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初音ミク歌劇「THE END」パリ上陸、ミルズ&ゴルチエ激賞

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11月12日(現地時間)、フランス・シャトレ座でオペラ「THE END」が上演された。

「THE END」は渋谷慶一郎が音楽とコンセプトを、全ビジュアルと映像のディレクションの担当にYKBX、サウンドデザイン担当にevala、舞台美術担当に重松象平ほか新進気鋭のアーティストを迎えたコラボレーション作品として誕生した初音ミク主演のオペラ。5月の東京・Bunkamuraオーチャードホール公演に続いて開催された今回のパリ公演では11月12、13、15日にそれぞれ1ステージずつ、計3ステージが行われた。

19世紀建設のシャトレ座には当日、10.2チャンネルのサラウンドシステムと7台の高解像度プロジェクターが設置される。そしてサラウンドシステムから渋谷の手による「序曲」が流れだし、マーク・ジェイコブスデザインによるルイ・ヴィトンのコスチュームをまとった初音ミクがにプロジェクターに投影され、彼女が「ミクと動物」「何しに来たの?」という2曲のレチタティーボ(朗唱)と、アリア「死のアリア」を歌い上げると2500人超満員の観衆から大喝采が巻き起こった。さらに2500人は終演時には惜しみないスタンディングオベーションを贈り、これを応えた渋谷、YKBX、evalaとミクは4度のカーテンコールを行った。

なお“歌手もオーケストラも登場しないオペラ”「THE END」に対する同地の関心は高く、今回の公演は本番前から「リベラ シオン」「ルモンド」など地元メディアで大きく報じられていた。また当日のシャトレ座にはパリ在住のテクノミュージシャン、ジェフ・ミルズが来場。「興奮した。すべてのシークエンスが素晴らしい」と語っている。また同じく公演を観たファッションデザイナー、ジャン=ポール・ゴルチエは「コンセプトが素晴らしく画期的!新しいジャンルの新しいスターを紹介してくれた日本へブラボー!」とのコメントを寄せている。

渋谷は11月27日にはこの公演のサウンドトラック「ATAK020 THE END Keiichiro Shibuya + Hatsune Miku」をリリースする。アルバムは初回限定盤と通常盤の2形態が用意され、初回限定盤は“20世紀記録メディア仕様”。LPサイズのボックスに2枚組のCDと、本編の映像ディレクションも担当したYKBXが新たに制作した「死のアリア」など3曲のビデオクリップを収録したDVD、100ページ以上に及ぶEPサイズのブックレット、カセットテープサイズのオペラの台本がパッケージされる。

渋谷慶一郎+初音ミク「THE END」
2013年11月12日(火)フランス シャトレ座 セットリスト

01. 序曲
02. ミクと動物(レチタティーボ)
03. 何しに来たの?(レチタティーボ)
04. 死のアリア(アリア)
05. 洞窟(レチタティーボ)
06. ガスマスクとガス(レチタティーボ)
07. インタールード1:タイプライター
08. 時空のアリア(アリア)
09. インタールード2:ミューテーション
10. きみをみていないと(レチタティーボ)
11. わたしが不完全だから(アリオーソ)
12. 超生物のテーマ(レチタティーボ)
13. 会いたかった(レチタティーボ)
14. 声と言葉のアリア(アリア)
15. 終わりのアリア(アリア)
16. カーテンコール

※記事初出時、演出家・岡田利規が参加したという表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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