なんてなかったよ。でも市川崑監督は俺のことを知らなくて『芝居ができて痩せてる若い奴を』ってことで俺が呼ばれたんだ」と回想。市川からの演技指導はラストシーンの“極限状況だと人はこういう顔になる”という表情のみだったという。カーチスは「今だって戦争しているけど、人は2000年以上戦争し続けていて何も変わっていない。もう戦争はやめようよ。俺からはそれだけだよ」と言葉を紡いだ。あわせて映画監督の
「野火(4K版)」「ジョニーは戦場へ行った(4K版)」は、8月1日より東京・角川シネマ有楽町ほか全国で順次公開。同館の上映期間中には樋口、塚本のほか映画評論家・
※塚本晋也の塚は旧字体が正式表記
映画「野火(4K版)」本編映像(ミッキー・カーチス出演シーン)
ミッキー・カーチス コメント
当時は本当に忙しくてTVのレギュラー番組と岡本喜八監督の新作「独立愚連隊」撮影と「野火」の撮影が重なっちゃって大変だった。役作りしている暇なんてなかったよ。でも市川崑監督は俺のことを知らなくて「芝居ができて痩せてる若い奴を」ってことで俺が呼ばれたんだ。監督からの唯一の演技指導は、ラストシーンの「極限状況だと人はこういう顔になる」という表情だ。今だって戦争しているけど、人は2000年以上戦争し続けていて何も変わっていない。もう戦争はやめようよ。俺からはそれだけだよ。
岩井俊二(映画監督)コメント
戦場に送られる者たちに敵も味方もない。理不尽な戦闘を強いられる犠牲者だ。
時代は21世紀になったが、今もなお戦争は止まない。
樋口泰人(映画批評家)コメント
デヴィッド・リンチがこの世を去った同じ年にこの2本を観ることができる偶然は果たして偶然なのか?
ジャンルとしての「戦争映画」からははるかに遠い戦争映画が描き出す究極の人間の姿は、しかし今ここを生きるわれわれの姿にも見えないか?
塚本晋也(映画監督)コメント
一兵士の真実の内面に迫った「野火」「ジョニーは戦場へ行った」。戦争への足音が近づく世界の状況で、戦争を始める人たちの目線でなく、一般人の目線で戦争の恐怖を描ききったこの2作品を見ることはとても重要なことだ。
「野火(4K版)」「ジョニーは戦場へ行った(4K版)」トークイベント
東京都 角川シネマ有楽町
2025年8月2日(土)「ジョニーは戦場へ行った(4K版)」10:30の回上映後
登壇者:町山智浩(映画評論家)※リモート登壇
2025年8月3日(日)「野火(4K版)」17:30の回上映後
登壇者:春日太一(映画史・時代劇研究家)
2025年8月6日(水)「ジョニーは戦場へ行った(4K版)」19:40の回上映後
登壇者:樋口泰人(映画批評家)
2025年8月9日(土)「野火(4K版)」10:30の回上映後
登壇者:塚本晋也(映画監督)
針ぽたお @haripotao
ミッキー・カーチス「当時は本当に忙しくてTVのレギュラー番組と岡本喜八監督の新作「独立愚連隊」撮影と「野火」の撮影が重なっちゃって大変だった」 https://t.co/xajTUoXPYX