サファリ・P「悪童日記」2025年版の東京公演スタート、山口茜「思考と感情の邂逅に立ち会って」

サファリ・P 第11回公演「悪童日記」の東京公演が、本日12月19日に東京・すみだパークシアター倉にて開幕した。

本作は、アゴタ・クリストフの同名小説を原作に、山口茜が脚本・演出を手がける代表作の一つ。原作小説の“双子が感情や思考を日記に記さない”という形式を舞台化しており、俳優たちが感情をあえて表現せずに、自身の呼吸に集中する手法が特徴だ。2016年の初演以来、上演が重ねられてきた同作が、今回は“瞑想”を新たなキーワードに2025年版として披露される。

東京公演の開幕に際し、山口は「何が真実か、と推理することではなく、今、人が殺されているという事実のみに向き合うこと。そこにどんな大義名分があっても人権を踏みにじって良いことにはならないし、ましてや人の命を奪う理由にはならないこと。『悪童日記』の長期にわたるクリエイションを通じて、私はこの、非常にシンプルで、大切なポイントに立ち返りました。今回、双子が曖昧さと主観を日記から一切排除したように、私たちもまた、主観を排除し、小説に書かれていることのみでこの作品を解釈し直しました。観劇してくださった皆さんにはぜひ、この観劇を通して、思考と感情の邂逅に立ち会っていただきたいと願っています」と呼びかけた。

出演者には芦谷康介、佐々木ヤス子、達矢、辻本佳、森裕子が名を連ねている。上演時間は約1時間20分。公演は12月21日まで行われる。

サファリ・P 第11回公演「悪童日記」

開催日程・会場

2025年6月6日（金）〜8日（日） ※公演終了
京都府 ロームシアター京都 ノースホール

2025年6月14日（土）・15日（日） ※公演終了
愛知県 メニコン シアターAoi

2025年12月19日（金）〜21日（日）
東京都 すみだパークシアター倉

スタッフ

原作：アゴタ・クリストフ「悪童日記」（ハヤカワ文庫 / 堀茂樹訳）
脚本・演出：山口茜

出演

芦谷康介 / 佐々木ヤス子 / 達矢 / 辻本佳 / 森裕子