「FOLKER」稽古お披露目、紅ゆずるが役作りのこだわり明かす「必要なのは心を荒ませること」

5

70

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 23 37
  • 10 シェア

後藤ひろひとが作・演出を手がける大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」の稽古および囲み取材が、本日1月9日に東京都内で行われた。

左から内場勝則、楠見薫、東風万智子、小島聖、紅ゆずる、遠藤久美子、大路恵美、後藤ひろひと。

左から内場勝則、楠見薫、東風万智子、小島聖、紅ゆずる、遠藤久美子、大路恵美、後藤ひろひと。

大きなサイズで見る(全9件)

大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」稽古より。

大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」稽古より。[拡大]

「FOLKER」は、1999年に遊気舎が初演した群像劇で、同作が再演されるのは約25年ぶり。女囚刑務所を舞台にした本作では、更生プログラムとして取り入れられたフォークダンスのコンテストに受刑者が出場する様が描かれる。なお本作は、「大阪・関西万博」に向けて、来阪者に大阪の文化芸術を楽しんでもらうことを目的とした「大阪国際文化芸術プロジェクト」の演目にラインナップされている。

大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」稽古より。

大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」稽古より。[拡大]

本日公開されたのは、女囚たちがフォークダンスを練習するシーンの稽古。周囲になじむことなく、ほかの受刑者たちと衝突する“問題児”の空那を、主演の紅ゆずるは憂いを帯びた鋭い目つきで表現した。

左から内場勝則、楠見薫、東風万智子、小島聖、紅ゆずる、遠藤久美子、大路恵美、後藤ひろひと。

左から内場勝則、楠見薫、東風万智子、小島聖、紅ゆずる、遠藤久美子、大路恵美、後藤ひろひと。[拡大]

囲み取材には、紅、後藤らが出席。紅は自身が演じる役どころと役作りに関して、「空那は、妹を殺害した犯人に復讐したことによって、収監されているキャラクター。美しさを求められるような、カッコいいダークな役を演じた経験はあるのですが、空那の場合はそうではなくて。空那の役作りにおいて必要なのは、心を荒ませることだと思うんです。私は本来すごく綺麗好きなんですけど、今はあえて部屋の掃除をせずに、心に負荷をかけるようにしています」とこだわりを明かす。また、「フォークダンスや仲間との出会いを通じて、空那の心境が変わっていく様を細やかに表現できれば」と意気込みを語った。

大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」稽古より。

大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」稽古より。[拡大]

後藤は、約25年ぶりの再演について、「ほんの少し前まで、閉ざされた空間で手をつないで踊ることすら許されない時期が続いていましたが、コロナ禍が落ち着いた今、上演すべき作品は『FOLKER』しかないと思いました。今回、実力のある俳優さんたちが集まってくれたので、手加減せずに台本をリライトしましたね。ダンスの面で言っても、初演より何倍も、何十倍も進化したパフォーマンスになるんじゃないかと思います」と手応えを明かす。

大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」稽古より。

大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」稽古より。[拡大]

続いて、キャスト陣が自身が演じる役について語った。女囚・千歌役の遠藤久美子は「千歌は朗らかなキャラクターで、自傷行為を繰り返しながらも、自分が犯した罪と向き合っている人。罪の意識はなくならないけれど、みんなとフォークダンスをすることで、一瞬でもつらいことを忘れられているんじゃないかな」と推察。女囚・和江役の楠見薫は「和江は、空那の心をほぐすきっかけを作る人物。重いシーンが多い作品ですが、その中でも心が温まるようなパートを担えたらと思います」と笑顔を見せた。

大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」稽古より。

大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」稽古より。[拡大]

女囚・辻川役の大路恵美は「辻川はとにかく優等生なキャラクター。私自身の話で言うと、フォークダンスがうまく踊れず、すごく苦戦していて……皆さんに助けていただきながら練習しています」とキャスト陣に謝辞を述べる。女囚・祥子役の小島聖は「ほぼしゃべらない役なので、逆に大変」と苦労を吐露しつつ、「外野にいて周りを見渡す役というよりは、みんなの輪の中に入って、自分の居場所を作ったり、周りとの関係性をしっかり構築できれば良いなと思います」と話した。

大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」稽古より。

大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」稽古より。[拡大]

フォークダンス講師の松岡役を演じる内場勝則は「講師の役なので『ダンスをちゃんと踊らないかん!』というプレッシャーがあります(笑)。『FOLKER』に登場する女囚たちはみんな死刑囚なんですが、彼女たちが最期に笑えるように、最期に輝けるように、講師として導いてあげられたら」とコメント。刑務所長の黒崎役を務める東風万智子は「黒崎は、厳しさと優しさを持ち合わせている人物。台本の面白さをそのままお届けできるようにがんばります」と抱負を述べた。

「FOLKER」の公演は2月14日から23日まで大阪・堂島リバーフォーラムで行われる。

ステージナタリーでは、「FOLKER」の特集を展開中。本特集には、後藤と紅のインタビューに加え、メインキャストの遠藤、小島、内場、男性ブランコの平井まさあきと浦井のりひろのコメントを掲載している。

関連する特集・インタビュー

この記事の画像(全9件)

大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」

2025年2月14日(金)~2025年2月23日(日・祝)
大阪府 堂島リバーフォーラム

スタッフ

作・演出:後藤ひろひと

出演

紅ゆずる / 遠藤久美子 / 楠見薫 / 大路恵美 / 宮下雄也 / 西原希蓉美 / 丹下真寿美 / 植木歩生子 / 鳩川七海 / 小島聖 / 内場勝則 / 東風万智子 / 福冨タカラ / クリステル・チアリ / 後藤ひろひと / 梅澤裕介 / 松浦司 / 大野瑞生 / 寺井竜哉 / 寶珠山駿 / 平井まさあき(男性ブランコ) / 浦井のりひろ(男性ブランコ) / 粟根まこと / 松尾貴史 / 小宮海里 / 渡口和志 / 野田桃花 / 原口侑季 / 福島玖宇也 / KIM SAYA / ほんちゃん

公演・舞台情報
全文を表示

読者の反応

  • 5

asamin @asa__ming

ステージナタリーさんのお写真は全体像がちょっと覗ける感じ
緊迫した雰囲気の場面だけど、空那と皆の気持ちがどう変化していくのか楽しみ✨
#紅ゆずる
#FOLKER https://t.co/TYGNSxU0Hx

コメントを読む(5件)

関連記事

後藤ひろひとのほかの記事

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャのステージナタリー編集部が作成・配信しています。 大阪国際文化芸術プロジェクト「FOLKER」 / 後藤ひろひと / 紅ゆずる / 遠藤久美子 / 楠見薫 / 大路恵美 / 小島聖 / 内場勝則 / 東風万智子 の最新情報はリンク先をご覧ください。

ステージナタリーでは演劇・ダンス・ミュージカルなどの舞台芸術のニュースを毎日配信!上演情報や公演レポート、記者会見など舞台に関する幅広い情報をお届けします