KIRINJI「また人が増えてる」、最大8名で届けた東京ワンマン

KIRINJIが11月21日に東京・EX THEATER ROPPONGI、25日に大阪・梅田CLUB QUATTROでワンマンライブ「KIRINJI LIVE 2015」を開催した。この記事では東京公演の模様をレポートする。

11月11日に最新アルバム「EXTRA 11」をリリースしたKIRINJI。このアルバムは昨年8月に発表されたオリジナルアルバム「11」の11曲中9曲を新たなアレンジで再レコーディングしたものだ。今回のワンマンライブでは「EXTRA 11」の収録曲やキリンジ時代のナンバー、新曲などさまざまな楽曲が披露された。

この日KIRINJIはサポートメンバーの矢野博康、さらに一部の楽曲のみ楠蓮をパーカッショニストとして迎えてパフォーマンスを実施。「黄金の舟」でライブをスタートさせたあと、堀込高樹（Vo, G）は「今日はいろんなことを用意してきたんで、最後まで楽しんでください！」と観客に挨拶した。バンドは続く「Golden harvest」で緩急のある演奏を披露し、オーディエンスのテンションを引き上げた。

堀込は「いっぱい入ってますね」とフロアを見渡し、「ステージもいっぱいですけどね。また人が増えてると思ってるんでしょ？」と観客に投げかけ笑いを誘う。そして「トランペットとか、オーボエとか、タップダンサーとかがパッと曲に入ってパッと抜けるみたいなことをやってみたいなと僕の中で勝手に考えていて、東京公演に限っては1名パーカッションを追加しました」と説明し、楠蓮について「彼のお父さんと僕、仲よくて……楠均（Dr, Per, Vo）さんのご長男なんですけど」とユーモアたっぷりに話してファンの歓声を浴びた。

「何曲か『EXTRA 11』のアレンジで聴いてもらおうと思います」という堀込の言葉から、バンドはコトリンゴ（Vo, Piano, Key）がアコーディオンを弾きながらどこかミステリアスな歌声を響かせた「fugitive」、自由にセッションするように奏でられた「狐の嫁入り」、楠均がパーカッションを、矢野がドラムを演奏したアップチューン「ONNA DARAKE!」を続けて披露。コトリンゴと弓木英梨乃（Vo, G, Violin）がステージをはけると、堀込は「『ONNA DARAKE!』のあとは男だらけでやるよ」と話し、男性メンバーのみで「仔狼のバラッド」が届けられた。その後披露された坂本真綾「うちゅうひこうしのうた」のカバーでは、コトリンゴの透き通るような歌声に、メンバーそれぞれが優しく音を重ねていった。

ライブの後半ではダンサブルな「雲呑ガール」、エッジィなギターサウンドが印象的な「都市鉱山」といったナンバーが次々と披露され、さらにフロアを盛り上げる。そして本編は堀込の縦笛や弓木のバイオリンの音色が楽曲を優雅に彩る「水郷」で締めくくられた。アンコールではマルコス・ヴァーリ「She Told Me, She Told Me」のカバーや、グルーヴィな演奏でオーディエンスの体を揺らした「進水式」、にぎやかなアンサンブルの「だれかさんとだれかさんが」が続けて披露された。8人はステージ前方に一列に並び、お辞儀をすると手を振りながらステージをあとにした。