リアクション ザ ブッタによるFODドラマ「Love in The Air-恋の予感-」の主題歌「Inside you」が配信リリースされた。
「Love in The Air-恋の予感-」は世界中で大ヒットしたタイのBLドラマ「Love in The Air」の日本リメイク版。早瀬嵐士と雨宮玲をメインとした初回~第4話の前半パート、河合風磨と空野快がメインの第5話~第8話の後半パートで2組の激しくも優しい愛が描かれる。
リアクション ザ ブッタがドラマの主題歌を書き下ろすのはこれが初。さらにこのドラマでは2023年発表の楽曲「lowkey」が挿入歌として使用されている。音楽ナタリーでは「Inside you」のリリースと、「Love in The Air-恋の予感-」の配信を記念した前後編のインタビューを掲載。前編ではリアクション ザ ブッタが嵐士役の南雲奨馬、玲役の濱屋拓斗(禁断の方程式)と、後編では風磨役の鈴木曉(WATWING)、快役の長妻怜央(7ORDER)とともにドラマの見どころや役への印象、主題歌「Inside you」と挿入歌「lowkey」の魅力についてたっぷり語り合った。
取材・文 / 蜂須賀ちなみ撮影 / 星野耕作
「Love in The Air-恋の予感-」
世界中で大ヒットしたタイのBLドラマ「Love in The Air」の日本リメイク版。早瀬嵐士と雨宮玲をメインとした前半パート、河合風磨と空野快がメインの後半パートで2組の激しくも優しい愛が描かれる。FODでは11月3日に配信がスタートした。
南雲と濱屋は「仲良し」、リアクション ザ ブッタは“いい距離感”
──「Love in The Air-恋の予感-」の撮影はもう終わっているんですよね?
南雲奨馬 はい。短い期間で詰めて撮影したので、すごくあっという間で、中身が濃くて。 大変だったけど楽しかったです。
濱屋拓斗 タイトな期間での撮影だったんですけど、みんなといる時間がたくさんあって、濃い時間を過ごせたなと思ってます。有意義な時間でした。
南雲 同じこと言ってない? すぐ僕のマネをするんですよ(笑)。
濱屋 そんなことないよ!(笑)
──すっかり仲良しですね。
濱屋 1カ月半くらいずっと一緒にいたので。最初はお互いに緊張してたんですよ。
佐々木直人(B, Vo / リアクション ザ ブッタ) 仲よくなるために、おそろいのファイルをプレゼントしてね。
濱屋 知ってくれてるんですね! ありがとうございます!
佐々木 役とは逆で、濱屋さんのほうが先輩なんですよね?
濱屋 そうですね。一応、歳だけは上というか(笑)。
南雲 プレゼントをもらったときに、さすが先輩だなと思いましたよ。
濱屋 いやいや、やめてください(笑)。リアクション ザ ブッタの皆さんは、3人でおそろいのものってありますか?
佐々木 いやー、ないですね。できるだけ離れていたいので……。
大野宏二朗(Dr / リアクション ザ ブッタ) どうかご勘弁を(笑)。
濱屋 (笑)。基本3人で一緒にいますもんね。
佐々木 そうですね。多いときは1週間のうち5、6日は一緒にいるかな?
木田健太郎(G, Cho / リアクション ザ ブッタ) 17年バンドやってるんですよ。
南雲・濱屋 17年!?
木田 俺と佐々木は小中の同級生で、高校生の頃にバンドを組みました。宏二朗はあとから加入したけど、それでも8年一緒にやってて。だから今は……なんて言ったらいいんでしょう。冷え切っているわけではないんですけど。
濱屋 いい距離感ってことですよね。
南雲 うらやましいです。昔からの友達と一緒に今も仕事しているなんて。カッコいい。
佐々木 いやいや。おそろいのファイルの話を聞いて、俳優さんはこういうふうに関係性を作っていくんだ、素敵だなと思いましたよ。
南雲 ありがとうございます。
落ちちゃったかも?
──「Love in The Air-恋の予感-」は、世界的にヒットしたタイのBLドラマ「Love in The Air」の日本版リメイク作品です。南雲さんはもともとタイのBL作品に馴染みがあったそうですね。
南雲 僕はまだお芝居を始めたばかりなんですが、BL作品に何本か出させてもらっていることもあり、タイや日本のBLをよく観ていて。今回いろいろなご縁が重なって「Love in The Air-恋の予感-」のオーディションに参加させてもらったんですけど、「この4人(南雲奨馬、濱屋拓斗、鈴木曉、長妻怜央)の中なら僕は絶対に嵐士役だろう」という強い思いで臨みました。
──「バイクに乗る」「タイ語がしゃべれる」「建築の仕事をしている」と、南雲さんと早瀬嵐士の共通点は多いですからね。
佐々木 建築の仕事って?
南雲 中学校を卒業してから、高校に行かずに職人になったんです。芸能の活動を始めたのはスカウトしていただいたのがきっかけなんですけど、建築の仕事は今もずっと続けていて。
大野・木田 へえ、すごい!
佐々木 外の仕事が多いだろうに、よくそんなにお肌をきれいに保てますね。
南雲 日焼けすると怒られます(笑)。だからドラマの撮影期間中は特に気を遣って、長袖を着たり、帽子を被ったり、日焼け止めを塗ったり……。
佐々木 大変そう。
──濱屋さんは「Love in The Air」やご自身の演じた雨宮玲に対して、どんな印象を持ちましたか?
濱屋 僕はタイのBL文化をあまり知らなくて、この作品が入り口になったんですけど、日本に比べるとNCシーン(No Childrenシーン)がけっこう過激で、「こんなにやるんだ!」とびっくりしました。でも恋愛だけじゃなくてバイクにカッコよく乗るシーンもあったり、いろいろな要素が詰め込まれている。BLの枠には収まらない作品ですよね。実は僕、快役だと思ってオーディションに向かったんですよ。蓋を開けてみたら玲役だったから、ちょっとびっくりしたんですけど、改めてタイのオリジナルの役(Rain)を見たら、性格が自分と似ていることに気付いて親近感が湧きました。なので、役を演じるというよりも、自分の素を出しながらできた気がします。演じるうえで気を付けたのは「女の子っぽくならないように」ということですかね。視聴者の皆さんに「嵐士は玲が女の子みたいだから好きになったんだ」と思わせたくなかったので。撮影中は監督から「今のはtoo muchかも」と指摘されることもありながら、かわいさを出しつつ、でもあざとすぎず、ちょうどいい塩梅をずっと探し続けていました。
──お二人がTikTokに載せていた動画も素晴らしかったです。
南雲 届いていてうれしいです。タイの俳優さんのSNSを見ていると、ドラマの放送から2、3年経っているのに、今でも一緒にいるのがわかる投稿を上げていたりするんですよ。それがいち視聴者として刺さったというか。2人はずっと一緒でいまだに仲がいいんだという姿を、SNSを通して見られるのっていいなと思ったんですよね。だったら僕たちも撮影以外でも交流を深めて、作品を盛り上げていこうと。タイのRainさん役の方が実は超男っぽいみたいな、キャストと役のギャップを見つけてもらっても僕らはうれしいですし。それで、拓斗とちょくちょく夜に会って動画を撮ったり遊んだりしています。
濱屋 あの動画を撮っているときは、本当にそのまんまというか。あんまり役を入れずに楽しくやっていたかも。
南雲 見ててもそう思う。たぶん、僕のことが好きなんじゃない?
佐々木 本気で落としてやろうと決めて、ドラマの撮影に入ったんですよね?
南雲 そうなんです。だから、落ちちゃったんだと思います。
濱屋 あはははは! そうかもしれないですね。
去年の曲なのにこんなにハマるなんて
南雲 さっき拓斗が言っていた「BLの枠に収まらない」というのは僕も思ったことで。アクションシーンもたくさんあって、見どころの1つだと思います。4人の中でアクションやバイクのシーンの撮影が一番多かったのは僕なんですけど、先生にイチから教えてもらうところから始まりました。
木田 いいですね。アクションシーンって、男子はみんな一度は憧れるものだと思う。
南雲 そうですよね。いざやってみると、すごく難しいんですよ。最初は全然違うところを殴っちゃったりするし。撮影のタイミングになったら、カメラの位置を確認したり、体を動かすだけじゃなくやることがたくさんあって。型に近い感じなのですごく苦戦したんですけど、監督さんたちと話し合いながらうまくできたかなと思ってます。完成した映像をまだ観てないから、どんなシーンになってるか楽しみ。
濱屋 僕も一応稽古をつけていただいたんですけど、あれはアクションシーンと言うのかな?
南雲 僕がフックやキックの練習をしているときに、拓斗はずっと殴られる練習をしていました。
大野 ああ、なるほど!
濱屋 僕も完成版の映像を観るのが楽しみ。迫真の殴られ方をしているので(笑)、ぜひ皆さんも楽しみにしていてください。
佐々木 僕らの「lowkey」という曲を挿入歌で使っていただいているんですけど、ティザーを観たらバイクのシーンで使ってもらっていて。音楽と映像が合わさっているのを観て「めっちゃ合ってるわ!」と思いました。ちょっとダークな場面との相性がいいのかなと思ったので、ほかにどんなシーンで流れるのか楽しみです。
──「lowkey」はリアクション ザ ブッタが2023年11月にリリースしたアルバム「酸いも甘いも、好きも嫌いも」に収録されていた曲です(参照:リアクション ザ ブッタ「酸いも甘いも、好きも嫌いも」特集|コロナ禍を経て新境地に到達)。どのような経緯で挿入歌に決まったんですか?
佐々木 監督さんが「lowkey」を気に入ってくださったみたいです。この曲は4時間くらいで完パケしたんですよ。プロデューサーの宮田‘レフティ’リョウさんのスタジオに行って、「こんな感じにしてみようか」と話しながらゼロからサウンドを考えて。
大野 「バカ騒ぎ」みたいなテーマだったよね?
佐々木 そうそう。「頭の悪そうな、とにかくはしゃげる曲にしたいな」という話をしながら作っていきました。
大野 レコーディングをしたときも楽しかったですね。去年の曲なのでライブではもちろんやってますけど、テンポが速いし、演奏しててもテンションが上がります。
南雲 撮影終わりに予告動画を観て、「lowkey」がバーンと流れてきたときに熱い気持ちになりました。前からあった曲という話でしたけど、それなのにこんなにハマることってあるんですね。
濱屋 僕も、前からあった曲と聞いてびっくりして……。
南雲 マネすんなよ(笑)。
濱屋 本当にそう思ったんだよ(笑)。普段はバンドさんの曲をあんまり聴かないので、ドラムの音とかも新鮮で。僕は禁断の方程式というグループで活動しているんですけど、踊っていると「後ろのスネアの音を聴いて」とダンスの先生によく言われるので、リズムに耳がいきました。
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カラオケの十八番