これは
本作の舞台は“人がいなくなった惑星”。かつて劇場だったその場所には今、人影はなく、本来、舞台上部に設置されているブリッジ(人が乗れるバトン)や音響反射板も降ろされ、“停止”の状態にあった。しかし、照明が1つ、また1つと点灯し、音、光、機構が動作して劇場が呼吸をし始める。やがて舞台の奥から姿を現した1組の男女は、黒っぽい衣裳の胸元に星屑のような光をきらめかせながら、ゆったりとした動きを見せた。
するとそこへ、どっと人が流れ込んでくる。辺りを見回しながら、最初はそれぞれ別に動いている彼らだが、徐々に数人のまとまりになって踊ったり、“羊”も姿を現したり、床の上だけでなく宙でも動きが繰り広げられたりと、場が大きく展開していく。やがてそれらの動きは、眠っていた劇場の記憶を呼び覚まし……。
Prologue「場所の目覚め」、Chapter1「人間──未知なるものとの出会い」、Chapter2「音楽──星々の時間」、Chapter3「光──音の喪失」と4つの章から成る本作では、パフォーマーたちがシーンごとにさまざまな役割を担う。あるときは生物として、あるときは光として、またあるときは“音”を具現化した存在として、7人はそれぞれの身体性を生かしつつ、舞台上に存在する。
細胞1つひとつが意思を持っているような、しなやかで表現力あふれる堀田の動き、光を集めたような眩さと軽やかさがある吉田のエアリアル、敏捷かつ生命力あふれる動きで舞台上を駆け回る本間、力強さと繊細さを持った目黒のアクロバット、長身を生かしたダイナミックな表現が魅力の本城、スマートでありつつ愛嬌がにじみ出る土屋のダンス、匂い立つような優美さと華やかさを纏った中川の踊りと、それぞれの身体表現の違いを存分に発揮しながら作品世界を豊かに立ち上げた。
上演時間は約1時間15分で、公演は明日11月9日まで。
ステージナタリーでは演出・振付を手がける平井優子と出演者の堀田、吉田、土屋、中川の座談会を掲載しているほか、後半では、舞台稽古の様子もレポートしている。「Disco on the planet」
開催日程・会場
2025年11月8日(土)・9日(日)
岡山県 岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場
スタッフ
演出・振付:
出演
※U-18チケットあり。

井上嘉和 @inoue_yoshikazu
昨日撮影した岡山文化芸術劇場ハレノワで今日、明日と行われる「Disco on the planet」のレビューアップされています! https://t.co/jcMJhiVLh2