これは、
開幕に際し、詩森は「今、この時、このメンバーでなければ、そしてスズナリというおそらく世界でも類を見ない緊密でありながら広がりのある空間を持つ小劇場でなければ、『Yes Means Yes』は存在しなかった。深い喪失の物語であると同時に、仄かな再生の物語であるこの作品が生れ落ちる瞬間に立ち会っていただけたら幸いです」とコメントした。
公演は1月20日まで。
詩森ろばコメント
「Yes Means Yes」は、今、このタイミングでなければ存在しなかった作品です。
それは内田慈さんありきの企画だったからというのももちろん大きいです。内田さんのために作品を書きたいということを前提でスケジュールをお聞きしました。それが一昨年の夏で、どんな企画にしようと逡巡し、この作品の構想が浮かび、「性的同意」をテーマにした、演じるうえで気持ち的にも分量的にも大変な作品になるけれどもどうでしょう、と企画をお伝えしたところ、やります、という言葉とともに「それはもしかしてひとり芝居ですか?」と聞いてくれました。ひとり芝居でもやってもらえるんだ、と思い、限りなくひとり芝居に近いものになると思います、と答えました。そして、わたしは考え続け、ただのモノローグドラマではなくダイヤローグもしっかりと組み込んだ構想を考えつきました。そこからも紆余曲折あり、このストーリー、このスタイルの作品に辿り着いたのです。
4人の男性キャストはオーディションで選ばれました。
まるでこの作品のために待っていてくれていたかのような4人でした。
作品を書き上げて稽古に入る前も、稽古場でも、内田さんはじめとした5人で親密に作品作りをしました。テキストは何度も修正されながら、磨かれていき、演出はどんどんシンプルになっていきました。膨大なモノローグを抱える内田さんは稽古場でもずっと戯曲に集中していましたし、わたしたちも集中して、ただただ作品作りをしていました。ある意味ビジネスライク。なのにほんとうに親密で、あの12月の稽古場は、いつも、世界にわたしたちしかいないのではないかという特別な空間でした。一生忘れないと思います。
この作品にはとても厳しい性被害のシーンが出てきます。インティマシーコーディネーターの西山ももこさんに入っていただき、繊細にシーン作りをしたつもりですが、それでも俳優たちは心も身体もたくさん削ったと思います。通し稽古を一回したらもうその日はおしまい、なにもできない。通しが終わり舞台装置となったソファに呆然と座り虚空を見つめる俳優の姿を目撃したのも一度や二度ではありません。「大丈夫?」と声を掛けると、小さな声で、「稽古が楽しい」と小さな声で言ってもらったこともやはり一度や二度ではありませんでした。近くでこれまた疲れ果てて倒れている内田さんがハッと起き上がって「楽しいよね」と言ってくれたこと。それもたぶん一生忘れないでしょう。
今、この時、このメンバーでなければ、そしてスズナリというおそらく世界でも類を見ない緊密でありながら広がりのある空間を持つ小劇場でなければ、「Yes Means Yes」は存在しなかった。深い喪失の物語であると同時に、仄かな再生の物語であるこの作品が生れ落ちる瞬間に立ち会っていただけたら幸いです。
serial number12「Yes Means Yes」
2025年1月10日(金)〜20日(月)
東京都 ザ・スズナリ
スタッフ
作・演出:
出演
※障害者割引、U-25チケットあり。
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serialnumber @serialnumber601
開幕情報掲載いただきました。ありがとうございます。
本日初日‼︎
ご来場お待ちしております! https://t.co/1hzq18jldm