「芝浜革財布」は、三遊亭圓朝の人情噺をもとにした夫婦の物語。偶然大金の入った革財布を拾った怠け者の魚屋政五郎(獅童)は、上機嫌で仲間と酒盛りを始める。やがて酔いつぶれて寝入った政五郎を見た女房おたつ(寺島)は……。
寺島は、2023年の「文七元結物語」に続き、2度目の歌舞伎座出演となる。さらに今回は、俳優の梶原も参加し、獅童いわく「いつもとちょっと違う『芝浜』」が披露される。獅童は「こういった古典歌舞伎の場合、稽古は通常4日くらいですが、今回は半月ほど稽古を重ねました」「しのぶちゃんと梶原さんが新鮮な意見を出してくれて、みんなで試行錯誤しながら作ってきました」と明かす。
寺島は本番に向けて「歌舞伎座は私の普段の職場ではございませんので、これが最後という気持ちで臨みたい。すごく楽しい共演者の皆さんと一緒に、お客様と生のセッションができたらいいなと思います」と意気込む。中車は「稽古開始前、獅童さんの声掛けで食事会が開かれました。ここにいる6人が全員集まり、6・7時間にわたって『ここはこうしよう、ああしよう』と芝居の話をずっとして。作品作りはそこから始まりました」と振り返った。また、俳優・香川照之名義で映画や舞台にて寺島と共演経験がある中車は、歌舞伎での共演がかない、「夢のよう」と喜ぶ。寺島は「香川さんと呼ぶか中車さんと呼ぶか迷っている。中車って滑舌が難しいから(笑)」と話して、場を和ませた。
梶原は開口一番、「外部から派遣されてまいりました(笑)」とあいさつして笑いを取り、「19歳で初舞台を踏みましたが、まさか40年目で歌舞伎座の舞台に立てるとは思わなかった。1カ月間楽しく過ごしたいと思います」とコメント。猿弥は「作品の良し悪しはお客さんに判断していただくような内容に仕上がっているので、初日の反応が楽しみです。でも大丈夫だと思いますよ、すべて梶原さんの演出なので」と、いたずらっぽく梶原に目配せ。すると梶原が「いつもそうやって勝手なこと言うんだから!」と楽しそうに声をあげ、寺島も「この2人、ずっとこうやってやり合ってるんですよ」と説明した。笑顔で見守っていた精四郎は「個性の強い方々ばかりですので(笑)、それに負けないように自分も個性を出していけたらと思います」と意気込んだ。
獅童と寺島に「芝浜革財布」を提案した寺島の父・七代目尾上菊五郎は、獅童に対して「私が過去にやった通りでなくていいんだよ」「せっかく獅童くんは外部でも仕事をしているんだから、意外な俳優さんをゲストで呼んでもいいし。とにかく友達とどんちゃん騒ぎをするシーンを面白くしてくれ」とリクエストしたという。獅童は「そのぶんプレッシャーはありますが、『この人たち、いつもこういうふうに飲んでるんだろうな』という匂いがするのが大事だと言われて。幸いなことに、(出演者の)我々はプライベートでも大の仲良しなので、良い雰囲気が芝居にも反映されていればいいなと思います」と期待を込めた。
松竹創業百三十周年「十二月大歌舞伎」は本日12月4日から26日まで歌舞伎座で上演される。
松竹創業百三十周年「十二月大歌舞伎」第二部
開催日程・会場
2025年12月4日(木)〜26日(金)
東京都 歌舞伎座
スタッフ
一、「丸橋忠弥」
作:河竹黙阿弥「慶安太平記」より
補綴:竹柴潤一
演出:西森英行
出演
一、「丸橋忠弥」
丸橋忠弥:尾上松緑
松平伊豆守:
加藤市郎右衛門:坂東亀蔵
近習頭石谷左近:市川男寅
近習頭大久保民之丞:尾上左近
柴田三郎兵衛:中村吉之丞
弓師藤四郎:河原崎権十郎
忠弥母おさが:市川齊入
女房おせつ:中村雀右衛門
二、「芝浜革財布」
魚屋政五郎:
政五郎女房おたつ:
錺屋金太:
丁稚長吉:中村陽喜
酒屋小僧:中村夏幹
金貸おかね:尾上菊三呂
桶屋吉五郎:
左官梅吉:
大家長兵衛:片岡市蔵
大工勘太郎:市川中車
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