「RESPECT!」は“尊敬するアーティストとの競演”をテーマに掲げた、ライブナタリー主催のツーマンシリーズ企画。第1弾ではBARBEE BOYSとOKAMOTO'S、第2弾では道重さゆみとZOCという組み合わせのライブが行われてきた。第3弾ではORANGE RANGEを長年にわたり愛聴し、音楽制作にも多大な影響を受けたというWurtSの発言をきっかけに、世代もジャンルも飛び越えたこの2組のツーマンライブが実現。きちんと競演するのは初めてだという彼らは、このライブに向けて事前に行われたインタビューで「ミステリアスな印象のWurtSくんだけど、当日は直に浴びる音楽に衝撃を受け、隠しきれない良い人オーラのギャップに萌えて、どうせ大好きになるんだろうなと予想しています」(HIROKI[ORANGE RANGE])、「小さい頃から今まで聴いていた曲たちをライブで聴くことができるという嬉しさと自分自身の今後の音楽活動に取り入れられるものを勉強させて頂く気持ちで当日を迎えたいと思います」(WurtS)とそれぞれ語っていた。
WurtS
WurtSはウサギの姿をしたDJを含むバンドセットで登場。軽やかなポップナンバー「ライフスタイル」でライブの幕を開け、「大阪、楽しんでいきましょう!」と短く挨拶をすると、「BOY MEETS GIRL」「エヴォリューション」とダンサブルな楽曲を次々と披露していく。心地よさそうに体を揺らすオーディエンスは、「Talking Box(Dirty Pop Remix)」でクラップをさく裂させ、会場の熱気を一気に高めた。
「今日はORANGE RANGEさんと対バンということで、とってもうれしいです! ありがとうございます! 中にはWurtSのことを知らないという方もいるかと思いますが、今日は皆さん、子供の頃のように自由に楽しんでもらえたらなと思います」と客席に呼びかけたWurtS。「ここから踊れる曲が続くんですけど」と前置きした通り、「大人になるのは」ではシンセサイザーを操り、「SWAM」「コズミック」ではEDMサウンド全開でクラブさながらにフロアを揺らした。
幼い頃、姉がORANGE RANGEのファンだったことがきっかけで楽曲を聴き始め、全曲口ずさめるほど知り尽くしたというWurtSは「こうして対バンすることができるなんて考えていなかったのですごく光栄です」と語り、ORANGE RANGEのファンにもいろんなWurtSを知ってほしいとアピール。ここでギターを持った彼は「ここからはロックな楽曲をやっていこうと思います」と「ブルーベリーハニー」「NOISE」「マイティーマイノリティ」と疾走感あふれるバンドサウンドの楽曲を畳みかける。最後にキャッチーなイントロが印象的な「リトルダンサー」を届けてステージを後にした。
ORANGE RANGE
WurtSからバトンを受け取り、初期のヒット曲「以心電信」でライブの幕を開けたORANGE RANGEは、冒頭から「僕らはいつも以心伝心」というサビのフレーズをオーディエンスと一緒に大合唱。続けてハイテンションナンバー「ロコローション」を披露し、会場のテンションを一気に上昇させた。
またMCでは今回初めて対バンをするWurtSについてHIROKI(Vo)が事前のリモートインタビューを振り返り、「WurtSくんは音楽の知識もたくさんあるだろうに、中身は本当に素直で純粋で謙虚で……という人間で、そこに僕も惹かれたんですよ。でも彼の音楽性についてはあまり余分な知識を入れずに、当日まで楽しみにとっておいたんです。なのでさっき初めて彼のライブを観たんですけど、あんなにたくさんの種類の技を使って皆さんを楽しませるスキルにすごく感動しました。わずか数十分の間にどれだけたくさんの顔を見せてくれるんだと。実際の顔は見せないのに(笑)。いやあ、素晴らしい!」と称えた。
「イケナイ太陽」で会場をひと足先に夏にした5人は、「feat.ソイソース」のアッパーな4曲をつなげたメドレーへと突入。事前のインタビューでWurtSの好きな食べ物が寿司だとわかったことからセットリストにリクエストされた「SUSHI食べたい」も盛り込んで、フロアを大いに踊らせた。さらにWurtSがORANGE RANGEの楽曲の中でもっとも思い出深い曲として挙げていた「ラヴ・パレード」をエモーショナルに歌唱する場面も。HIROKIは「WurtSくんという素晴らしいアーティストが誕生する歴史の中でORANGE RANGEの曲も鳴っていたんだと思うとすごくうれしかったので、調子に乗って歌ってみました」と改めて語り、喜びを滲ませていた。クライマックスではアグレッシブなアッパーチューン「O2」「三線Punk」「キリキリマイ」を連投。オーディエンスの熱気を最高潮に高めてステージを降りた。
アンコール
アンコールの声に応えて再び登場したORANGE RANGEは「やりたい曲をやります」と宣言し、「はい!もしもし…夏です!-REFINISHED-」を歌うと予告。「後日掲載されるであろうライブレポートでも、この曲が一番盛り上がっているように見せたいから、皆さんの協力が必要」だとHIROKIが観客にコールアンドレスポンスのお決まりのフレーズ「パジャマのまんまで」「学校来ちゃった」のレッスンを施す。「もうちょっとキュートな感じがほしい……」と渋い表情のHIROKIに対しYAMATOが「かわいくやってくれてるよ?」とフォローするも、「まだ羞恥心を捨てきれていない」と厳しく指導し、徹底的に盛り上げることに妥協がない。しかし2番の冒頭で繰り出される「はいもしもし」「夏です」のコールアンドレスポンスの説明を忘れていたHIROKIは「ひさしぶりだから忘れてた」と謝罪し、もう一度始めからやり直しをするというライブらしい事態を招き観客を楽しませた。
そして最後に届けられた楽曲は「上海ハニー」。曲中に客席を巻き込んだ全員で沖縄の伝統的な踊り「カチャーシー」を踊ったりと大盛り上がりの中、RYOが「このままじゃ締まらない。WurtSくん呼ばない?」とWurtSを呼び込む。2番を2組でセッションし、熱狂の渦の中でライブは大団円を迎えた。
セットリスト
ライブナタリー Presents RESPECT! Vol.3 "ORANGE RANGE × WurtS" 2025年3月9日 オリックス劇場
WurtS
01. ライフスタイル
02. BOY MEETS GIRL
03. エヴォリューション
04. Talking Box(Dirty Pop Remix)
05. 大人になるのは
06. SWAM
07. コズミック
08. ブルーベリーハニー
09. NOISE
10. マイティーマイノリティ
11. 分かってないよ
12. リトルダンサー
ORANGE RANGE
01. 以心電信
02. ロコローション
03. ラビリンス
04. papa
05. イケナイ太陽
06. ソイソースメドレー(Pantyna / SUSHI食べたい / DANCE2 / おしゃれ番長)
07. ラヴ・パレード
08. O2
09. 三線Punk
10. キリキリマイ
<アンコール>
11. はい!もしもし…夏です!-REFINISHED-
12. 上海ハニー
ライブナタリー @live_natalie_mu
【ライブレポ公開!】
ライブナタリー Presents RESPECT! Vol.3
“ORANGE RANGE × WurtS”
ライブレポが、音楽ナタリーにて公開!
当日の熱狂と興奮を、レポでもお楽しみください。
撮影:渡邉一生 https://t.co/l3wVGYwHnn