プラモデルの楽しさを世界中に広めるために2022年に生まれたグループ・LINKL PLANET。彼女たちはパーツとパーツをつなぐプラモデルのように、プラモデルとファン、プラモデルと世界(=プラネット)をつなぐアイドルを目指して活動している。
今年7月から10月にかけてテレビ東京ほかでLINKL PLANETの新体制メンバーの座を賭けたオーディション番組「人生下剋上オーディション」が放送された。「人生下剋上オーディション」は現メンバーだった1期生と2期生の8人に、新たに候補生を加えてメンバーを再組み立てするというオーディション。その結果、1期生2人、2期生3人、3期生4人の新体制メンバー9人が決定した。
そしてLINKL PLANETはオーディション課題曲「Color me Happy」を表題としたニューシングルを11月20日にリリースした。音楽ナタリーでは本作の発売を記念して1期生の宮﨑菜々、2期生の天川れみ、3期生の東恩納瑠花にインタビュー。プラモデル作りや新体制の幕開けを飾るシングルについて話を聞いた。また特集の最後に、自作のプラモデルについても紹介してもらった。
取材・文 / ナカニシキュウ撮影 / 塚原孝顕
「肩幅ガンダム」しか知らなくて
──LINKL PLANETは音楽ナタリー初登場になりますので、皆さんがいかに特殊なグループであるかを紹介できたらと思っております。
宮﨑菜々 特殊なグループ(笑)。
天川れみ まあ、確かに特殊ではあるよね。
東恩納瑠花 (にこにこして聞いている)
──LINKL PLANETは歌って踊るアイドルグループであると同時に、BANDAI SPIRITSのプラモデル公式PRアンバサダーでもあるというところが最も特徴的なポイントかと思います。今日はちょうど1期生から3期生までお一人ずついらっしゃるので、順番にオーディションを受けようと思ったきっかけを振り返っていただけますか?
宮﨑 私は、お父さんがすっごいガンプラ好きで。弟もプラモデルが大好きなので、よくお父さんと2人で作っているのを見て育ったんですよ。私自身はどっちかというとフィギュアのほうが好きで、プラモデルを作ったことはなかったんですけど、最初に「PLAMO GIRLS PROJECT」のオーディションを見つけたときに「こういうのがあるんだけど、どう思う?」ってお父さんに聞いたら「プラモアンバサダー? 絶対になってほしい!」と言われて(笑)。
天川 お父さんの期待を背負ってるんだね。
宮﨑 そうなの! 私はもともとモデル活動をしていたんですけど、地元の広島でアイドルをしていた時期もあって、ちょうど「またアイドルやりたいなー」なんて思っていたときだったんです。歌や演技もできて、プラモを広める活動もあって、マルチに活躍できそうなところにすごく惹かれてオーディションを受けることにしました。それが3年前くらいですね。
天川 れみのお父さんもガンプラ好きなんですけど、れみ自身はプラモデルに触ったこともなかったので、リンプラの2期生オーディションのお話をいただいたときは悩みました。でも、アイドルを続けたい気持ちもあって……リンプラの前に地元の沖縄で期間限定のアイドルグループをやっていたんですけど、ちょうどその活動が終わるタイミングでもあったんです。
東恩納 実は私も、れみちゃんと同じグループにいたんです。その終了時期が受験と重なったので、私は一旦アイドル活動からは離れたんですけど。
天川 そうなんです。でも私はアイドルを続けたくて悩んでいたら、お父さんが「プラモのことなら教えられるし、やってみたら好きになれるんじゃない?」と言ってくれて。もともと絵を描くこととか、もの作りは好きだったので「じゃあオーディション受けてみよう」と思ったのがきっかけです。
東恩納 私も、一度は区切りを付けたんですけどやっぱりアイドルがしたくて。そんなときに「LINKL PLANET 人生下剋上オーディション」の話を聞いて、これはチャンスだと思って受けることにしました。リンプラのことはれみちゃんの影響でもともと知っていましたし、アイドル活動だけじゃなくて、世界的に人気のあるプラモデルというものに関われるところにすごく惹かれて。
──プラモデルにはもともと馴染みがあったんですか?
東恩納 いえ、もうホントに「肩幅ガンダム」というワードくらいしか知らなくて……。
宮﨑・天川 あはははは!
──それも別にプラモ用語ではないですけどね(笑)。
東恩納 それくらい、まったく馴染みがなくて。お父さんが昔好きだったらしいんですけど、そのことさえも私は知らなかったんですよ。オーディションに参加すると決めてから初めてプラモデルに触れるようになって、最近やっと「作るだけじゃなくて、塗装にも挑戦してみようかな」と思い始めたくらいの段階です。まだまだ全然初心者なので、今は必死にがんばっているところです。
プラモデルを客席に投げるんです
──3人とも共通して、グループに入ってからプラモを始めているんですね。プラモ作りは楽しいですか?
宮﨑・天川・東恩納 はい!
宮﨑 私は特にデコレーションするのが好きで。作って塗装するだけで終わるんじゃなくて、その先を考えるのがすっごく楽しい! シールとかのデコレーションするものを主に100均で集めてるんですけど、100均を見かけるたびに必ず立ち寄って探すようになりました。同じような装飾にならないように毎回工夫するのがめっちゃ大変だけど、それが楽しいですね。
天川 意外と簡単に作れるキットもあったりするので、思っていたほど敷居の高いものじゃないんだなっていうのは最初に感じました。始めたばかりの頃はちょっとした細工とかアレンジをするのも怖くて、「せっかく作ったプラモデルに手を加えるなんて!」と思ってたんですけど、今は汚したりボロボロに加工したりするのが大好きになって……(宮﨑に向かって)もう最近、ヤバいよね? れみ。
宮﨑 ねー!
天川 腕を取っちゃったり、溶かしたりしてますから(笑)。菜々ちゃんみたいにデコってかわいくするのとかもそうですけど、「自由に自分好みのプラモデルにしちゃっていいんだ」と気付いてからは、もうやりたい放題です。
宮﨑 ホントにやりたい放題(笑)。
天川 もちろん素組み(説明書通りに組み立てること)だけでも楽しいんですけど、それにプラスして自分の“好き”を見つけられるとより楽しくなります。私はもともとアニメが大好きなので、アニメのワンシーンをジオラマで再現したりするのも好きなんですよ。
宮﨑 想像力次第でどんなふうにも楽しめるのがプラモデルの魅力だと思います!
東恩納 私はまだまだ初心者ですし、「自分の楽しみ方はこれ」というものは見つけられていないんですけど、作るのは楽しいです! プラモデルを1体作り終わったら「もっと作りたい」という気持ちになるし、学校終わりに「今日はプラモ作ろう!」と思えるのもうれしくて。
宮﨑 瑠花ちゃんはまだ入って1カ月くらいですから(※取材は11月上旬に実施)。リンプラとしての活動も、雑誌の撮影とラジオがちょっとあったくらいだよね。
東恩納 そうです。
──じゃあ「リンプラでの活動はどうですか?」と聞いても、現時点ではあまり答えられることがない?
東恩納 はい(笑)。これから始まるんだなってワクワクしているところです。
──先輩のお二人はどうですか? 活動していて「これはリンプラならではだな」と感じるポイントはどういうところでしょうか。
宮﨑 「ならでは」でいうと、やっぱりプラモデル絡みの部分ですね。例えば私たち、ライブの最初にプラモデルを客席に投げるんですよ。そのパフォーマンスはどんなところへ行っても反響がいいです。
──バンドのライブでギタリストがピックを投げるような感じで、リンプラはプラモを投げるんですね。
宮﨑 そうです(笑)。それを受け取った人が客席から「もらったよー!」みたいな感じで見せてくれたりとか、その場で組み立てて「作ったよー!」って掲げてくださる方もいて。道具なしで簡単に組めるものを投げているので、そういうのを見ると「うわー!」ってテンションが上がります。
天川 あとはライブ中にメンバーがステージ上でプラモデルを作っちゃったりとか、お客さんに自作のプラモデルを持って来てもらってステージでプレゼンしてもらったりもするんですよ。「こだわりポイントはどこですか?」って聞いたり。
宮﨑 ほかではなかなか見られないライブだと思います!
天川 れみたちにしかないよね。リンプラのお客さんはもともとプラモデルが好きな方も多いんですけど、れみたちきっかけで好きになった方もいるので、そういう話を聞くとうれしくなっちゃいます。
宮﨑 そんなふうに、ファンの方と触れ合う機会が多いのがめっちゃ幸せだなって思います。
天川 そう! アイドルをやっていて一番楽しいのは、お客さんとのコミュニケーションですね。芸能界には女優さんとかモデルさん、タレントさんとかいろんなお仕事がある中で、アイドルって一番近い距離でファンの方と関われるお仕事なのかなって。
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