点Pは、SPACの牧野隆二と近文研の藤本ヨシタカによるユニット。今回はディラン・トマスの「Under Milk Wood」に取り組む。イギリスのとある架空の街・ラレジブではあらゆる階層の人が共に暮らしている。そこではさまざまな出来事が起こり、ミルクウッドと呼ばれる森は、その光景を見守り続けている。脚本・演出を藤本が手がけ、出演者には牧野のほかDarie、橘佳世、中村優子、ほりゆり、三橋麻子が名を連ねた。
上演に向けて藤本は「今なぜディラン・トマスの『Under Milk Wood』を公演するのか…」と題した文章の中で「『Under Milk Wood』には罵りあったり、愛し合ったり、陰口を叩いたりする数多くの人物が登場します。台詞に名前だけ上がる人物も含めると百人近くいます。舞台化するにあたってはかなりの部分でテキストの解体、再構築、脚色を行いました。また、演劇という場だからこそできる点Pの演出方法も随所に試みています。ディラン・トマスの原作に慣れ親しんでいる方には、もしかしたらあまりにも様相が変わっていて面食らうかもしれません。ただ自分としてはトマスの造形した人物のセリフを借りて、トマスの思い描いた人間を描くことに努めたつもりです。そして舞台上の6人の役者から人間の愚かしさ、面白さ、愛しさ、を少しでも感じ取っていただければと思います」とコメント。
牧野は「『初めから始めましょう…』、ウエールズのシェイクスピアと言われるディラン・トマスらしい始まりである、これから面白いことが起こる予感を感じさせてくれる(いきなりワクワクしていた)。しかし読み進めていくうちに、特に劇的なことは何も起こらず、ただ、時が過ぎていくだけである、誰が主人公なのかわからない、この作品をどう楽しめるのだろうか?と不安になった。ただその書かれている詩を声に出したときに、自分の頭では理解できない不思議な感覚が襲ってきたのである。観客の皆さまとご一緒に、この不思議な感覚を創造、体験できたら幸いです」と思いを語っている。
点P「Under Milk Wood」
開催日程・会場
2025年11月28日(金)〜30日(日)
東京都 新生館スタジオ
スタッフ
原作:ディラン・トマス
翻訳:山内正太郎
脚本・演出:藤本ヨシタカ
出演
Darie / 中村優子 / ほりゆり / 橘佳世 / 三橋麻子 / 牧野隆二
リンク
ステージナタリー @stage_natalie
牧野隆二と藤本ヨシタカの点Pがディラン・トマス「Under Milk Wood」に挑む(コメントあり)
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