アナログフィッシュ、斉藤復帰ツアーが大団円で終幕

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アナログフィッシュが、全国ツアー「Pre TOUR 2009」の千秋楽を12月5日に渋谷CLUB QUATTROで迎えた。

MCでは佐々木がツアー中の食生活を振り返り「肉と酒中心で、体の調子が悪くなって……。だからキャベツを半タマ買って、ビールと一緒に食べた」と告白すると、斉藤がすかさず「ビールは飲むんだ……。(原因は)そこだと思うけど?」と絶妙なタイミングでツッコミを入れる場面も。そんな仲の良さを感じさせるやり取りを観客は笑いながら見守った。

MCでは佐々木がツアー中の食生活を振り返り「肉と酒中心で、体の調子が悪くなって……。だからキャベツを半タマ買って、ビールと一緒に食べた」と告白すると、斉藤がすかさず「ビールは飲むんだ……。(原因は)そこだと思うけど?」と絶妙なタイミングでツッコミを入れる場面も。そんな仲の良さを感じさせるやり取りを観客は笑いながら見守った。

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始終笑顔でドラムを叩き続けた斉藤(写真左)。しかしあまりに激しいドラミングのため、メガネが飛んでしまうハプニングに何度も見舞われていた。

始終笑顔でドラムを叩き続けた斉藤(写真左)。しかしあまりに激しいドラミングのため、メガネが飛んでしまうハプニングに何度も見舞われていた。

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ライブ中に発表されたニューアルバム「Life Goes On」は全10曲入り。この日披露された新曲も多数収録される。

ライブ中に発表されたニューアルバム「Life Goes On」は全10曲入り。この日披露された新曲も多数収録される。

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10月10日に新木場STUDIO COASTで行われた結成10周年ライブから、斉藤州一郎(Dr)を含む3人体制での活動を本格的に再開したアナログフィッシュ。この日のライブは斉藤の復活を各地でお披露目するツアーの最終公演ということで、冷たい雨が降る中多くのファンが会場に集まった。

始まりを今か今かと待つ観客の静かな期待が広がる中、フロアの照明が落ちライブの幕が上がる。そして斉藤が姿を見せると、ひと際大きな拍手が贈られ会場は瞬時に祝福ムードに包まれた。定位置に付いたメンバーはうなずき合うと、1曲目として新曲「NOW」を奏で始める。3人の味わい深いボーカルが織りなすハーモニーがあたたかな空気を作り出し、オーディエンスの気持ちを和らげていく。2曲目に披露された「白黒ック」では斉藤の手数の多いドラミングに支えられ、下岡晃(Vo,G)と佐々木健太郎(Vo,B)が自由に歌声を響かせる。さらに「LOW」「スピード」と疾走感あるナンバーを連発し、会場の熱気をじわじわと高めていった。

1回目のMCで佐々木は「(ツアーを回って)各地でいろんなものをもらってきたので、今日はそれを全部出します」と宣言すると、おもむろにメンバー紹介をスタート。「今回の主役です! 帰ってきたぜ」と斉藤が紹介されると、「おかえり」という声があたたかな拍手とともに会場に響く。その声に対し斉藤は、力強いガッツポーズと笑顔で応えた。

サポートメンバー・木村ひさし(Key)の軽やかな鍵盤の音色が彩りを添えた「ガールフレンド」の後に始まったのは、下岡がメインボーカルをとる新曲「平行」。少しドープな雰囲気が漂うこの曲は、下岡のファニーな歌声が耳に残るナンバー。2月にリリースされるニューアルバム「Life Goes On」に収録されるほか、12月23日からiTunes Storeでの先行配信も決定しているのでファンは楽しみにしておこう。

2回目のMCを挟み、アナログフィッシュならではのボーカルのかけあいが楽しめる「月の花」、斉藤の刻むダイナミックなリズムが冴える「バタフライ」に続いたのは、アルバム「Fish My Life」から「PARADOX」。「Fish My Life」は斉藤が不在の間に作られたアルバムのため彼はレコーディングには参加していなかったが、ライブではそんなことを微塵も感じさせない自然なドラミングを聴かせた。

ライブも中盤に差し掛かると、「Ready Steady Go」「Tomorrow」という新曲2曲が続けて演奏される。佐々木のポエトリーリーディングのような歌が印象的な「Ready Steady Go」、スピーディな展開が用意された「Tomorrow」とタイプの異なるサウンドの2曲だったが、奇しくもどちらも"夜明け"が詞の中で歌われており、それはアナログフィッシュの新たな旅立ちを暗示しているようだった。

新曲を連続で歌い終えたところで佐々木が口を開き、今後のライブスケジュールとともに、2月10日にニューアルバム「Life Goes On」をリリースすることを発表。下岡は「いろんな曲が入ったいいアルバムができたので、それを持っていろんなところに遊びにいきます」とファンに約束した。

後半戦のオープニングを飾ったのは「ダンスホール」。佐々木の「ぐちゃぐちゃになるまで踊りましょう!」という煽りを受けて、オーディエンスが笑顔を浮かべながらフロアを揺らす。そのまま「Hello」「Clap Your Hands!」とゴキゲンなナンバーが熱演されると、会場はハッピーな空気で満ち溢れる。特に「Clap Your Hands!」の演奏中には、場内3カ所に設置されたミラーボールから美しい光がフロアに降り注ぎ、幸福な気持ちを倍増させてくれた。

しかし、アッパーなままでライブを終えないのが彼ららしいところ。ミディアムテンポの「Sayonara 90's」でフロアをチルアウトさせると、本編ラストではニューアルバムのタイトル曲「Life Goes On」を披露。どこか一筋縄ではいかないポップチューンが多かったアナログフィッシュだが、この曲はストレートな歌詞と胸を打つやさしいロックチューン。紆余曲折を経て再び3人に戻った彼らだからこそ歌えるナンバーを、オーディエンスは噛み締めるように聴き入った。

本編が終わり3人がステージを去ると、瞬時にアンコールを求める拍手が響く。その音に導かれるように、汗ダクの3人がステージに再登場。斉藤は「ありがとう。すごいいい笑顔ですね。僕、このツアーでみんなに元気をもらいました」とファンに感謝を告げる。続いてなにかを言おうとするが、次の言葉が見つからず「あの……」と沈黙してしまう。しかし一呼吸置いた後で「楽しいね!」と笑顔で語り、オーディエンスの拍手を浴びた。アンコール1曲目としてプレゼントされたのは「アンセム」。佐々木の朗々とした歌声と、斉藤のたたき出すグルーヴ感あるリズムが得も言われぬ高揚感を誘う。曲の途中で佐々木は、定番のコール&レスポンスに加えオーディエンスを2パートに分けて合唱させ、美しいハーモニーを響かせた。

下岡がまったりとしたボーカルを聴かせた「BGM」でアンコールは一旦終了するが、観客は動く気配を見せない。それどころかまだまだ物足りないようで、ダブルアンコールを求め続ける。その思いに応えるべく、缶ビールを片手にした3人がステージに登場。アルコールを摂取した3人はリラックスした表情でファンに挨拶するとラストナンバーとして「ハローグッバイ」を演奏。この場にふさわしいミディアムチューンを届け、ライブを締めくくった。

演奏を終えたメンバーたちは、名残惜しそうな表情を見せつつステージを次々と去っていく。最後に残った斉藤は、マイクスタンドの前に立つと目の前の光景を見渡しながら「ありがとう……。すごいね」と感慨深げに語り、笑顔で舞台の下手に消えていった。

「Pre tour 2009」2009年12月5日 渋谷CLUB QUATTRO セットリスト

01. NOW
02. 白黒ック
03. LOW
04. スピード
05. ガールフレンド
06. 平行
07. Town
08. 月の花
09. バタフライ
10. PARADOX
11. Ready Steady Go
12. Tomorrow
13. ダンスホール
14. Hello
15. Clap Your Hands!
16. Sayonara 90's
17. Life goes on
<アンコール>
18. アンセム
19. BGM
<ダブルアンコール>
20. ハローグッバイ

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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