「老衰するまでできたら幸せ」GAKU-MC、ソロ25周年ツアー千秋楽で盟友Mummy-Dと誓い合う

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GAKU-MCのソロデビュー25周年を記念したツアー「GAKU-MC LIVE TOUR 2024『Master of Ceremonies』」が、11月30日に東京・浅草花劇場でファイナルを迎えた。

GAKU-MC(撮影:樋口涼)

GAKU-MC(撮影:樋口涼)

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サッカーで鍛えた俊足でステージへ

1992年にEAST ENDを結成し、1999年2月に1stシングル「僕は僕でだれかじゃない」でソロデビューしたGAKU-MC。11月3日にスタートしたツアーは最新アルバム「Master of Ceremonies」を携えて全国6都市で展開され、各地でGAKU-MCの節目を祝福する温かくピースフルな時間が紡がれた。

客席から登場したGAKU-MC。(撮影:樋口涼)

客席から登場したGAKU-MC。(撮影:樋口涼)[拡大]

ツアーファイナルでは開演を知らせるベルがけたたましく鳴り響いたのを合図に、サポートバンドのリズムソムリエズがステージにスタンバイ。そして主役のGAKU-MCの登場をアミーゴ(GAKU-MCファンの呼称)が待ち構えていると、やにわに客席後方にスポットライトが。一斉に視線が注がれた先には「Master of Ceremonies」のジャケット写真と同じ、シックなスーツを身にまとい、革靴を履きこなしたGAKU-MCの姿があった。

アミーゴたちとハイタッチを交わしつつ、サッカーで培った俊足でステージに軽やかに上がった彼は挨拶代わりに「flash back」を披露。リズムソムリエズが奏でるグルーヴィなアンサンブルに乗せて、自身の体験や思いをラップで軽やかに表現してツアーファイナルの幕を開けた。

アミーゴ参加の一体感あふれる空間

GAKU-MC(撮影:樋口涼)

GAKU-MC(撮影:樋口涼)[拡大]

「いい景色……一切の出し惜しみをしないで本日はいきたいと思います」と宣言したGAKU-MCは、自身のキャリアの礎となってきた楽曲を、ミュージックビデオやリリックビデオの映像演出を交えて次々とパフォーマンス。藤井隆に提供した「ナンダカンダ」、EAST END×YURI「DA.YO.NE」へのオマージュを盛り込んだ「もしもラッパーじゃなかったなら」では、アミーゴたちとの盛大なコール&レスポンスが繰り広げられ、温かな一体感が劇場を包む。

GAKU-MC(撮影:樋口涼)

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ライブ中盤のハイライトとなったのは、GAKU-MCいわく「25周年がギュッとまとまったコーナー」の「10songsメドレー」。これまでにリリースされたオリジナルアルバム10枚の中から1曲ずつをつなぎ合わせ、25年間の軌跡を約7分で表現するこの試みには、アミーゴたちもコーラス隊として参加し、GAKU-MCやリズムソムリエズとのセッションを楽しんだ。

盟友Mummy-Dと一緒に

Mummy-D(撮影:樋口涼)

Mummy-D(撮影:樋口涼)[拡大]

骨折体験をもとに書かれた「骨 ~ピンチこそがチャンス~」、震災を風化させないメッセージ込めた「僕は忘れない」と「Master of Ceremonies」からの楽曲が続き、劇場内が“2024年のGAKU-MC”のムードになったところでMummy-DRHYMESTER)が登場。GAKU-MCとMummy-Dは挨拶もそこそこに、ヒップホップへの情熱とお互いの関係性を落とし込んだ「フライヤー feat. RHYMESTER」を軽快に披露する。2人の息の合った掛け合いに客席も大盛り上がり。アミーゴたちは腕を高く突き上げ、約10年ぶりとなるGAKU-MCとMummy-Dのステージ上でのコラボを後押しした。

和やかにトークするGAKU-MCとMummy-D。(撮影:樋口涼)

和やかにトークするGAKU-MCとMummy-D。(撮影:樋口涼)[拡大]

切磋琢磨を重ね、紆余曲折を経ながらも音楽活動を続けてきた2人は、トークでも絶妙な掛け合いを見せ、互いに老衰を迎えるまでラップを続けることを宣言する。そんな一幕を経て、GAKU-MCはソロデビュー1年目の“新人Mummy-D”に「マイク持つ者よ」のコラボを持ちかける。「マイク持つ者よ」はMummy-Dが今年2月にリリースしたソロ曲で、彼のラップスキルが遺憾なく発揮されたナンバー。50代中盤に差し掛かってもなお、ラッパーとして躍進を続けることを公約する1曲を、Mummy-DとGAKU-MCは貫禄たっぷりに届けた。

老衰するまでできたら

旅好きのGAKU-MCらしいグローバルな視野がリリックとサウンドに落とし込まれたミディアムチューン「Under the same sky」で本編は一区切り。ひと息ついてからアンコールが始まるかと思いきや、GAKU-MCは早々にステージに帰還。そのあまりの早さにアミーゴたちが笑っていると、「アンコールが始まるまでに人がいなくなっていたらと思うと怖くてすぐに戻ってきてしまう」と25年間抱えている悩みを吐露し、さらに大きな笑いの渦を巻き起こした。

トランペット奏者としての顔を見せるGAKU-MC。(撮影:樋口涼)

トランペット奏者としての顔を見せるGAKU-MC。(撮影:樋口涼)[拡大]

「NO CHALLENGE NO CHANGE(挑戦なければ変革なし)」という自身の近年のテーマを体現するため、GAKU-MCはアンコールでウカスカジーの「My Home」を“トランペットバージョン”で演奏。まだおぼつかないところはあるものの、トランペット奏者としての確かな自信がにじむ高らかな音色にアミーゴたちは割れんばかりの拍手を送った。

GAKU-MCとMummy-D。(撮影:樋口涼)

GAKU-MCとMummy-D。(撮影:樋口涼)[拡大]

GAKU-MC(撮影:樋口涼)

GAKU-MC(撮影:樋口涼)[拡大]

「昨日のNo,明日のYes」で再びMummy-Dと共演したのち、GAKU-MCはライブ当日に妻と交わした会話を紹介。「あなたのファンがうらやましい……私は大好きな人のライブにもう行くことはできないから。私の好きな安室奈美恵さんは引退してしまったから。だからあなたは一生懸命歌ってきなさい」という言葉で送り出されたエピソードを披露し、「老衰するまでできたら幸せです。皆さんにずっと追っかけてもらえる場所が作れるよう、健康に気を付けて続けていきたい」と決意を新たにした。そして「僕はラップが好きというより、ライブが好きなんだと気付いた、そんなコロナ禍でした」と数年前に世界を襲ったパンデミックの日々を述懐し、「Master of Ceremonies」の最後に収録されている「晴れたらみんなで」へ。クライマックスでは「晴れたらみんなで LIVE―!」というフレーズが、天井を突き抜けるように響いた。

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セットリスト

GAKU-MC「Master of Ceremonies 2024」2024年11月30日 浅草花劇場

01. flash back
02. グッジョブ
03. もしもラッパーじゃなかったなら
04. トラベラーズソング
05. LIFE IS A JOURNEY
06. 10songsメドレー
07. 骨 ~ピンチこそがチャンス~
08. それでも日々は続く~YoYo the “Pianoman” ver.~
09. 僕は忘れない
10. ついてない1日の終わりに
11. フライヤー feat. RHYMESTER
12. マイク持つ者よ
13. ハタラコウ
14. Under the same sky
<アンコール>
15. My Home ~トランペット ver.~
16. 勝利の笑みを 君と
17. 昨日のNo,明日のYes
18. 晴れたらみんなで

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GAKU-MC (ガクエムシー)🎤 @gaku_mc

ナタリーさん。いつも素敵なレポートありがとうございます。良い夜でしたね🎤 https://t.co/6GcJWLZoXg

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