東京・下北沢を拠点に活動するちゃくら初のCD作品「こんなとき聞きたくなるのはきみのこえだ」が、11月28日に東京・渋谷CLUB QUATTROで行われるワンマンライブの会場限定でリリースされる。
ちゃくらは2022年6月に結成された、サクラ(Vo, G)、ワキタルル(B, Cho)、まお(G)、葉弥(Dr, Key)からなるガールズロックバンド。2022年12月に1stシングル「海月(Demo ver.)」を配信リリースし、ワキタの実体験に基づく歌詞やストレートなロックサウンドで人気を集めている。
音楽ナタリーでは、11月27日に先行配信される「こんなとき聞きたくなるのはきみのこえだ」の制作秘話をはじめ、メンバーの出会いのきっかけや結成秘話、それぞれの音楽的ルーツについて聞いた。なお、ちゃくらがメンバー全員でインタビューに応えるのはこれが初。4人が仲睦まじく語り合う中で、お互いに知らないエピソードも飛び出した。
取材・文 / 西廣智一撮影 / 梁瀬玉実
この4人しか考えられない
──ちゃくらは2022月6月17日に結成されました。発起人はワキタさんだそうですね。
ワキタルル(B, Cho) そうです。4人とも音楽コースがある八王子の専門学校に通っていたんですけど、そこでボーカルコースのサクラと出会って「一緒にバンドをやりたいな」と思って。そこから1人ずつ声をかけたのがきっかけで、この4人が集まりました。
──それぞれバンドをやりたいという気持ちはあったんですか?
サクラ(Vo, G) 音楽がやりたくて学校に入ったのはみんな一緒だったと思うんですけど、それぞれちょっとずつ違うかも。
ワキタ 例えば、葉弥だったらクラシックとかオーケストラが好きだったり、それぞれ違ったジャンルでやりたいことがあって。バンドが好きだったのは私とまおかな。
まお(G) 私もバンドはやりたかったけど、そんな簡単にできるもんじゃないと思っていたから、「音楽関係の仕事ができたらいいな」くらいの感覚で入学したんです。
──皆さん、ワキタさんから誘われたときはどう思いました?
葉弥(Dr, Key) 最初、私は断ってたんです。もともと自分がやりたかったのは作曲とか編曲とか音楽プロデュースという裏方で、自分は表に立つ人間ではないと思っていたので。でも、学校のイベントでの発表のために一緒にやってみようということになって、この4人で演奏してみたら、それがすごく楽しくて「あ、バンドもアリだな」と思ったんです。ただ、卒業後は就職を考えていたから、ここまで本気で続けるとは思っていませんでした。それでも4人で活動を続けていくうちに「ここまできたら本気で続けよう」と覚悟が決まって、今に至ります。
サクラ 「声が好き」と言われて誘われたから、めっちゃうれしかったです。でも、私も葉弥と一緒で就職することを考えていたから、最初からバンドに本腰を入れていたわけではなくて。やっていくうちに「これを本気で続けたいな」と思うようになったんです。みんなさ、バンドを結成してから友達になったから、最初は他人行儀だったよね?
まお 確かに。
ワキタ ほかの3人はほぼ交流がなかったので。
サクラ 「あ、葉弥ちゃんっていうんだね。よろしくね」みたいな感じで。
葉弥 だって、サクラとはそれまで話したことなかったし。
まお 同じ学校でもコースが違うと、交流がほとんどなかったから。
ワキタ なので、最初から頻繁にスタジオに入ったりして、4人で一緒にいる時間をたくさん作ったんです。そうしたら、どんどん「こういう性格なんだ、こういうことを考えてるんだ」とお互いのことがわかってきて、気付いたら仲よくなっていました。
サクラ 気も合ったしね。
ワキタ 似てるところとか通じるものがあったんだと思います。各クラスに女の子は少なからずいたんですけど、その中でも自分とマインドが合う人を選んで、結果的にほかのメンバー同士も合ったという。この人たち以外は考えられなかったですね。
葉弥 うん、この4人しか考えられない。
4人のキャッチコピー、バンド名の由来は
──それぞれ、お互いをどういう人だと思っていますか?
サクラ こっ恥ずかしいですなあ(笑)。
ワキタ それこそ、プロフィールにある「虚⾔癖のサクラ」「陽気なメンヘラのワキタ」「不憫だけど良い奴まお」「箱⼊り娘の葉弥」のまんまです。ずっとこの内容だけど、ブレてないよね。
まお なんで作ったんだっけ?
葉弥 lit.linkに載せるためにそれぞれのキャッチコピーを考えたんだよね。
ワキタ そうだった。1つひとつ説明していくと、「虚⾔癖のサクラ」っていうのは、サクラがとにかくおしゃべりというところからきていて。
サクラ 私があることないこと言ってたので、“虚⾔癖”と付けられてしまいました(笑)。
葉弥 配信で「明日、武道館に立ちます!」とか言っちゃうしね(笑)。
ワキタ プロフィールを更新するとしたら、「虚言癖と知識豊富のサクラ」かな。サクラは雑学王だから。
サクラ あんまりうれしくない(笑)。ルルは自己肯定感がすごく低いけど、めっちゃおしゃべりで明るいところもあるから「陽気なメンヘラのワキタ」。
葉弥 めちゃめちゃ素直なんだよね。
サクラ そう、今まで知り合った人間の中で誰よりも素直。
ワキタ ……です(笑)。で、「不憫だけど良い奴まお」は……このまんまなんです! めちゃくちゃ周りの空気を読む優しい子なんですけど、いつもかわいそうな目に遭う役回りで。
まお 自転車を盗まれちゃったり、財布をなくしたり。何かに取り憑かれてるんですよ(笑)。
ワキタ 「箱⼊り娘の葉弥」っていうのは、お上品なタイプだから。
まお 生活も見た目もね。オーケストラやフィギュアスケートを見るのが趣味とか。
サクラ 貴婦人だね。
ワキタ バンドをやってる人にあんまりいないタイプなので、箱入り娘というキャッチコピーを付けました。
まお 結成したての19歳の頃から変わらないね(笑)。
──ここまでの短い時間だけでも皆さんの仲のよさが伝わりましたし、なんなら2年よりもっと長く一緒にいる空気感ですよね。
サクラ 確かにまだ2年なんだって感じがする。
葉弥 ずっと一緒にいたからね。
ワキタ もはや家族よりいる時間が長いし。
──バンド名の「ちゃくら」の由来についても聞かせてください。
ワキタ 英語のバンド名は私たちっぽくないかも、というのは4人とも感じていて。で、あるときに私がバンドでやりたいオリジナル曲のファイルに「ちゃくら」という名前を付けて送ったことがあったんです。私、サクラのことをあだ名で「ちゃくら」と呼んでいたので、それでファイル名にも使っていたんですけど、いつの間にかバンド名になっていて。
まお 「まあいっか、かわいいし」ってことで、気付いたら定着していました。
ワキタ ただ、最初はサクラが嫌がっていたんですよ。
サクラ だって、自分とバンド名のどっちを呼んでいるのかわからないじゃないですか(笑)。
──自分のあだ名をバンド名に使われるのって、どんな気分なんですか?
サクラ いや……まあ悪くはないです(笑)。
一同 (笑)。
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