東京・歌舞伎座で8月に上演される
「野田版 研辰の討たれ」は、十八世中村勘三郎とのタッグで新しい歌舞伎を生み出してきた野田の脚本・演出による、野田版歌舞伎の第1弾として2001年に歌舞伎座「納涼歌舞伎」で初演された作品。2005年には歌舞伎座と大阪松竹座にて、十八代目中村勘三郎襲名披露狂言として再演され、その後シネマ歌舞伎化された。
今回の公演では、主役の守山辰次を十八世勘三郎の長男・
上演に際し野田は「おそらく初演(2001年)再演(2005年)をご覧になったお客様は、その楽しみと特権で『お⽗さんはもっと…』とか『お⽗さんだったら…』とか『お⽗さんの⽅が…』とか、兎に⾓、前世代の名⾺の⼀世を⾵靡した姿の⽅が良かったあ、と⾔いたいがために観劇なさったりするものです。けれども、松⽵という厩舎から雇われた戯作者であり演出家である私は、そうは⾔わせない⼼意気です。この新しい世代のサラブレッドたちもサラブレッドである所以をお⾒せできるような、そんな舞台に仕上げようと思っております。因みにではございますが、私⼀⼈だけ姑息にも、このサラブレッドたちの世代交代の波と違うところで相変わらず調教師を務めさていただいております。それは何より私ひとりが、サラブレッドの家系ではない証でございます。…ごめんあそばせ」とコメントした。
公演は8月3日から26日まで歌舞伎座にて。なお既報の通り、松竹創業百三十周年「八月納涼歌舞伎」第二部では、坂東玉三郎が監修し、七之助と染五郎が出演する「日本振袖始」、玉三郎が演出を担い、玉三郎、染五郎、市川團子、幸四郎が出演する「火の鳥」が上演される。
野⽥秀樹コメント
「お⽗さんはもっと…」
歌舞伎役者は、その⾎筋が⼤切であるという理由からよく「サラブレッド」などと競⾺の⾺扱いされることがあります。今回の芝居のキャスティングを⾒ながら、まさにそんなことを感じます。この⾺こそ、あの何々という名⾺の⼦供だみたいな感慨でしょうか。おそらく初演(2001年)再演(2005年)をご覧になったお客様は、その楽しみと特権で「お⽗さんはもっと…」とか「お⽗さんだったら…」とか「お⽗さんの⽅が…」とか、兎に⾓、前世代の名⾺の⼀世を⾵靡した姿の⽅が良かったあ、と⾔いたいがために観劇なさったりするものです。けれども、松⽵という厩舎から雇われた戯作者であり演出家である私は、そうは⾔わせない⼼意気です。この新しい世代のサラブレッドたちもサラブレッドである所以をお⾒せできるような、そんな舞台に仕上げようと思っております。因みにではございますが、私⼀⼈だけ姑息にも、このサラブレッドたちの世代交代の波と違うところで相変わらず調教師を務めさていただいております。それは何より私ひとりが、サラブレッドの家系ではない証でございます。…ごめんあそばせ。
松竹創業百三十周年「八月納涼歌舞伎」第三部
2025年8月3日(日)〜26日(火)
東京都 歌舞伎座
スタッフ
「野田版 研辰の討たれ」
作:木村錦花
脚色:平田兼三郎
脚本・演出:
出演
守山辰次:
平井九市郎:
平井才次郎:
八見伝内:
粟津の奥方萩の江 / 姉娘およし:
家老平井市郎右衛門:
僧良観:
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リンク
ハヤブサ @kabuki_2441
8月歌舞伎座
研ぎ辰の討たれ 配役決定!!!
守山辰次:中村勘九郎
平井九市郎:市川染五郎
平井才次郎:中村勘太郎
八見伝内:市川中車
粟津の奥方萩の江 / 姉娘およし:中村七之助
家老平井市郎右衛門:松本幸四郎
僧良観:中村扇雀
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