今年の夏は「夏の大三角形」を引っさげて全国各地のフェスやイベントに出演し、大勢のオーディエンスの前でパフォーマンスをすることで経験値を積んだ彼ら。8月下旬の「ロックロックこんにちは!Ver.16 ~ヒーロー広場~」以来約1カ月ぶりという昨日のライブは、夏の間に培った頼もしさと、サウンド面での新たな挑戦が随所で感じられる2時間半となった。
光村龍哉(Vo, G)の「OK!」という合図を皮切りにライブが始まり、1曲目から盤石のアンサンブルが会場を圧倒する。今回はシングルやアルバムのリリースに伴うツアーではないため、セットリストは新旧入り交じった起伏に富んだ構成で展開され、アレンジ好きを公言する彼らは各曲に斬新なアレンジを施し楽曲の新しい側面を浮かび上がらせていく。中には打ち込みを導入したナンバーもあれば、古村大介(G)、坂倉心悟(B)、光村の弦楽器隊がエフェクターを駆使してさまざまな音色を作り出す楽曲も。その一方で対馬祥太郎(Dr)のドラムは安定感を漂わせながら、ときに軽やかに、ときにダイナミックに響きプレイヤーとしての進化を伺わせる。そんな4人のパフォーマンスに満員の観客は魅了されつつ、大胆なサウンドの変化に何度も驚きの声を上げていた。
演奏だけでなくメンバーのパフォーマンスにも変化が見られ、特に坂倉がステージを縦横無尽に動き回りオーディエンスを惹き付ける。それに呼応するように古村もステージの端でギターをかき鳴らすなど、バンドが一丸となってキャリア史上最長ツアーに挑んでいることを感じさせた。
演奏の合間に光村はツアータイトルはアルゴリズムとリトミックを合体させた造語であることを説明し、「僕らの持てる全ての力を出し尽くすツアーにしたいと思ってます」「ツアーファイナルではまた大阪に帰ってきます。見違えるようなバンドになって帰ってきます」と力強く宣誓。そしてライブの最後にメンバーは「よっしゃツアー行ってくるぞ!」と意気込み、オーディエンスの盛大な「いってらっしゃい!」の声を受けて笑顔でツアーのスタートを切った。
なお「NICO Touches the Walls TOUR 2012 "ALGORHYTMIQUE"」は、昨日のなんばHatch公演を含め23公演を実施。ツアーファイナルは12月20日に大阪・オリックス劇場にて行われる。
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