NICO Touches the Walls、10年ぶりチッタでレア曲三昧“1125”

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NICO Touches the Wallsが昨日11月25日に神奈川・CLUB CITTA'にて単独公演「1125/2014」を開催した。

NICO Touches the Walls「1125/2014」の様子。(撮影:上飯坂一)

NICO Touches the Walls「1125/2014」の様子。(撮影:上飯坂一)

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11月25日を“1125(イイニコ)の日”と銘打ち、毎年自主企画ライブやイベントを実施しているNICOの面々。今年は彼らが10年ぶりに立つというCLUB CITTA'が会場に選ばれ、事前に光村龍哉(Vo, G)が予告していた通りレア曲三昧のセットリストをもとにライブが繰り広げられた。

光村龍哉(Vo, G)(撮影:上飯坂一)

光村龍哉(Vo, G)(撮影:上飯坂一)[拡大]

1年に1度の“1125の日”のオープニングを飾るのは、これもまた1年に1度しか披露されない「1125のテーマ」。古村大介(G)の鳴らすメジャーコード全開のギターサウンドに乗せてオーディエンスはハンドクラップを鳴らし、光村が「雨降りのチネチッタを通り過ぎて」と熱唱すると歓声を上げた。例年以上に骨太なロックアレンジの「1125のテーマ」で勢いを付けた4人は、そのまま古村のノイジーなギターと光村のシャウトが炸裂する「damaged goods~紫煙鎮魂歌~」、坂倉心悟(B)と対馬祥太郎(Dr)の2人の重厚なリズムをフィーチャーした「SIMON SAID」や「Lonesome Ghost」を間髪入れずにプレイ。「Lonesome Ghost」の不気味な余韻を残したままつなげられた「夢1号」は、光村の歌を軸にギター、ベース、ドラムが徐々に加わっていくスタイルで披露され、サウンドに強烈なリバーブをかけることでドリーミーな雰囲気を強めていた。

古村大介(G)(撮影:上飯坂一)

古村大介(G)(撮影:上飯坂一)[拡大]

最初のMCで光村は「今年もやってまいりました、『1125の日ライブ』でございます。本日はレア曲祭ということで」と述べ、「ライブでの演奏回数が非常に少ない曲をリストアップしまして。あの曲やこの曲はいっさいありません!(笑)」と貴重な一夜になることを予告した。

続いてのブロックはアンニュイな雰囲気が漂う「容疑者」を皮切りに、ポップなラブソング「恋をしよう」、GS調のサウンドが楽しい「太陽が笑ってら」、坂倉のうねるようなベースフレーズから幕を開ける「有言不実行成仏」とライブの“定番曲外”のナンバーが続く。いずれの楽曲もCDをなぞる形ではなく、「恋をしよう」は古村のコーラスを加えることで歌に厚みを加え、「有言不実行成仏」のクライマックスでは4人が互いの音をぶつけ合い重厚なグルーヴでフロアを揺らした。予想外のナンバーが披露されると、ときにはどよめきや歓声が起き、会場が高揚した空気で包まれた。

坂倉心悟(B)(撮影:上飯坂一)

坂倉心悟(B)(撮影:上飯坂一)[拡大]

その後のMCでは、10年前のCLUB CITTA'でのエピソードが語られ、自分たち以外の出演者がアイドルでアウェー感を味わったこと、オリジナル曲が4曲しかなかったためスピッツのカバーを披露したことなどが明かされる。そして「10年経つと僕らもカバー曲を堂々とやってます」という光村の紹介からカバーコーナーに。ここで4人はクラムボンの「君は僕のもの」、MISIAの「陽の当たる場所」、チャットモンチーの「ハナノユメ」を先輩アーティストへのリスペクトを込めて奏でていく。「君は僕のもの」は古村の丁寧なプレイが柔らかな音を紡ぎ、「陽の当たる場所」はカラフルな照明と陽気なアンサンブルが溶け合いハッピーな空気を生み出す。特にフロアを沸かせたのは「ハナノユメ」。4人のコーラスなども盛り込んだ、NICO流に味付けされた痛快なバンドサウンドがオーディエンスを楽しませていた。

対馬祥太郎(Dr)(撮影:上飯坂一)

対馬祥太郎(Dr)(撮影:上飯坂一)[拡大]

根っからのB面好きという光村は、「B面って好き勝手じゃないですか。そのバンドの本性が見えてくる」と口にし、「こういうライブをやるのは客観的にいいことかな」と述べた。さらにフェスでトリを飾ったときに、「こういうライブをやりたい」と野望を明かし、本人曰くダークな曲ばかりのディープなコーナーへとなだれ込んだ。ライブの終盤は通常はアップテンポな楽曲が多いNICOだが、この日は太く重いバンドサンドが退廃的なムードを醸し出す「3年目の頭痛薬」、前のめりなビートに乗せて展開していく「ロデオ」や「泥んこドビー」を連続投下。4人の奔放なセッションに会場の熱気は高まっていく。しかし「次の曲はアルバムの曲ですが、シングルにしてもいいと思ってた曲です」という紹介から披露された「芽」で、空気はガラリと一変する。伸びやかな歌声と爽快なサウンドが響きわたり、さらに4人はアウトロで「1125」をサウンドで表現。さわやかな余韻を残して本編は終了した。

NICO Touches the Walls「1125/2014」の様子。(撮影:上飯坂一)

NICO Touches the Walls「1125/2014」の様子。(撮影:上飯坂一)[拡大]

アンコールでメンバーはこの日のために制作したTシャツに着替えて登場。「来年もなんか面白いことができたらなと思います」という光村の言葉に続いて、対馬がドラムロールを鳴らし始める。そんな演出を経て発表されたのは、初のアコースティックアルバム「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」のリリースと、東京と大阪でのBillboard Live公演の開催。「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」について光村は「本気でやってます。とてもいいです。超楽しみにしていてください」と観客に伝え、その笑顔で出来映えをアピールした。そんな流れから始まったのは対馬、坂倉、古村のトリプルドラムと光村のアコースティックギターと歌による「手をたたけ」。これまでたびたびアコースティックバージョンの「手をたたけ」をライブで披露してきたNICOだが、今回はリズムを重視したユニークな編成でパフォーマンスし、「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」への期待を煽った。

「まだやりたい曲がある。いつか全曲ライブみたいなのがやりたいですね。またレア曲祭り第2弾やりましょう」という宣言からライブはクライマックスへ。ラストナンバーとして「ほっとした」が披露され、穏やかな空気が会場を包み込む。そして最後は“1125の日ライブ”恒例の「また来てくれるかな?」の声に、観客が「イイニコ!」と答えるコール&レスポンスで幕引きとなった。

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NICO Touches the Walls「1125/2014」
2014年11月25日 CLUB CITTA' セットリスト

01. 1125のテーマ
02. damaged goods~紫煙鎮魂歌~
03. SIMON SAID
04. Lonesome Ghost
05. 夢1号
06. 容疑者
07. 恋をしよう
08. 太陽が笑ってら
09. 有言不実行成仏
10. 君は僕のもの
11. 陽の当たる場所
12. ハナノユメ
13. 3年目の頭痛薬
14. ロデオ
15. 泥んこドビー
16. 芽
<アンコール>
17. 手をたたけ
18. ほっとした

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読者の反応

A-Sketch @ASketch_JP

NICO Touches the Walls、先日行われた11/25「イイニコの日」のライブレポ!レア曲三昧のライブになりました^^
http://t.co/mzFgaad7Sp

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