Qunoは“主に上演形式の作品をつくる”を掲げた団体。今回はシェアハウスを舞台にした物語が展開する。友人からの頼みで、散らかった部屋で探し物を始める2人だが……。
上演に向けて脚本・演出・構成演出を手がける山本悠は「部屋とは、思い出の象徴です。そこにある物の一つ一つが記憶や歴史と一緒にあって、比喩や暗喩に満ちています。でも、他人にとってみれば部屋は部屋です。シンプルに、綺麗に、分かりやすく、使い勝手の良いようにあれば、それは綺麗な部屋だと言われるでしょう。記憶や感情は、その人自身にとってしか響きを持たないものです。どうか耳を澄まして、分かり合えなさの間に揺れる部屋を覗き見に来てください」とコメント。
総合演出の藤井ちよりは「喜劇であり、コントであり、ズキズキと痛くて、哀れな気持ちにももどかしい気持ちにもなる、迷路みたいで童話みたい、大人みたいで子供みたい、意識高い系だったり近しかったりする……とにかく多面的なこの戯曲を、企画の始まり当初、戸惑って読んでいました。今でも全てわかったと語るには烏滸がましいですが、公演を一度経たからこそ見えたものがあります。物語は、他者との分かり合えなさを描きながらも、人を必要とし、頼ることについて語っています。だからこそ、神奈川公演での演出に万全で挑むために、自分自身も誰かに頼ろう、と、脚本家に、共に演出を担ってもらうことにしました。さらなる新解釈を生み、より鮮烈な体験をつくり出せるように、稽古場でたくさん対話を重ねることを選んでいきたいと思います。再演ではなくリクリエイション。不思議なバランス感で、パワーアップした増える部屋にどうぞご期待ください」と語った。
Quno「増える部屋」神奈川公演
開催日程・会場
2025年11月20日(木)〜23日(日・祝)
神奈川県 STスポット
スタッフ
脚本・演出・構成演出:山本悠
総合演出:藤井ちより
出演
西奥瑠菜 / 薮田凜
映像出演
北みれい
※高校生以下割引あり。
リンク
ステージナタリー @stage_natalie
シェアハウスを舞台に描かれる“無数の人々と部屋と思い出”、Quno「増える部屋」(コメントあり)
https://t.co/wlRItXX3Jf https://t.co/XkP7ZGABsj