サカナクション、実験的&圧巻演出で魅了した幕張2DAYS

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サカナクションが全国ツアー「SAKANAQUARIUM 2013 sakanaction」の一環で、5月18、19日に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールにて単独公演を開催。2日間あわせて約4万人を前に、2時間半のエンタテインメントショーを展開した。

「SAKANAQUARIUM 2013 sakanaction」幕張公演2日目の様子。(撮影:石阪大輔[hatos])

「SAKANAQUARIUM 2013 sakanaction」幕張公演2日目の様子。(撮影:石阪大輔[hatos])

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山口一郎(Vo, G)(撮影:石阪大輔[hatos])

山口一郎(Vo, G)(撮影:石阪大輔[hatos])

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岩寺基晴(G)(撮影:石阪大輔[hatos])

岩寺基晴(G)(撮影:石阪大輔[hatos])

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草刈愛美(B)(撮影:石阪大輔[hatos])

草刈愛美(B)(撮影:石阪大輔[hatos])

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岡崎英美(Key)(撮影:石阪大輔[hatos])

岡崎英美(Key)(撮影:石阪大輔[hatos])

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江島啓一(Dr)(撮影:石阪大輔[hatos])

江島啓一(Dr)(撮影:石阪大輔[hatos])

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ツアーごとにさまざまな試みを取り入れているサカナクションだが、今回は幕張公演および大阪城ホール公演でドルビーの6.1chサラウンドシステムを導入し、さらに幕張公演では計228本のスピーカーを使用。臨場感のあるサウンドで最新作「sakanaction」や過去の楽曲を再現してみせた。

5月19日公演のオープニングは山口一郎(Vo, G)の自宅で制作が行われた「sakanaction」を紹介するように、室内の様子や機材の映像が上映される。スピーカーから流れるサウンドは足音などから次第に水の中に潜っていく音へと変わり、「INORI」のイントロへとつながっていく。それに伴い自然と拍手が起こり、ステージにはラップトップコンピュータを前にした5人の影が。山口が手をあげるとオーディエンスの歓声が響き、場内は一瞬でダンスフロアへと変わる。間髪入れずに始まった2曲目の「ミュージック」では、一瞬ステージが暗くなった隙にメンバーがバンド編成にチェンジするという演出も。生音が加わることで音圧は大きくなり、強烈なビートにオーディエンスは心地良さそうに身を委ねた。

同会場での2公演目だったためか、メンバーは少しリラックスした様子で笑顔を浮かべる。山口は「最後まで楽しんでいってくれ!」と叫ぶと、岡崎英美(Key)のオリエンタルなフレーズが光る「M」から勢いを加速させた。レーザー光線が会場を貫いた「ルーキー」では、サラウンドシステムを使った立体感のある音が観客をよどめかせた。また重低音を効かせたトラックと山口の叙情的な歌声が絶妙なコントラストを生む「multiple exposure」の演奏中は、ステージ後方のスクリーンに赤をベースにしたオイルアートが描かれ、観客をディープな世界に誘う。「mellow」でもオイルアートの映像が取り入れられ、ここではモノクロをベースにした絵が音にあわせてゆっくりと描かれていった。

続いてのブロックでは、「ボイル」「アルデバラン」「なんてったって春」という「sakanaction」からの楽曲が連続して披露された。「アルデバラン」では草刈愛美(B)の跳ねるようなベースにあわせて、スクリーンにはメンバーの姿をドット絵に変換した映像が観客を楽しませ、「なんてったって春」ではピンク色の照明が浮き立つような楽曲の歌詞を引き立てる。ひとしきり新曲を届けたあとはNINJAR LIGHTの自在な動きが目を引いた「ホーリーダンス」を皮切りに、ダンスタイムに突入。山口のつぶやくような歌声から始まった「僕と花」が終わると、なめらかに「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」へとシフトしていく。同曲の途中からはメンバー5人が再びラップトップを前にパフォーマンスを披露し、さらに無数のレーザーが飛び交い、会場内の熱気も上昇していく。一糸乱れぬハンドクラップが一体感を生んだ「ネイティブダンサー」は、雪を思わせる紙吹雪と細かなレーザーの光がノスタルジックな雰囲気を醸し出した。

「みんなまだまだいける?」と山口が問いかけると、観客は大きな歓声で応える。その声に満足げな笑顔を浮かべたメンバーはライブのクライマックスに向けて、全身全霊のプレイを展開する。草刈と岩寺基晴(G)がステージ前で熱演を繰り広げた「アドベンチャー」、荘厳なコーラスワークと青い照明が高揚感を煽った「Aoi」と続き、「みんなまだまだ踊れる?」の声から「夜の踊り子」へとなだれ込んだ。この曲では江島啓一の叩く軽やかなリズムと岡崎の弾くきらびやかなシンセとともに、ビデオクリップにも登場する着物姿の踊り子たちが舞台に。異色のコラボレーションに沸き立つ中、本編はフィナーレを迎えた。

アンコールの1曲目は「ストラクチャー」。山口は光によって色が変わる、ファッションブランドANREALAGEのパーカーを身にまとい、メンバーが奏でるアンサンブルと観客の「ラララ」の合唱に心地良さそうに身を任せる。MCを挟んでからの「ナイトフィッシングイズグッド」はさまざまな演出が続いた本編から一転して、暖色系のシンプルなライトを使い楽曲の奥深さをアピールしてみせた。

トークをほとんど挟まない本編とは異なり、アンコールになると山口は饒舌に。最後のMCでは「テレビに出演していた影響か、親子連れが今回のツアーから増えたんです。それですごい責任を感じて。生まれて初めてのライブでしょ?」と新たなファンを得た感慨を語り、「みんなが新しい体験ができるようチャレンジしていきたい。もっともっと聴いてくれる人を増やしたい。大きい会場で新しいことができる、そういうチームでありたい」と力強く語る。そして幕張2DAYSを締めくくったのは「朝の歌」。静けさが漂うフロアにシンバルの音が響き、ゆっくりと穏やかに曲が展開していく。朝焼けのようなライトがステージを照らす中、山口は「ありがとう、サカナクションでした」と挨拶をしてメンバーとともにステージを去っていった。

なおサカナクションは6月1日に「SAKANAQUARIUM 2013 sakanaction」の沖縄公演を沖縄音市場で開催。6月14、15日に台湾・THE WALL台北でワンマンライブを行う。

サカナクション「SAKANAQUARIUM 2013 sakanaction」
2013年5月19日(日)@千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール

01. INORI
02. ミュージック
03. M
04. アイデンティティ
05. ルーキー
06. multiple exposure
07. mellow
08. ボイル
09. アルデバラン
10. なんてったって春
11. ホーリーダンス
12. 僕と花 - SAKANAQUARIUM 2013 VERSION –
13. 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』 - SAKANAQUARIUM 2013 VERSION –
14. ネイティブダンサー- SAKANAQUARIUM 2013 VERSION –
15. アルクアラウンド
16. アドベンチャー
17. Aoi
18. 夜の踊り子
<アンコール>
19. ストラクチャー
20. ナイトフィッシングイズグッド
21. 朝の歌

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読者の反応

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kei @sakana_keiko

これまでのライブのいいとこ取りなセトリだとしたら、ストラクチャーのラララを体験してみたい!

”山口は光によって色が変わるファッションブランドANREALAGEのパーカーを身にまといメンバーが奏でるアンサンブルと観客の「ラララ」の合唱に心地良さそうに身を任せる。”
https://t.co/aV27SAsPBh

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