髭(HiGE)、STUDIO COASTで気迫たっぷりワンマンライブ

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(HiGE)の全国ツアー「D.I.Y.H.i.G.E.Tour」の最終公演が、5月24日に新木場STUDIO COASTにて開催された。

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ダブルアンコールを含め22曲が披露されたこの日のライブ。サービスたっぷりのMCコーナーなど、どこまでDVDに収録されるのか続報に注目だ。

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ツアー最終日とあって、メンバーはもちろんオーディエンスの気合も十分。メンバー好みの渋めのロックナンバーが次々とSEとして流れる中、観客がステージを一心に見つめながら開演を待つ光景が広がる。フロア後方まで埋め尽くしたファンの熱気は時間が経つごとに上昇。開演予定時刻から20分が経った頃、SEがフェイドアウトし、真っ暗なステージにDJシラフを含むメンバーが次々と姿を現した。

期待感が充満したフロアのために彼らが1曲目として用意したのは、アルバム「D.I.Y.H.i.G.E.」の冒頭を飾る「ダイアリー」。メランコリックなムードが開演前の熱気をクールダウンさせるが、2曲目の「D.I.Y.H.i.G.E」以降、ボルテージは上がりっぱなし。ライブの定番「溺れる猿が藁をもつかむ」では、佐藤"コテイスイ"康一(Dr,Per)が定位置を離れ、酔いどれのような足取りでフロアをウロついては観客を煽りまくる。それに感化されて会場の気温は上昇の一途をたどり、フロア後方にいても汗ばむほどの状態に。4曲目の「ハリキリ坊やのブリティッシュ・ジョーク」で早くもライブは1回目のピークを迎えた。

須藤寿(Vo)が「今日はいい日になりそうだと思わない?」と口にしたのに続き、「Mr.アメリカ」「ドーナツに死す」といったアッパーチューンを連発した彼ら。彼らのライブには普段はある種のゆるさがあるのだが、序盤から中盤にかけてはタイトに攻める姿勢を貫きとおし、観ている側にも気迫が伝わってくるようなパフォーマンスを展開した。

しかし、8曲目の「せってん」のイントロが鳴った瞬間、会場の空気が一変。イベントやフェスでは披露されないレアな選曲に、悲鳴のような歓声があがる。再び「ダイアリー」のときのような穏やかなムードにフロアが包まれ、会場がチルアウトすると須藤が再び口を開きMCコーナーに突入。須藤は「今日はワンマンだからさ、これを着てきたら汗びっしょりで」と語りだすと、それまで来ていたジャケットを脱ぎTシャツ姿に。身軽になったところで、フロアのあちこちから上がってくる声援の中から宮川トモユキ(B)を呼ぶ声をキャッチしタイトルコールを宮川に任せようとする。しかし、次の曲である「オーバーグラウンド/アンダーグラウンド」のベースの入りは難しいという理由ですげなく断られ、会場の笑いを誘った。

ドラムカウントから始まった「Acoustic」では、自らのスタイルを提示するように、それぞれが自由な演奏とアレンジで楽曲を再構築。前方のファンは手を掲げ、彼らが紡ぎだす音をダイレクトに受け止めていた。クライマックスに近い盛り上げを見せながら、そこで一気にラストまで走りきらないのが彼ららしいところ。ギターのディストーションが幽玄を感じさせる「家」でまったりさせたかと思えば、「ミートパイ フロム ロシア」でお得意のサイケデリックなムードを漂わせる。曲ごとにくるくる表情を変えるサウンドと、先行きの見えないスリリングな展開に観ている側は翻弄されっぱなしだった。

終盤は「黒にそめろ」「ダーティーな世界(Put your head)」「ギルティーは罪な奴」といったアッパーチューンを次々と連発。ぐいぐいとオーディエンスを髭(HiGE)ワールドに引っ張り込み、須藤の「最後に一発決めとく?」という叫びとともに始まった「ロックンロールと五人の囚人」で本編は終了した。

その後、フロア中から上がる歓声と拍手に迎えられ1回目のアンコールがスタート。川崎"フィリポ"裕利(Dr,Per)の「ありがとう!」という感謝の言葉を口にし、須藤は「今日のライブはDVDになるから、さっきのミスも入ります。永遠に残ります」とDVD発売をさらりと告知しながら「家」の冒頭で入り損ねたミスを自虐的に語る。名誉挽回とばかりに「でも、5人の記録じゃなく、皆の記録だよ」とフォローすると、フロアから「須藤カッコイイ!」という声が。須藤はすかさず「今の声は別トラックにするから。いや、メニュー画面かな?」と早くもDVDの編集に思いを馳せた。また、斉藤祐樹(G)が「いい眺めです。まるで海のようです」と言えば、宮川はマイクなしで「ありがとう!」と絶叫するなど、それぞれがファンに向けて感謝を伝える場面もあった。

アンコールはノスタルジックな「ミスター・タンブリンマン」から始まり、「白い薔薇が白い薔薇であるように」でサイケなムードに。間奏では須藤がマイクを離れ「髭は俺1人じゃない。俺がいなくてもどうにでもなっちゃうから!」と残りのメンバーに演奏を委ね、改めて髭(HiGE)の持つ自由度の高さを証明した。

メンバーがステージを去り、客電が点いても会場を後にする人はまばら。ダブルアンコールを求める拍手はしばらくの間続き、メンバーが再び姿を現すと大きな拍手が5人を出迎えた。2度目のアンコールのためか、メンバーも本編に比べ少しリラックス気味。「王様はロバのいうとおり」で会場を急激にライブモードに引き戻すと、「下衆爆弾」で息もつかせないままにフロアを狂乱の渦へと巻き込んだ。須藤はパフォーマンスを終えると、「今まで生きてきた中で一番楽しかったよ」という言葉を残しステージを颯爽と降りた。

なお、MCでも告知されたライブDVDは9月に発売される予定。5人の気合にたっぷりのパフォーマンスを詰め込んだ濃厚な内容が期待できそうだ。

「D.I.Y.H.i.G.E.Tour」新木場STUDIO COAST公演セットリスト

01. ダイアリー
02. D.I.Y.H.i.G.E.
03. 溺れる猿が藁をもつかむ
04. ハリキリ坊やのブリティッシュ・ジョーク
05. MR.アメリカ
06. ドーナツに死す
07. ブラッディ・マリー、気をつけろ!
08. せってん
09. オーバーグラウンド/アンダーグラウンド
10. Acoustic
11. 家
12. ミートパイ フロム ロシア
13. 嘘とガイコツとママのジュース
14. 黒にそめろ
15. ダーティーな世界(Put your head)
16. ギルティーは罪な奴
17. ロックンロールと五人の囚人

アンコール
18.ミスター・タンブリンマン
19.ボニー&クライド
20.白い薔薇が白い薔薇であるように

ダブルアンコール
21.王様はロバのいうとおり
22.下衆爆弾

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音楽ナタリー @natalie_mu

髭(HiGE)、STUDIO COASTで気迫たっぷりワンマンライブ http://natalie.mu/news/show/id/16926

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