歌い手・りょーくん、卒業公演で新たな一歩踏み出す

歌い手・りょーくんが、4月12日に東京・渋谷公会堂にてワンマンツアー「LAST LIVE TOUR 2015 -Re:set-」の最終公演を実施した。

昨年12月に東京・TOKYO DOME CITY HALLにて開催されたカウントダウンイベント「EXIT TUNES ACADEMY FINAL COUNTDOWN SPECIAL 2014-2015」のステージ上で、歌い手を卒業する旨を発表したりょーくん。「LAST LIVE TOUR」と題されたツアーのファイナルとなるこの日の会場には、彼の勇姿を見届けようと大勢のファンが集まった。

この日の幕開けを飾ったのはライブの定番曲「リセット」。りょーくんは「もっと聞かせてくれ、東京！」と叫び、観客のテンションを一気に引き上げていった。続く「No.69」では彼の動きに合わせて観客がヘドバンを繰り返す。「僕は初音ミクにキスをした」「S・K・Y」といったミドルテンポのナンバーでは、りょーくんが伸びやかな高音を会場に響かせてオーディエンスを魅了した。MCに入ると彼は観客たち1人ひとりの声に耳を傾けてリアクションし、ファンとの交流を楽しむ。さらに「今日は全員の顔を覚えて帰ります」と語り、会場の光景を目に焼き付けるかのように客席を隅から隅まで見渡す一幕も見られた。

ライブ中盤にはりょーくんとゆかりのあるボカロPであるadd9（ヘリP）、buzzG、蝶々P、みきとPがゲストとして登場。りょーくんはステージ上に代わる代わる登場する彼らと過去に出演したイベントでのエピソードなどを語り合う。「りょーくんの歌声に恋をしている」と話したみきとPは、「夏の半券」でりょーくんの歌声に自身の声を重ね、息の合ったハーモニーを観客たちに届けた。ゲストとの共演がひと段落するとライブはいよいよラストスパートへ。「最後までいっぱい声を聞かせてくれ！」というMCから披露されたりょーくん作詞作曲のオリジナル曲「Re:alize」では、彼の呼びかけに観客が盛大なシンガロングで応えた。本編最後のナンバー「ワールド・ランプシェード」の歌唱中、彼はマイクから手を放してオーディエンスの歌声にじっと耳を傾ける。最後に拳を突き上げ「ありがとう」と告げ、ステージを後にした。

熱烈なアンコールに応えて、ステージ上に再登場したりょーくん。ここまで卒業についてひと言も触れてこなかった彼は、ファンとの別れを惜しむように「俺だって終わりたくないよ」と心の内を明かす。さらに「仲間もたくさんできたけど、ツラいこともあった」「自分という存在と“りょーくん”という存在を切り離そうとしたときもある」と続け、歌い手としての4年半の活動を回想しながら思いの丈を語った。彼が「りょーくんとしてステージに立つのは、本当にこの日が最後です」と宣言すると、会場にはファンのすすり泣く声が響く。りょーくんは「この曲を歌わないと終われねえなっていう曲がある。最後の曲、大事に歌います」と語り、「永遠花火」を歌唱。演奏終了後、りょーくんは深々とお辞儀をし、オフマイクで観客たちに改めて感謝の気持ちを述べて笑顔で去っていった。

アンコールが終わるとステージ上のスクリーンにりょーくんからの直筆メッセージが映し出された。メッセージの最後に「僕は歌い続けます」という一文が現れると、突然スクリーンの映像が切り替わる。その映像でりょーくん改めRYOTAとボカロPの164が新ユニット・Equalとして今後活動していく旨がアナウンスされると、会場には割れんばかりの歓声が響き渡った。さらにステージ上にバックバンドを従えたRYOTAと164が登場し、MCを挟むことなくEqualとして新曲（タイトル未定）を披露。164はステージ上を左右に駆け回りハードなギタープレイを見せつけて観客のテンションに火を点けた。演奏終了後、間髪入れずにステージの幕が閉じられてこの日のライブはフィナーレを迎えた。なおEqualとしての活動の詳細は、後日ユニットのオフィシャルサイトにて告知される。