東京バレエ団による第37次(イタリア)・第38次(フランス)海外公演が決定し、フランス公演では、
記者会見には、金森、東京バレエ団の
金森は、日本でバレエ文化を根付かせた人物として知られるロシアのバレエダンサー、エリアナ・パヴロワが日本に来てから約100年を迎えたことについて触れ、「今や、世界中のバレエ団に日本人のプリンシパルが1人はいるのではないかという時代になりました。ただ、何かが足りない。それは振付家だと思っています」とコメント。さらに、自身が2004年に日本初の劇場専属舞踊団を設立したこと、その巡り合わせの中で縁に報いるために闘ってきたこと、それが「私の舞踊家人生だ」とし、「ようやく日本のバレエがここまで来た、ここからなんだと思います。借り物のバレエではなく、日本の舞台芸術として国際的に発信していく時代が来る、その一助となれば幸いですし、そのきっかけの一員になれて光栄に思います」と結んだ。
団長の斎藤は、自身が東京バレエ団の芸術監督に就任してから2年後の2017年に金森に作品創作の相談をし、そこから初演まで期間があったことを明かした。さらに、「かぐや姫」でドビュッシーの楽曲を使用する構想が出たタイミングで、「いつかパリに持って行きたいと思っていました。ガルニエ宮が改修工事に入ってしまうと知った矢先に招聘していただけたのは、これまでに築かれた長く深い信頼関係があったからこそ。この機会はダンサーたちにとっても、東京バレエ団にとっても、日本のバレエ界にとっても大きな進歩になると思います」と感謝を述べた。
トライアウトに始まった「かぐや姫」の変遷を振り返った秋山は、「私にとって、オペラ座での公演は夢のようなこと。バレエをやっている人にとっては憧れの舞台だと思いますし、穣さんの作品、廣川(玉枝)さんがお衣裳を手がける作品に携われたことは幸せなことだと思っています」と語った。また、ブノワ賞の最優秀振付家賞にノミネートされた秋山は、ロシア・モスクワのボリショイ劇場でのガラコンサートで「かぐや姫」のパ・ド・ドゥを踊った経験を振り返り、「言葉は通じなくても、心の交流ができるバレエの素晴らしさを感じました」とコメントした。
大塚は「僕は『かぐや姫』の主役デビューはしていないのですけど、ここまで話が膨らんでいることにキャパオーバーと言いますか(笑)、プレッシャーを感じております」と正直に述べたあと、自身は「かぐや姫」の創作がスタートした2017年には入団しておらず、海外にいたことを付け加え、「生半可な気持ちでは臨めないなと。ガルニエ宮も待っていますが、まずはしっかりと東京文化会館で瑛さんと新たな『かぐや姫』を演じられたらと思っています」と意気込んだ。
パリ・オペラ座公演に向けての心境を聞かれた金森は、「来年の今頃にはよりドキドキしてくるのかなと思いますが、今は傾斜のある舞台で大丈夫かな?と、具体的な課題について考えています(笑)」と回答。さらに、斎藤が「かぐや姫」の創作開始時は“良い意味でのけんか”をたくさんしたというふうに振り返ったことに対し、「そんなことはないと思いますよ(笑)。私が東京バレエ団から委嘱を受けた際に掲げたのは、伝統的なバレエの構造を踏襲したうえで、新しいバレエを作るということ。ある芸術表現が行き着いた先には、必ず新しいものが必要な時代が来る。大きく言えば、私はそれをやろうとしていた」と話した。また、金森は「来月、東京文化会館で少し手を入れた『かぐや姫』を再演するので、ダンサーたちには高みを目指してもらいたいですし、まずは国内でより良い作品にしていきたいと考えています」と述べた。
東京バレエ団 第38次海外公演
開催日時・会場
2027年5月26日(水)~29日(土)
フランス パリ・オペラ座 ガルニエ宮
東京バレエ団「かぐや姫」
開催日程・会場
2026年5月5日(火・祝)・6日(水・振休)
東京都 東京文化会館
スタッフ
音楽:クロード・ドビュッシー
演出・振付・空間デザイン:
出演
かぐや姫:
道児:大塚卓(5月5日13:00開演回・6日) / 柄本弾(5月5日18:30開演回)
影姫:沖香菜子(5月5日13:00開演回・6日) / 金子仁美(5月5日18:30開演回)
帝:池本祥真(5月5日13:00開演回・6日) / 生方隆之介(5月5日18:30開演回)
翁:岡崎隼也
※U-39・U-25チケットあり。
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【会見レポート】東京バレエ団がパリ・オペラ座で「かぐや姫」全幕上演、金森穣「国際的に発信していく時代が来る」
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