ムック、ファン狂喜のマニアックな新木場“ムックの日”

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ムックが“ムックの日”にあたる6月9日に、東京・新木場STUDIO COASTにて単独公演「ムック“Maniac Parade 97~11”」を開催した。

写真は「ムック“Maniac Parade 97~11”」の模様(撮影:緒車寿一)。

写真は「ムック“Maniac Parade 97~11”」の模様(撮影:緒車寿一)。

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逹瑯(Vo)(撮影:緒車寿一)

逹瑯(Vo)(撮影:緒車寿一)

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ミヤ(G)(撮影:緒車寿一)

ミヤ(G)(撮影:緒車寿一)

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YUKKE(B)(撮影:緒車寿一)

YUKKE(B)(撮影:緒車寿一)

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SATOち(Dr)(撮影:緒車寿一)

SATOち(Dr)(撮影:緒車寿一)

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ムックは5月21日・22日に日本武道館にて、それぞれコンセプトが異なる単独公演を開催したが、この日のステージはまたひと味違う雰囲気に。武道館公演と重なる楽曲は数曲に抑え、最新アルバム「カルマ」の収録曲と懐かしい楽曲を織り交ぜた濃密なセットリストでファンを狂喜させた。

ライブは、天井からスモークが噴射され、映画「2011年宇宙の旅」のテーマとしてもおなじみの「ツァラトゥストラはかく語りき」がスピーカーから爆音で流れるという意表をつく形で幕開け。ドラマチックな演出にフロアがざわめく中、「Chemical Parade」をバックにメンバーが順々に登場。最後に逹瑯(Vo)が姿を見せ、「フォーリングダウン」を高らかに歌い始めた。するとレーザー光線ときらびやかなライトが乱舞し、場内が一瞬でダンスフロア化。逹瑯は揺れる会場を見渡し「新木場! 暴れられるか?」とオーディエンスを煽る。

続いてミヤ(G)が「零色」のイントロを思わせるフレーズを奏で、ダンサブルなモードに突入すると思わせておいて、始まったのは「チェインリング」。まさかのナンバーに「キャー!」と悲鳴のような歓声が沸き起こる。4人は喜ぶファンの期待に応えるように、入魂のプレイを繰り広げた。

そして、YUKKE(B)の奏でる艶やかな低音ベースと逹瑯の狂おしい声が絡んだ「友逹が死んだ日」、ムックの最新モードを表現した「ケミカルパレードブルーデイ」という起伏のある流れを経て、ライブは中盤戦に突入。逹瑯が「新旧の曲が飛び出すライブになってます」と宣言したとおり、その後も過去の名曲たちが惜しみなく披露され、会場の狂騒はますます加速していく。

絶唱のような逹瑯のボーカルが響いた「誰も居ない家」、ミヤのドライブ感のあるギターが炸裂し、オーディエンスが激しくヘッドバンギングをした「幻燈讃歌」、ミヤとYUKKEの弦バトルとも言うべきプレイが魅力的だった「どしゃぶりの勝者」と、1曲1曲がクライマックスのような盛り上がりを見せる。「アイアムコンピュータ」でひと息入れた後は「暁闇」がスタート。叙情的かつシリアスな音がフロアを満たし、息を飲むような空間が作り出される。かと思えば、アコースティックギターをフィーチャーした「溺れる魚」でフォーキーな一面をアピールしたり、「こもれび」でシンプルなバンドサウンドを響かせたりと、異なるタイプの楽曲が次々と会場を彩っていく。

MCで逹瑯は、「すごくCOASTが好きなんですよ。『カルマ』はCOASTで演ったら絶対似合うと思ってたんだけど、なかなか機会がなくて。しかも、蓋を開けたらこんなライブでね……」と語りつつ笑顔を見せる。「この後もちょいちょい聴いたことがあるかな、ないかなって曲をやるんで」と言い放つと、「ファズ」で後半戦の口火を切った。

コール&レスポンスとジャンプの応酬で熱気が高まったところで、投下されたのはSATOち(Dr)の轟くようなドラミングが響く「夢死」。さらに「前へ」が始まると、観客はもみくちゃになりながら踊り狂い、中にはクラウドサーフに興じる人も。間奏では、逹瑯がミヤの爪弾く軽快なスカのフレーズにあわせて華麗なステップを踏み、観客のため息を誘った。

普段以上にテンポを速めた「咆哮」で激しい側面を露にすると、本編のラストナンバー「リブラ」へ。逹瑯が「ラスト!」と叫ぶと、「えー!」という物足りなそうな声が上がる。しかし、イントロが鳴った瞬間に大歓声が起き、オーディエンスは4人の紡ぐ壮大かつ深みのあるアンサンブルに身を委ねた。

アンコールでは恒例のメンバートークが展開。逹瑯は過去の「ムックの日」企画を振り返り、「来年は15周年ということで、ガーっとやりたいと思うのでよろしくお願いします」と語る。YUKKEは同日に開催されていたAKB48の総選挙ネタを引き合いに出し、「ムック総選挙、みなさんのおかげで4位になって、下手の位置を獲得しました。来年はセンター獲れるようにがんばります!」と宣言。オーディエンスの爆笑と拍手を誘った。

ミヤは「長年やってると曲が増えちゃって増えちゃってしょうがないよ」と笑いながら、「こういう(昔の曲を演奏する)機会をくれたみんなに感謝ですよ」とコメント。SATOちは「1曲1曲にめちゃめちゃ込めたよ。『溺れる魚』が途中であったでしょ? あれでかなりキてたからね。いつ死んでもいいくらい」と充実したパフォーマンスができていることをうかがわせた。

アンコールの1曲目は、和やかなMCのムードを一蹴する「水槽」。さらに「ジレンマ」「蘭鋳」と重厚かつ攻撃的なナンバーが繰り出され、クライマックスを盛り上げていく。「蘭鋳」ではSATOちのカウントを合図に、恒例となっている全員でのジャンプも行われ会場が大きく揺れていた。ラストナンバーは最新アルバム「カルマ」にも収録されている「フリージア」。逹瑯の情感豊かなボーカルと、楽器陣が紡ぎ出す壮大なサウンドスケープが、約2時間半におよんだライブの終わりを美しく演出していた。

「ムック“Maniac Parade 97~11”」セットリスト

01. フォーリングダウン
02. チェインリング
03. 友逹が死んだ日
04. ケミカルパレードブルーデイ
05. オズ
06. A.
07. 五月雨
08. ガーベラ
09. 誰も居ない家
10. 幻燈讃歌
11. どしゃぶりの勝者
12. アイアムコンピュータ
13. 暁闇
14. 溺れる魚
15. こもれび
16. ファズ
17. 夢死
18. 前へ
19. 咆哮
20. リブラ
<アンコール>
21. 水槽
22. ジレンマ
23. 蘭鋳
24. フリージア
End. 業

※記事初出時、本文に誤字がありました。訂正してお詫びいたします。

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音楽ナタリー @natalie_mu

ムック、ファン狂喜のマニアックな新木場“ムックの日” http://natalie.mu/music/news/51173

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