「はざまっこ」は、今年、発生から20年が経ったJR福知山線脱線事故の運転士の家族に焦点を当て、関西弁で紡がれる“冥界ロードムービー”。あの世とこの世の狭間に迷い込んだ家族は、三途の川でさまざまな鬼や死者たちに出会う。家族のただ1つの目的は、20年前に亡くなった長男に会うことだった。
脚本と演出を担う
脚本には中條岳青も名を連ね、出演者には天知翔太、泉侃生、島原、尾田知穗、神咲有希乃、木村ひかる、丹生尋子、松田拓士、守本要、上田泰三、
島原夏海コメント
事故発生から20年。
乗客106人死亡、450名を超える負傷者を出した福知山線脱線事故―。
あの日は澄み渡る青空で、電車は通勤通学の人たちで混み合っていた。当時私は、現場から遠くない学校に通っていた。前の席に座るクラスメイトの親しい方が亡くなり、「今日お通夜やねん」と溢した。自分の身近に起こったことなんだと強烈に感じた。
事故の犠牲者について「乗客106人」が犠牲になったと表記されることが多い。しかし、亡くなったのは107人。1人は運転士、事故を起こした本人である。
彼は加害者であり、そしてまた犠牲者でもある。
「日勤教育」や「儲け優先」などの当時の経営方針や、一切のミスや遅延も許されない、“規則正しい社会”に、彼も殺された。
タイパ・コスパが謳われる現代社会、私たちには振り返らなければならないことがある。
人の記憶はやがて風化し、薄れていく。遠い出来事となった時、この人災は再び起こる。
我々関西の劇団が挑む、あの世とこの世のはざまの物語。
「演劇」という媒体だからこそ表現できる、私たちなりの切り口で、改めて故人の方々のご冥福をお祈りします。
芸術文化振興基金助成事業 無名劇団×尾形大吾共同プロデュース公演「はざまっこ」
開催日程・会場
2025年9月25日(木)〜28日(日)
東京都 萬劇場
2025年10月10日(金)〜14日(火)
兵庫県 神戸三宮シアター・エートー
スタッフ
脚本:
出演
天知翔太 / 泉侃生 / 島原夏海 / 尾田知穗 / 神咲有希乃 / 木村ひかる / 丹生尋子 / 松田拓士 / 守本要 / 上田泰三 /
前説Act(兵庫公演のみ):かさね咲
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残された家族の“冥界ロードムービー”、無名劇団×尾形大吾「はざまっこ」明日から2都市で(コメントあり)
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