6月11日に開幕する
「ENCOUNTERS with TOO MICHI」は、
登場するのは、クロムモリブデンの
周りを海に囲まれた小さな島国の上空に、国土とほぼ同じ大きさの未確認飛行物体が現れた。世界の危機かと思われたが、未確認飛行物体はずっと静止したまま、何もしてこない。官邸の地下にあると言われるシチュエーションルーム(状況分析室)では、今後の対応について3人が議論を重ねている──と書くとシリアスに思われるかもしれないが、中身はいたってコメディ。他国の要人たちとの会議からイライラとしながら戻ったプレジデントによると、会議では「“未確認飛行物体”はもはや“未確認”でも“飛行物体”でもないから名称を変えるべきではないか」といった緊張感のない議論がなされたそうで、しかしかく言う彼らの議論の中身も、もっともらしい単語を織り交ぜつつ、内容はトンチンカンで……。
森下は、寛容さや冷静さを見せようとしつつ、時折本音をポロッと吐き出してしまうプレジデントを、どこか憎めない存在として表現。高阪は、誠実でクレバーな部下であるがゆえに、時折間違った方向性で“やりすぎて”しまうセクレタリーをシャープに演じた。彼らのテンポ良い会話の様子を見ながら、村角は演出席近くに立ったり床に座り込んだりしつつ、あるときは声を出して笑ったり、またあるときはタブレットにささっと何かを書き込んだりと、目と手を忙しく動かして俳優たちを見つめていた。
5分程度のシーンを続けたのち、村角は「プレジデントはあまり温厚な人ではなくてもいいのかもしれません。セクレタリーはそんなプレジデントの人柄をよくわかっている存在で、2人の関係にあとから加わったジェネラルは彼らと少し立場が異なります」と3人のイメージを的確に伝える。さらにいすの座り方や身体の向き、セリフの“間”について「ここはとてもいいですね」「そこはこうしてみてはどうでしょうか」とジェントルな口調で提案。その後同じシーンを繰り返すと、各登場人物の輪郭がくっきりとしただけでなく、笑いのポイントがグッと増えた。
稽古の後半では、村角も出演に回って稽古が進められた。キレのある受け答えで会話に緩急をつけていくボブ・マーサムに、森下と高阪のペースもどんどん上がっていき、ふとしたシーンにも笑いが増えていった。数シーン続けて通したところで、村角は「(“いたって真面目にやる”という)ベースがあるからこそ、それが崩れたときが面白いですね!」と満面の笑みを見せ、その日の稽古が終了した。
公演は6月11日から15日まで東京・赤坂RED/THEATER、20日から22日まで大阪・ABCホールで行われる。
THE ROB CARLTON 19F「ENCOUNTERS with TOO MICHI」
2025年6月11日(水)〜15日(日)
東京都 赤坂RED/THEATER
2025年6月20日(金)〜22日(日)
大阪府 ABCホール
スタッフ
作・演出:
出演
※村角ダイチは家庭の事情により降板になりました。
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森下亮 @RyomoRishitan
ステージナタリー編集長、熊井玲さんが稽古場に来て下さり、未知溢れ過ぎな稽古場を紐解いて下さいました!
さらにおかしみ満ち溢れさせて
THE ROB CARLTON
「ENCOUNTERS with TOO MICHI」
皆様と遭遇出来るまであと9日! https://t.co/1SNIciyyPw