DXTEEN「Level Up」特集|「絶対に僕たちのことを好きにさせる」6人が超えたい壁と超えた壁

DXTEENが4thシングル「Level Up」をリリースした。

JO1、INIに続くLAPONEエンタテインメント所属グループとして、2023年5月にデビューしたDXTEEN。2021年に行われたサバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」に参加し、その後同事務所の練習生・LAPONE BOYSとして活動していた大久保波留、寺尾香信、平本健、福田歩汰と、のちにLAPONE BOYSに合流した、リーダー・谷口太一と最年少の田中笑太郎の6名からなるグループだ。音楽ナタリーでは、デビューからおよそ1年半が経過した彼らにインタビュー。ニューシングルのタイトルにちなみ、彼らがデビュー時から「Level Up」するべく乗り越えてきた壁、そして、今後さらなる「Level Up」をするために乗り越えなければならない壁について聞いた。

取材・文 / 岸野恵加撮影 / 映美

「絶対に僕たちのことを好きにさせる」

──デビューから約1年半が経ちました。これまで楽曲のリリース、イベント出演、そしてワンマンライブの開催などさまざまな活動を展開してきましたが、DXTEENが乗り越えてきた“壁”を挙げるとすると、何が思い浮かびますか?

谷口太一 やはりアウェイの環境でのライブですかね。僕たちは今年やっとワンマンライブができるようになりましたが、それまでは僕たちのことを知らない方ばかりのイベントでパフォーマンスをすることが多かったんです。少しでもDXTEENを知ってもらえるように、どうやって客席を盛り上げるか、どうMCを工夫するかをメンバー内で話しつつ、1年半がんばってきました。

大久保波留 最初の頃は「けっこうアウェイだ、どうしよう?」「盛り上がってくれるかな」と心配で、煽ってもあまりお客さんをノらせることができず、気持ち的に落ちることもありました。でもそういう時期を乗り越えて、今は逆に熱くなれるようになってきた。「絶対に僕たちのことを好きにさせるぞ」というメンタルで臨めています。

寺尾香信 個人的には、練習時間が限られるようになったことが“壁”かな。デビュー前は練習する時間がたくさんあったけど、作品のリリースに合わせて活動していく中では、自分の実力を高める時間がなかなか取れなくなるんですよね。基礎からやり直したくても作品が変わるごとにリセットされてしまい、アルバム(2024年7月リリースの「Quest」)の前くらいから停滞しているような感覚がありました。思っていたより成長できてないなって。

寺尾香信

寺尾香信

──その感覚は、今は乗り越えられたんでしょうか?

寺尾 乗り越えようと、自分なりにできることをやっている最中ですね。活動を重ねてきたからこそ、視野が広がって、気になることが増えたのかもしれないです。

福田歩汰 僕はライブを重ねるにつれて、歌うことがだんだん体に馴染んできたけど、もっとアレンジを入れてライブ感を出したいなと思っていて。ずっと同じことをやっていても新しい自分は見せられないので、DXTEENの曲を改めて研究して、どこでアレンジを入れられるかをよく考えています。まだ模索中ではあるけど、メンバーから「めっちゃいいじゃん!」と褒めてもらえることも増えてきました。

福田歩汰

福田歩汰

田中笑太郎 僕の“壁”は、ボーカルの音域です。特に高音パートが苦手で。ボイストレーニングの先生と一緒に模索してきたことで、最近は少し安定したし、以前より音域が上がったと思います。

平本健 僕はずっと、DXTEENというチームの中でどうキャラクターを立てるか……という壁に直面してきました。自分がどういう立ち回りをすべきか、はっきりしない時期が続いて。YouTubeのコンテンツ撮影や外部イベントのMCなどでも、「こうしたい」という理想はあるのに、うまくできずもどかしかったです。でも活動を重ねていく中で、どんどん「これが平本健だ」というものが確立されてきたと思います。まだ変わっていく可能性もありますが、どんどん突き詰めてパフォーマンスにも反映していきたいですね。

「知ってもらう期間」を経て

──シングル「Level Up」は、DXTEENの第2章の幕開けと位置付けられています。振り返ってみて、デビューからの第1章はどんな期間でしたか?

寺尾 DXTEENの色を、皆さんに知ってもらう期間……かな。

平本 “青春心”を忘れないフレッシュなグループというDXTEENのカラーを深めつつ、また新しい自分たちを見せていくのが第1章だったと思います。これからの第2章では、今までとはまた違う魅力を出して進んでいきたいですね。

平本健

平本健

谷口 アルバム「Quest」もそうでしたが、作品ごとに新たな挑戦をしている部分があるんですよね。今回の「Level Up」のタイトル曲は僕たちが持つ元からのよさを生かした曲だと思いますが、カップリングの「Hold You Tight」と「Handle」は今までになかった曲調だし、歌い方でも新たなスタイルに挑戦しています。

大久保 やっぱりワンマンライブツアーで得たものが多かったよね。まさに「Level Up」という感じで、自分たち的にもステップアップしたタイミングだったなと。収録されている3曲では、DXTEENらしさを残しつつ、さらに進化した僕たちを見せられると思います。なんていうのかな……ポケモンの進化系みたいな感じです!

大久保波留

大久保波留

福田 あー確かに。わかる!

大久保 まったく別のものになるというよりは、タイプは一緒だけど、どんどん強くなっていくイメージですね。

よく食べてよく寝て男まっしぐら

──ここからはメンバー1人ずつ、ほかの5人から見て「デビューの頃から比べてここが“Level Up”した」と思うことを教えてください。ではまずは、田中さんについて。

大久保 たろう(田中)はもともとダンスが上手だったけど、自分らしさをより出せるようになってきたと思う。今まではたろうらしさを生かすというより、周りのメンバーに合わせている部分も多かったと思うんです。でも最近は合わせつつ、たろうのよさをしっかり見せられているし、ダンス自体もレベルアップしていると思います。

平本 笑太郎は身長が高くて手足が長いので、その武器を最大限に活かした踊り方もそうだし、特徴的な声も、DXTEENのさらにいいスパイスになっていると思う。

──DXTEENのパフォーマンスは、シンクロ率の高さも大きな魅力ですよね。田中さん自身、合わせるために少し個を抑えているような意識もあったんでしょうか。

田中 そうですね。自分のダンスを見せるというよりは、周りに合わせることを優先してきたと思います。今は個性もいい感じに出せていたらいいな。

田中笑太郎

田中笑太郎

谷口 あと、最近メンバー同士でよく「男らしくなりたい」って言うんですけど、笑太郎はそれが一番私生活に出てる。今まで着なかったようなジャケットを着てみたり、大人の男性っぽい服をよく選んでるよね。

大久保 メンバーの中で、一番男!

福田 (指で目尻を吊り上げるように)こんな角度のサングラスを掛けたり……(笑)。

谷口 それがけっこう似合ってるんだよね(笑)。男まっしぐらだなと思います。

田中 見た目から入るタイプ(笑)。

福田 あと、前からよく食べるけど、最近はさらにいっぱい食べる! そしてよく寝てる。

平本 成長期かな? まだまだ背が伸びそう。

──次は、リーダー・谷口さんの“Level Up”ポイントについて教えてください。

田中 太一くんは、最近まで「R4 STREET DANCE」というダンスバトル番組に出てクルーを率いていたんです。D.LEAGUEのダンサーさんと一緒に練習して、吸収するものが多かったんだろうなって。前からすごくダンスが上手だったけど、緩急や抜きの部分がめちゃくちゃうまくなったと思います。みんなで収録を観に行かせてもらったんですけど、すごく刺激をもらって、僕も火が付きました。

谷口 うれしい! みんなが端っこで盛り上がってくれていて心強かったな。プロのダンサーの方々とテレビを通して何かを作り上げるなんて初めてで、最初は正直めちゃくちゃビビってました。ついていけるのか不安だったけど、がんばるしかないという気持ちで撮影に臨んで。3カ月くらいの収録期間、ひたすらにダンスと素直に向き合うことで、自分でもいろいろ変われた実感があります。

谷口太一

谷口太一

寺尾 あと太一くんは、ラップに関しての理解度が深まってるなって。今年に入ってからメンバー間で「この曲よかったよ」と薦め合うことがすごく増えたんですけど、太一くんは特に、普段からいろんなラッパーの曲を聴いてるんだろうなと感じる。そのあたりもパフォーマンスに生きている気がします。

谷口 いろんなジャンルの音楽に触れないといけないなと思って、意識的にいろいろ聴くようにはしていますね。

──ワンマンライブ「START OF THE QUEST」では、谷口さんと平本さんがラップユニットで自作ラップを披露していましたよね。リリックを書いてみていかがでしたか?

谷口 楽しかったです! 健と2人でトラックの部分からこだわって、リリックも各自で書いて。ずっとやってみたかったのでうれしかったし、「もっとこうしたい」「もっとこうできる」という感覚も湧いてきました。今後DXTEENの曲でもリリックを書いてみたいですね。

田中 あとは……太一くん、普段は全然料理しないのに、最近ウインナー丼を作ってくれたんですよ!

谷口 ああ! いつも笑太郎がメンバーのごはんを作ってくれるんですけど、その日、僕の分だけ作ってくれるって言うから、「いや、自分でやるでー」って、作ってみました。「料理してるな……」って感じましたね。

田中 危ないから、僕がずっとまな板を押さえてたけどね(笑)。

大久保 ひと口もらったけど、めっちゃおいしかった! 焼肉のたれとニンニクを入れただけの、めちゃくちゃ簡単なやつだけど(笑)。それも成長だね。