一番太鼓が開幕告げる、中村勘三郎追善興行「猿若祭二月大歌舞伎」

十八世中村勘三郎十三回忌追善「猿若祭二月大歌舞伎」が、昨日2月2日に東京・歌舞伎座で開幕。また初日に先駆け、開幕を告げる一番太鼓の儀が同日に執り行われた。

2012年に死去した十八世中村勘三郎の十三回忌追善興行となる「猿若祭二月大歌舞伎」では、勘三郎の長男である中村勘九郎、次男の中村七之助らゆかりのある俳優陣が集い、さまざまな演目を披露する。

昼の部は、切ない女心を描く世話物「野崎村」で幕開け。同作では、勘三郎が“3人目のせがれ”と呼ぶほど目をかけた部屋子の中村鶴松が、久作娘お光を初役で勤めた。続く「釣女」は、能舞台を模した松羽目の舞台で演じられる“松羽目物”の舞踊劇。昼の部を締めくくる「籠釣瓶花街酔醒」では、勘九郎が佐野次郎左衛門を、七之助が兵庫屋八ツ橋を共に初役で勤めた。

夜の部最初の演目は、中村屋にゆかりのある晴れやかな舞踊劇「猿若江戸の初櫓」。同作では、勘九郎の長男・中村勘太郎が猿若を初役で勤め、出雲の阿国役の七之助らが出演した。歌舞伎三大名作の1つ「義経千本桜」より「すし屋」では、中村芝翫がいがみの権太を初役で勤め、最後の「連獅子」では、勘九郎とその次男・中村長三郎が代々受け継がれてきた舞踊の大曲に挑んだ。

「猿若祭二月大歌舞伎」の公演は2月26日まで。