「レイディ・ベス」場面を入れ替えベスの“運命”明確に、奥田いろは・小南満佑子が意気込み

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ミュージカル「レイディ・ベス」の製作発表記者会見が、昨日12月17日に東京都内で行われた。

ミュージカル「レイディ・ベス」製作発表記者会見より。

ミュージカル「レイディ・ベス」製作発表記者会見より。

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ミュージカル「レイディ・ベス」は、ミヒャエル・クンツェ、シルヴェスター・リーヴァイ、小池修一郎により2014年、2017年に「レディ・ベス」のタイトルで上演された作品。“レイディ・ベス”ことエリザベス1世の若き日の青春譚を描いた同作が、9年ぶりにお目見えする。

製作発表記者会見には、タイトルロールをWキャストで務める奥田いろは(乃木坂46)と小南満佑子、吟遊詩人の青年ロビン・ブレイク役の有澤樟太郎手島章斗、ベスの異母姉メアリー・チューダー役の丸山礼有沙瞳、スペイン王太子であるフェリペ役の内海啓貴松島勇之介が扮装姿で登壇。そして演出・訳詞・修辞の小池が登場した。製作発表記者会見では劇中歌である「COOL HEAD」「悪魔と踊らないで」「俺は流れ者」「秘めた思い」がメドレーでパフォーマンスされ、会場が、今回のカンパニーが作り上げる劇世界の空気感で満たされた。

ミュージカル「レイディ・ベス」製作発表記者会見より、左から奥田いろは、小南満佑子。

ミュージカル「レイディ・ベス」製作発表記者会見より、左から奥田いろは、小南満佑子。 [高画質で見る]

ミュージカル「レイディ・ベス」製作発表記者会見より、左から有澤樟太郎、手島章斗。

ミュージカル「レイディ・ベス」製作発表記者会見より、左から有澤樟太郎、手島章斗。 [高画質で見る]

小池は、今作から「レイディ・ベス」とタイトルを改めた経緯について、「登場人物がベスのことを“レイディ”とだけ呼ぶシーンがあることと、正しい発音は“レイディ”。題名から“レイディ”にするほうが良いという思いがありました。また、劇中ではベスがプリンセスの称号を剥奪されます。“レイディ”と呼ばれたらそれはもう“プリンセスではない”ということ。そしてクイーンになるまでのプロセスが描かれますので、あえて『レイディ・ベス』というタイトルなのだと思いました」と説明した。さらに本作では、クンツェ&リーヴァイにも新たに作り直したい意思があったことを明かし、「今回はベスの生き方、主張が強く前に出る作品になる」と話した。「私たちも『えっ?』と思ったのですが、同じ曲で歌詞がまったく違うものがいくつかあります。歌詞を改訂することに不安もありましたが、そうすることで、改めて、2026年公演をご覧になる方の共感を得るものになると感じました。若い女性がリーダーとして国を引っ張る立場に、どうなっていくかという物語として観ていただけたら」と語り、出演者に目をやりながら「この作品は歴史劇ですが、若い人たちの感受性で表現されることによって、今を生きる人たちに伝わるものになると思います」と創作への意気込みを述べた。

具体的な変更点としては、シーンの入れ替えが挙げられ、小池は「クンツェさんとリーヴァイさんが作る作品は、1つひとつの場面と音楽が、それぞれが独立しても成立するように作られています。前はいろいろな要素が組み込まれていて、どれを中心に観るかで受ける印象が違った。今回は、ベスの運命を軸に展開させることで全体像がすっきりしました。やりたくなくても引き受けるという過程を含め、自分と重ねることができる方もいらっしゃるのではないかと思います」と解説した。

奥田いろは

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本作で自身初の主演、初のタイトルロールを務める奥田は、「『私で務まるのかな』と思いながら、お歌を練習してオーディションを受けさせていただきました。出演させていただけることになり、不安が大きかったのですが、私の見えないところで私を信じて選んでくださった方がいらっしゃる。まずは誠実にがんばりたいと思いました。そして、私自身も物語のベスと一緒にたくさん成長していけたら。小池先生についていくぞ!という気持ちです」と笑顔を見せた。

小南満佑子

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今年でデビュー10年となる小南は、奥田同様、初座長に挑戦する。「先ほどまで『ど根性ガエル』のように心臓がドキドキしていたのですが(笑)、私個人としては前回公演を作られたスタッフの皆様、先輩方から公演を引き継ぎ、出演させていただけることが何よりの喜びです」と言う。作品に臨むにあたり、映画や資料で勉強したそうで、「調べていくうちに、この人の人生を生きたいと強く願うようになったのが印象的でした。私自身、デビュー10周年を迎え、さまざまな作品、支えてくださった皆様にに導かれて、今のお役をいただいたのだと感じます。感謝を込めて、お客様に恩返しをすることができたら」と真摯に述べる。

有澤樟太郎

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「すごく期待されているということを肌で感じています」と会場の雰囲気に言及したのは、有澤。「9年ぶりの上演。たくさんいらっしゃる、作品を待ち焦がれた方たちの“瞬間”をよみがえらせることができる舞台をお届けできたら。また、新たに出会ってくれる皆さんにも衝撃を与えられるような作品を作りたいです。僕たちならきっとできると思います」と精悍な顔つきで語る。出演が決まった際の心境について、「挑戦したことがない世界観、ジャンル、時代背景。飛び込んだことのない世界なので、なんか新鮮だなと(笑)。(小池の演出作品への出演の番が)ついに自分にも来たか、という思いでした」と振り返った。

手島章斗

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手島は「個人的には生のオーケストラで演奏されるミュージカルに出演することが初めてです。そこもワクワクしていて、製作発表記者会見の歌唱披露でさえ豪華で、楽しんでしまったくらい。カンパニーの皆さんと一丸となって、丁寧に、真摯に努めたいです」と話す。作品については「いろいろな曲調があるんです。僕はミュージカルの出演は多くありませんが、僕が考えていた“ザ・ミュージカル”な掛け合いができることが楽しみ」と朗らかに語った。

丸山礼

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ミュージカル初出演となる丸山は、「芸歴が10年を超え、何かに挑戦したいという気持ちがありました。ミュージカルという新たな扉を開くことは不安ですが、一生懸命やりきたい」というコメントを冗談を交えて語り、場の雰囲気を和ませる。また、小池からのオーディション打診のきっかけが、丸山が高校生のときに歌った様子を収めたYouTubeの映像だったことを知り、「歌は趣味程度に楽しんでいたのですが、高校がカトリック系でいつも聖書を読んでいたり、聖歌を歌っていたりしたせいか、洋楽が好きで、家で練習していました。あのときの成果が今につながっているのかなと思い、そこからメアリーに自分を寄せていく作業が楽しくなって。先輩キャストのように、舞台での私のメアリー姿をお客様に観ていただきたい。ちょっとずつですが、自分で人生を切り拓いている途中なんだと実感しています」と胸中を明かした。

有沙瞳

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元宝塚歌劇団の有沙は、在団時に小池が手がけた作品が「どれも私にとってターニングポイントになりました」と言い、「卒業してからも先生の作品に出たかったので、その夢がかないました。今回、重厚感のあるメアリーを演じさせていただけるので、全身全霊でがんばりたいなという気持ちでいっぱいです」と話す。

内海啓貴

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内海は「まさか、神奈川の田舎出身の男がスペイン王になるとは思いませんでした(笑)。小池さんとは3度目の作品になりますが、毎回新しい色を見つけてくださるので、今回もフェリペを通して新しい内海啓貴を見せられたらなと思います」とにっこり。さらに、前回公演のフェリペが印象に残っているそうで、「守りに入らず、攻めの姿勢でいこうと。色気ムンムンで……ね? 小池さん(笑)」と小池に投げかけ、明るさを見せた。

松島勇之介

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松島は「僕自身、グランドミュージカルは初めてです。この作品のオーディションを受けるだけで、『良い思い出になる』なんて思ってしまったのですが、全身全霊で受けて、合格をいただきました。フェリペは僕と正反対な男。これから正反対の人物を演じられると思うと、ワクワクします。フレッシュな皆さんの中で、僕が誰よりもフレッシュにたくさん学び、挑戦し、この作品の1ピースを務められるよう精一杯がんばります」と意気込んだ。

また、会見ではWキャストがお互いの印象を語る場面も。丸山は実は有沙と「鼻の形が似ていることに気が付いた」と話し、周囲の笑いを誘った。

ミュージカル「レイディ・ベス」製作発表記者会見より。

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公演は2月9日から3月27日まで東京・日生劇場、4月4日から13日まで福岡・博多座、5月3日から10日まで愛知・御園座にて行われる。チケットは東京公演が1月10日、福岡公演が2月21日、愛知公演が28日に一般前売りを開始する。

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ミュージカル「レイディ・ベス」

開催日程・会場

2026年2月9日(月)〜3月27日(金)
東京都 日生劇場

2026年4月4日(土)〜13日(月)
福岡県 博多座

2026年5月3日(日・祝)〜10日(日)
愛知県 御園座

スタッフ

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞・修辞:小池修一郎
オリジナル翻訳:薛珠麗
翻訳:増渕裕子

出演

レイディ・ベス:奥田いろは(乃木坂46) / 小南満佑子
ロビン・ブレイク:有澤樟太郎 / 手島章斗
メアリー・チューダー:丸山礼 / 有沙瞳
フェリペ:内海啓貴 / 松島勇之介
シモン・ルナール:高橋健介
スティーブン・ガーディナー:津田英佑
キャット・アシュリー:吉沢梨絵
アン・ブーリン:凪七瑠海
ロジャー・アスカム:山口祐一郎 / 石川禅
粟野史浩 / 飯作雄太郎 / 須田遼太郎 / 加賀谷奏音 / 小林諒音 / 安部三博 / 飯塚萌木 / 伊宮理恵 / 大竹萌絵 / 風間駿太朗 / 黒沼亮 / 相良飛鷹 / 澤田圭佑 / 柴田実奈 / Taichi / 寺岡拓海 / 畑中竜也 / 春乃ひめか / 廣瀬孝輔 / 政本季美 / 松浪ゆの / 丸山泰右 / 光由 / 宮内裕衣 / 山下麗奈 / 山田元 / 山田定世
リトル・ベス:浅利香那芽 / 横溝陽音
リトル・メアリー:上條日菜 / 馬場音羽

公演・舞台情報

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nyao100 @nyao100

クンツェ&リーヴァイにも
新たに作り直したい意思があったことを明かす

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