[鬼束ちひろ] AP BANG!で新曲含む3曲を披露
2007年3月21日 5:30
3月17日に新木場STUDIO COASTにて開催されたイベント「AP BANG!東京環境会議vol.1」に、活動を休止していた
鬼束が登場したのは、Bank Band Trinityを中心にして行われるライブコーナーでのこと。KREVA、絢香といったシンガーがひとしきりステージを盛り上げた後に、プロデューサーの小林武史が「次も女性ですが、ここではピアノとチェロと歌だけでやりたいと思います」と客席に話しかけた。この瞬間、早くも次に誰が登場するのか察知したファンから悲鳴のような歓声が上がった。
真っ暗なステージの上にはチェロプレイヤーとピアノを弾く小林のみ。そして袖から紺色のドレスを身にまとい、鬼束ちひろが登場した。裸足でステージ中央に現れた鬼束にスポットライトが当たるとフロアからは大歓声が沸き起こる。鬼束はピアノにあわせて代表曲「月光」を歌い始めた。ブランクはあったものの、凛としたその歌声はまぎれもなくあの鬼束ちひろ。曲のアップダウンにあわせて上下する手の動きも当時のままだ。
1曲歌い終えると、大きな拍手とともに「待ってたよ!」「ちいちゃん、おかえり!」というファンからの温かい声援が聞こえてきた。しかし鬼束はそんな声に反応することなく淡々と次の曲を披露する。2曲目は「あたしはあたしを愛せないまま……」という歌い出しの歌詞が印象に残るポップなメロディの新曲「Magical World」。
3曲目ではチェロプレイヤーは袖に引っ込み、小林と2人だけで新曲「everyhome」を披露した。8分の6拍子のリズムにあわせ、自分自身に歌いかけるかのように気持ちを込めて歌う鬼束からは、活動休止前のような迷いは一切感じられなかった。終盤のフェイクパートでは完全に体が温まったのか、その声量は1曲目とは比べものにならないほど。彼女が完全にシーンに戻ってきたことを強く意識させる内容だった。
約20分にわたるステージが終了しても、彼女は歌以外で言葉を発することは一切なかった。しかし3曲すべてを歌い終え一歩下がろうとしたとき、ケーブルに足をかけてよろめくというハプニングが発生。これにはさすがの鬼束も笑ってしまい、この日初めての笑顔をファンに見せてくれた。ステージからの去り際もフロア側に目を向けることはなかったが、手だけは客席に向けてしっかりと振られていた。
計3曲の短いライブだったが、鬼束ちひろの完全復活を実感するには十分。多くのファンの期待に応える充実の内容となった。
セットリスト
- 月光
- MAGICAL WORLD
- everyhome
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